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第84話
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ジェイクの発言と目の前の光景から、私は現状を理解していた。
力を与えたルオウは災獣で、聖女ローナを利用して街に張られていた結界を通り抜けることができたようだ。
冒険者ギルドを窺っていたのは、襲撃するタイミングを見計らっていたからだと推測できる。
魔物の世界である異界の門を発生させる災獣ルオウなら、人間を魔物にすることもできそうだ。
そして――それでもアインと私に勝てないからこそ、まずは私を狙ったに違いない。
ルオウが迫っていたけど――私は、攻撃を受けることはなかった。
「……アイン?」
私を狙ったルオウの攻撃を、アインが庇う。
突進を受け止めていたけど、衝撃からアインは意識が朦朧としている様子だ。
「ぐっっ……邪魔が入ったが、これでセリスとアインを消すことができるだろう」
「そして俺とローナは、ルオウ様と共に異界へ行く! セリスよ、今日が貴様の最期だ!」
魔物が喋ったことや、ジェイクの叫びよりも――私は、アインを守りたいと想っている。
今まで守ってくれたアインが、私を守って絶体絶命の状況になっていた。
私は目の前の災獣ルオウ、ジェイク、ローナ――そして、自分自身が許せない。
魔力による光を作り出して、魔法としてジェイク達に繰り出す。
魔物の群れと何度も戦ってきて――私は自分の魔力を知った。
今までは冒険者の人達やアインを巻き込まないようにしていたけど、この場で戦えるのは私1人だ。
戦うことを決意した私の魔法による攻撃で――災獣ルオウとジェイク、ローナを吹き飛ばす。
回復魔法でアインを回復すると、驚いている様子で呟く。
「これがセリスの、本来の実力ですか」
「はい。どうやら追い詰められたことで、私は実力を発揮することができたようです」
災獣は聖女ローナの体内に宿っていて、それによる奇襲を仕掛けてきた。
アインを確実に倒すためではなく、私を狙ったのは――私が一番脅威だと、ルオウは考えたのかもしれない。
力を与えたルオウは災獣で、聖女ローナを利用して街に張られていた結界を通り抜けることができたようだ。
冒険者ギルドを窺っていたのは、襲撃するタイミングを見計らっていたからだと推測できる。
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そして――それでもアインと私に勝てないからこそ、まずは私を狙ったに違いない。
ルオウが迫っていたけど――私は、攻撃を受けることはなかった。
「……アイン?」
私を狙ったルオウの攻撃を、アインが庇う。
突進を受け止めていたけど、衝撃からアインは意識が朦朧としている様子だ。
「ぐっっ……邪魔が入ったが、これでセリスとアインを消すことができるだろう」
「そして俺とローナは、ルオウ様と共に異界へ行く! セリスよ、今日が貴様の最期だ!」
魔物が喋ったことや、ジェイクの叫びよりも――私は、アインを守りたいと想っている。
今まで守ってくれたアインが、私を守って絶体絶命の状況になっていた。
私は目の前の災獣ルオウ、ジェイク、ローナ――そして、自分自身が許せない。
魔力による光を作り出して、魔法としてジェイク達に繰り出す。
魔物の群れと何度も戦ってきて――私は自分の魔力を知った。
今までは冒険者の人達やアインを巻き込まないようにしていたけど、この場で戦えるのは私1人だ。
戦うことを決意した私の魔法による攻撃で――災獣ルオウとジェイク、ローナを吹き飛ばす。
回復魔法でアインを回復すると、驚いている様子で呟く。
「これがセリスの、本来の実力ですか」
「はい。どうやら追い詰められたことで、私は実力を発揮することができたようです」
災獣は聖女ローナの体内に宿っていて、それによる奇襲を仕掛けてきた。
アインを確実に倒すためではなく、私を狙ったのは――私が一番脅威だと、ルオウは考えたのかもしれない。
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