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第32話
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攻撃しても撤退せず再び結界を破壊しようとしたドラゴンを、私は撃退していた。
その光景を眺めていた先生や生徒達が私を眺めているけど、仮面の魔法道具で正体を知られることはない。
ドラゴンを倒したことを確認してすぐに、私は移動することにしていた。
魔法道具で姿をほとんど見えなくしている状態だから、遠くで確認していた人達は私を目で追えなくなる。
誰にも気づかれずゼロアの元に戻り、仮面を外して……私は、ドラゴンを倒したことを伝えた。
「ドラゴンは、問題なく倒しました」
「俺もここから見ていた。先生達の魔法でも一切倒せなかったドラゴンが、シーラの魔法数発で倒されるとは……あれほどの威力がある魔法を使って、大丈夫なのか?」
「はい。魔法はそこまで魔力を使っていませんけど、仮面の魔法道具でかなりの魔力を使いました」
私の魔力が持つ力だからか、ドラゴンを倒した魔法でもそこまで魔力を使っていない。
それでも私が疲弊しているのは、仮面の魔法道具にかなりの魔力を消費したからだ。
「シーラの正体を隠すために用意したが、辛い目に合わせてしまった」
「いいえ! ゼロア様が謝ることは何もありません。ありがとうございます」
少し落ち込んでしまったゼロアだけど、ドラゴンを対処するのは私が決めたことだ。
そして――ドラゴンを倒した謎の生徒は、学園内で話題になっていた。
その光景を眺めていた先生や生徒達が私を眺めているけど、仮面の魔法道具で正体を知られることはない。
ドラゴンを倒したことを確認してすぐに、私は移動することにしていた。
魔法道具で姿をほとんど見えなくしている状態だから、遠くで確認していた人達は私を目で追えなくなる。
誰にも気づかれずゼロアの元に戻り、仮面を外して……私は、ドラゴンを倒したことを伝えた。
「ドラゴンは、問題なく倒しました」
「俺もここから見ていた。先生達の魔法でも一切倒せなかったドラゴンが、シーラの魔法数発で倒されるとは……あれほどの威力がある魔法を使って、大丈夫なのか?」
「はい。魔法はそこまで魔力を使っていませんけど、仮面の魔法道具でかなりの魔力を使いました」
私の魔力が持つ力だからか、ドラゴンを倒した魔法でもそこまで魔力を使っていない。
それでも私が疲弊しているのは、仮面の魔法道具にかなりの魔力を消費したからだ。
「シーラの正体を隠すために用意したが、辛い目に合わせてしまった」
「いいえ! ゼロア様が謝ることは何もありません。ありがとうございます」
少し落ち込んでしまったゼロアだけど、ドラゴンを対処するのは私が決めたことだ。
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