婚約破棄を言い渡された私は、元婚約者の弟に溺愛されています

第１５話

　私はオリヴァーに、支援魔法の扱い方を学ぼうと決意する。

　ニコラスとオリヴァーは不安そうにしている中、私は魔法を使いたい理由を話す。

「私は、支援魔法を扱えるようにならないと……ニコラスが危険だと考えてしまいます」

「無意識に使える支援魔法でもニコラスは十分強い……それでも、使いたい理由があるのか？」

　オリヴァーが尋ねて、私は頷く。

「はい……近い内に、アリアス国の近くでモンスターが大量発生するかもしれません」

　私は魔力量が多くて、そのせいか嫌な予感がしていた。
　
　気のせいかもしれないからニコラスには話さなかったけど……力になりたい、本当の理由を話す。

「その時、ニコラスに危機が迫る可能性があります……気のせいかもしれませんけど、支援魔法を扱えれば、私もニコラスを守れます」

「ルーナさん……そこまで、私のことを考えてくださるのですね」

　隣に座るニコラスが感激していて、正面に座るオリヴァーは驚いている様子だ。

「なるほど、そういうことか……モンスターの大量発生は、１ヶ月以内に間違いなく起こるだろう」

「……えっ？」

「私が知る限りでは数年以内のはずですけど……１ヶ月以内、ですか？」

　私とニコラスが驚いているけど、冒険者ギルド側は把握していたのかもしれない。

「そろそろニコラス君とルーナさんに説明して、街の外に出ないようにするつもりだったが……支援魔法を覚えたいとルーナさんが言うのなら、支援魔法を覚えた方がよさそうだ」

　そう言って――私は、オリヴァーから支援魔法の扱い方を学ぶこととなっていた。