私を追い出した後に後悔しても知りません

天宮有

文字の大きさ
10 / 11

第10話

しおりを挟む
 翌日になって、城に元夫ラドスと元姉ファゾラがやって来た。

 王家が扱う改良や新しい魔法道具を調査し、マイラがいると考えたらしい。
 ラドスとファゾラはマイラを捜索していたようで、城にいるのなら会って話したいと頼んだようだ。

 応接室で私は待つことにして、隣にアルベール王子がいてくれる。
 そしてラドスとファゾラが部屋に入ると、私を眺めて叫ぶ。

「まさか城で働いているとは思わなかった! マイラは今まで通り俺の元で働いて欲しい!!」

「私よりマイラの方が優秀と認めるから、ラドス様の命令を聞きなさい!」

「マイラを見てすぐ叫ぶ辺り、焦っているのがよくわかる……マイラは、どうしたい?」

 アルベール王子がラドスとファゾラに呆れているようで、私も同じ気持ちだ。

 私と同じ作業ができなかったようで、ファゾラは私を優秀と認めている。
 どうして認めたら、私がラドスの命令を聞かなければならないのだろうか?

「ファゾラ様は、何を言っているのですか?」

「私がマイラより優秀と言ったせいで追い出すことになったから、間違っていたと私が認めたことでマイラはドラリザ伯爵家に戻れるということよ!」

「俺の妻にも戻してやろう。これで全て解決だ!」

 確かにラドスのリアース侯爵家やファゾラのドラリザ伯爵家で起きている問題は、私が戻れば解決しそうだ。

 2人が私を連れ戻そうとしていることは、昨日の時点で予測できている。
 ラドスの提案を聞き、私は本心を話すことにした。
 
「お断りします。私は無関係なので、あなた達がどうなっても構いません」

「なんだと!? マイラは何を言っている!?」

「城で働く私の部下に対して、ラドスの方が何を言っている?」

「うっっ……俺が悪かった! マイラの力が必要なんだ!!」

 アルベール王子の発言を聞き、ラドスが私に深く頭を下げてくる。
 王子の説得は諦めて私が心変わりすることを望んだようだけど、何を言われても変わることはない。

 こうなることは予想していたから、私が会わずに対応することもできた。
 それをしなかったのは、私が元夫と元家族に言いたいことがあるからだ。

「後悔しているようですが――私を追い出した後に、後悔しても知りません」

 言いたいことを言い、後はアルベール王子が対応してくれる。
 相手が王子だと何も言えなくなったようで、ラドスとファゾラは諦めて城から去っていた。

 その後――元家族は、家族だった私と同じことができると思い込んだらしい。
 行動するも私と同じことができなかったようで、元夫と元家族は更に後悔することとなる。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

貴方が要らないと言ったのです

藍田ひびき
恋愛
「アイリス、お前はもう必要ない」 ケヴィン・サージェント伯爵から一方的に離縁を告げられたアイリス。 彼女の実家の資金援助を目当てにした結婚だったため、財政が立て直された今では結婚を続ける意味がなくなったとケヴィンは語る。 屈辱に怒りを覚えながらも、アイリスは離縁に同意した。 しかしアイリスが去った後、伯爵家は次々と困難に見舞われていく――。 ※ 他サイトにも投稿しています。

【完結】精神的に弱い幼馴染を優先する婚約者を捨てたら、彼の兄と結婚することになりました

当麻リコ
恋愛
侯爵令嬢アメリアの婚約者であるミュスカーは、幼馴染みであるリリィばかりを優先する。 リリィは繊細だから僕が支えてあげないといけないのだと、誇らしそうに。 結婚を間近に控え、アメリアは不安だった。 指輪選びや衣装決めにはじまり、結婚に関する大事な話し合いの全てにおいて、ミュスカーはリリィの呼び出しに応じて行ってしまう。 そんな彼を見続けて、とうとうアメリアは彼との結婚生活を諦めた。 けれど正式に婚約の解消を求めてミュスカーの父親に相談すると、少し時間をくれと言って保留にされてしまう。 仕方なく保留を承知した一ヵ月後、国外視察で家を空けていたミュスカーの兄、アーロンが帰ってきてアメリアにこう告げた。 「必ず幸せにすると約束する。どうか俺と結婚して欲しい」 ずっと好きで、けれど他に好きな女性がいるからと諦めていたアーロンからの告白に、アメリアは戸惑いながらも頷くことしか出来なかった。

婚約破棄と言われても、どうせ好き合っていないからどうでもいいですね

うさこ
恋愛
男爵令嬢の私には婚約者がいた。 伯爵子息の彼は帝都一の美麗と言われていた。そんな彼と私は平穏な学園生活を送るために、「契約婚約」を結んだ。 お互い好きにならない。三年間の契約。 それなのに、彼は私の前からいなくなった。婚約破棄を言い渡されて……。 でも私たちは好きあっていない。だから、別にどうでもいいはずなのに……。

【完結】婚約破棄はしたいけれど傍にいてほしいなんて言われましても、私は貴方の母親ではありません

すだもみぢ
恋愛
「彼女は私のことを好きなんだって。だから君とは婚約解消しようと思う」 他の女性に言い寄られて舞い上がり、10年続いた婚約を一方的に解消してきた王太子。 今まで婚約者だと思うからこそ、彼のフォローもアドバイスもしていたけれど、まだそれを当たり前のように求めてくる彼に驚けば。 「君とは結婚しないけれど、ずっと私の側にいて助けてくれるんだろう?」 貴方は私を母親だとでも思っているのでしょうか。正直気持ち悪いんですけれど。 王妃様も「あの子のためを思って我慢して」としか言わないし。 あんな男となんてもう結婚したくないから我慢するのも嫌だし、非難されるのもイヤ。なんとかうまいこと立ち回って幸せになるんだから!

嘘の誓いは、あなたの隣で

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢ミッシェルは、公爵カルバンと穏やかに愛を育んでいた。 けれど聖女アリアの来訪をきっかけに、彼の心が揺らぎ始める。 噂、沈黙、そして冷たい背中。 そんな折、父の命で見合いをさせられた皇太子ルシアンは、 一目で彼女に惹かれ、静かに手を差し伸べる。 ――愛を信じたのは、誰だったのか。 カルバンが本当の想いに気づいた時には、 もうミッシェルは別の光のもとにいた。

婚約者に嫌われた伯爵令嬢は努力を怠らなかった

有川カナデ
恋愛
オリヴィア・ブレイジャー伯爵令嬢は、未来の公爵夫人を夢見て日々努力を重ねていた。その努力の方向が若干捻れていた頃、最愛の婚約者の口から拒絶の言葉を聞く。 何もかもが無駄だったと嘆く彼女の前に現れた、平民のルーカス。彼の助言のもと、彼女は変わる決意をする。 諸々ご都合主義、気軽に読んでください。数話で完結予定です。

ごきげんよう、元婚約者様

藍田ひびき
恋愛
「最後にお会いしたのは、貴方から婚約破棄を言い渡された日ですね――」  ローゼンハイン侯爵令嬢クリスティーネからアレクシス王太子へと送られてきた手紙は、そんな書き出しから始まっていた。アレクシスはフュルスト男爵令嬢グレーテに入れ込み、クリスティーネとの婚約を一方的に破棄した過去があったのだ。  手紙は語る。クリスティーネの思いと、アレクシスが辿るであろう末路を。 ※ 3/29 王太子視点、男爵令嬢視点を追加しました。 ※ 3/25 誤字修正しました。 ※ なろうにも投稿しています。

貴方の子ではありません

藍田ひびき
恋愛
国で唯一の聖樹の護り手「盟樹者」であるアーサー・レッツェル子爵は、妻のいる身でありながら平民の女性セリーヌへ手を出していた。しかし妻が身籠るとあっさりセリーヌを捨ててしまう。 数年後、次代の盟樹者を見定める儀式が行われることになり、アーサーは意気揚々と息子エリアスを連れて儀式に挑む。しかしエリアスに全く反応しない聖樹にアーサーは焦る。そこへセリーヌが現れて…? サクッと読める短編です。 ※ 他サイトにも投稿しています。

処理中です...