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第27話

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ドリアス視点

 俺は兵士に化けて城に潜入したヤミーと名乗る商人を、部屋に入れた。
 細目で微笑みを浮かべているような商人だが、怪しすぎる。

 それでも――今まで見たことのない魔法道具は、魅力的だった。
 もう地獄でしかない魔方陣を起動させる時が迫り、現実逃避したくなったのだろう。

「私は、違法になる魔法道具を取引する商人です」

「違法だと?」

「魔法道具に使っている物質や、効果が危険すぎるとか……様々な理由があります」

 そう言って違法となる魔法道具の説明を受けて、部屋に入れたことを後悔していた。
 とんでもない危険人物で――俺と魔法道具を取引に来たのが信じられない。

「そ、それで……ヤミーは、なぜここにやって来た?」

 俺が恐る恐る尋ねると、ヤミーは微笑みながら話す。

「魔方陣を使いこなせる人がいると聞きましたけど――実在しているのですか?」

 その質問だけで、俺は察することができている。
 約2ヶ月前……魔方陣について、俺は魔法学園の教室内で叫びながら説明した。

 それは噂になっていて、ヤミーも聞きつけてやって来たのだろう。
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