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第30話

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 今日は全生徒が集まる集会がある日で……私は警戒心を強めていた。

 3日後にパーティがあって、私はアルクと共に参加しようと考えている。
 それは、今日でドリアス殿下との問題が、全て解決すると確信しているからだ。

 来週頃、ドリアス殿下は魔方陣を起動させなければならないから、この集会で行動に出るのは間違いない。
 今までの行動から、前回のパーティ会場のように婚約者クノレラの友人達を使い、私を貶めようとするはずだ。

 ドリアス殿下はあまりにも無茶な策だと思うしかないけど、追い詰められて手がないのでしょう。
 念の為アルクに調査してもらっていたから、他に手がないことはわかっている。

 ――大丈夫。
 今日に備えて、対策はとれている。

 集会が始まろうとしていて、私は生徒達の席を見渡していた。

「……やっぱり、ドリアス殿下が生徒の席にいませんね」

 きっと舞台裏で、自分の声を伝える時を待っているに違いない。
 そして全生徒が集まった集会が始まり――ドリアス殿下は、再び恥をさらすこととなっていた。
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