私の魔力を全て奪って婚約破棄するようですが、奪えるのは１週間だけです

第１０５話

　アインがラウの話から、これからの行動を話してくれる。

「明日、ラウが俺が屋敷から街へ向かったと嘘の合図を送らせて……屋敷を狙った人達を、俺が返り討ちにします」

　ラウが言うには、合図を送ってすぐ敵は行動してくるらしい。　

　屋敷を防衛する魔法道具で対処できると思っているけど、アインは隠れて倒すつもりのようだ。　

「敵は俺の実力を把握しているようなので……俺に察知されないよう距離をとっているのなら、それを利用しましょう」

　アインに見られない範囲で隠れているからこそ、敵はアインの位置を把握できないらしい。

　相当慎重に私を消そうと企んでいるけど、ラウが嘘の合図を出せば敵は終わる。

「ラウと一緒に異界にきた魔物は、人を襲っている以上は討伐することになりますけど……ラウは、それでいいですか？」

「はい。偶然異界からこの世界にきただけですし、仲間でもありません」

　アインが確認して、ラウが頷く。

　そして――翌日、私達は行動することにしていた。