幼馴染が夫を奪った後に時間が戻ったので、婚約を破棄します

第６２話

　ジトアが屋敷から去って、私は部屋で１人になっていた。

　魔法道具を用意していた商人マウロを、ジトアは警戒しているようだ。
　部屋で思案しながら、話し合いを思い返して私は呟く。

「ジトア様は、これからマウロを調べると言っていました」

　預言書に書かれている出来事は、ドラゴンの襲撃しか残っていない。
　メリタとバハムスのこれからの行動をジトアは推測できているようで、今はマウロを気にしている。

「未来が変わったから、行動する人ですか……」

　未来の情報でマウロは利益を得ていそうだと、ジトアは推測している。
　これからバハムスやメリタが助けを求める可能性が高いと、ジトアは言っていた。

「そこまで把握できていますし、ジトア様がいるから大丈夫でしょう」

　話を聞いたことで、私も警戒することができていた。

　今までは予想できていたけど、これから今までとは違う出来事が起こる可能性がある。
　それをジトアが警戒していたから、対処することができそうだ。