婚約破棄を受け入れたのは、この日の為に準備していたからです

天宮有

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第52話

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 楽しい日常を終えた夜、私は部屋で今日の出来事をを思い返して幸せだった。

 そんな中――私の目の前に、1人の青年が現れる。

「……えっ?」

 壁を透過するように、赤く長い髪をした青年が私の前にいる。

 何が起きたのか理解できないでいると、青年が私を眺めて話した。

「オレの名はラウザー。龍人と呼ばれる存在だが、君がシーラでいいのか?」

「はい。そうですけど……何の用ですか?」

 突然部屋にラウザーと名乗る龍人が現れたけど、龍人についてはゼロアから聞いたばかりだ。

 どうやらレヴォクは龍人に頼んだようで、私は警戒するしかない。

 私の反応を見て、ラウザーが肩をすくめながら話す。

「レヴォクは不快だったから意識を失わせた。処刑が決まるまで目覚めることはないだろう」

「それなのに……貴方は、レヴォクの頼みを聞くのですか?」

「どうやらお互い事情は知っていそうだな。オレはシーラの話を聞き、妻にしたいと思っている」

 ラウザーの発言に、私は困惑するしかない。

 どうしてそうなったのか解らず、私は尋ねる。

「妻……ですか?」

「そうだ。ドラゴンを難無く倒す強さこそ、幻獣の頂点であるオレの伴侶に相応しい」

 本気で言っているようだけど、私はゼロアのことが好きだ。

 ラウザーを好きになることはないから、部屋から追い返そうとしていた。
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