私の魔力を全て奪って婚約破棄するようですが、奪えるのは１週間だけです

第１０９話

　異界の生物を利用して犯罪行為をしていた元家族は処刑が決まり――全てが解決していた。

　アインが調べても異界に戻す方法は見つからなかったけど、ラウは私との契約を受け入れてくれた。

「僕としては、異界よりもセリス様、アイン様と一緒にいたいです」

　異界に戻りたいというのは、元家族がそう言えば私なら行動すると話していたからのようだ。

　実際は異界よりも、ラウは私とアインの元にいたいと話してくれている。

　拒まれることなく契約することができて――ラウは、無害な存在になっていた。

「セリスの期待に応えられなかったのは、残念です」

　アインが少し落ち込んでいる様子だけど、私は微笑みを浮かべて返答する。

「ラウがこの世界にいたいと言ったのですから、いいじゃないですか」

「それもそうですね……セリスが嬉しそうなら、俺も嬉しいです」

　アインが笑顔を浮かべて、私達は街へ向かう。

　アイン、ラウと一緒に冒険者としての日々を送ることができて――私達は幸せだ。