幼馴染が夫を奪った後に時間が戻ったので、婚約を破棄します

第３６話

バハムス視点

　数ヶ月が経ち、来週は預言書通りなら魔族が襲撃する。
　父の国王は予告されたと嘘をつき、戦力を集めることにしていた。

　俺は部屋で１人になって、来週の準備について思案している。
　国王の要請で安全な場所で戦うと聞いて、ルーミエとジトアは拒むことができなかったようだ。
　前線でルーミエが戦わないことに対して、俺は不安になっていた。

「前までのルーミエなら、自ら危険でも前線に出ていただろう」

　変わってしまったのだと、俺は確信している。
　貴族が安全な場所で魔法を使うのは当然の行動だから、何も言うことができない。

「何故だ……何故ルーミエは優秀なのに、ルゴアス国の危機に前線で戦わない！？」

　俺はルーミエに苛立ち、今までの言動が許せなかった。
　メリタの計画に賛同して、ルーミエをドラゴンの生贄にすることを決意する。

　その後魔族が襲撃するも、対処には成功する。
　魔族を倒すことはできなかったが、預言書の問題を解決できた。

　そのはずなのに――これから、最悪の事態が起きようとしていた。