私の魔力を全て奪って婚約破棄するようですが、奪えるのは1週間だけです

天宮有

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第96話

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 翌日――アインは冒険者ギルドで、異界について調べてくれるらしい。

 その間、私とラウは屋敷にいることにした。

「ラウは人間を警戒しているから街に行くべきではないし、屋敷にラウだけ置いておくわけにはいきませんけど……大丈夫ですか?」

 アインが心配してくれるけど、私は頷く。

「はい。屋敷の魔法道具なら、大丈夫に決まっています」

 ラウだけを屋敷に置いておけないのは、屋敷を防衛する魔法道具が強すぎるからだ。

 私とアインが屋敷を出ている時は、侵入者や魔物は絶対に入ってこられないようになっている。

 屋敷にいる時は私かアインが調整できるけど、屋敷の改造が楽しくて防衛力は世界規模でも凄いようだ。

「そうですね。それでも、日が暮れるまでには帰ってきます」

 そう言ってアインは屋敷を出て、私はラウを抱きかかえている。

 街や人間について話していたときは怯えている様子だったけど、今は嬉しそうな表情をしていた。

 そんなラウに――今まで何が起きたのか、私は尋ねようとしていた。
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