全てを諦めた私は、自由になります

天宮有

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第1話

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「ルリサの魔力は増加し続けて危険だ。今すぐこの国から出て行け!!」

 侯爵令嬢の私ルリサ・ラベーリは、城に呼び出されて国王から国外追放を言い渡されていた。

 玉座がある大広間には私の家族と王子達、そして貴族の人達が集まっている。
 王子達が並んでいる中には、私の婚約者ゼノラス王子もいた。
 ゼノラスが笑みを浮かべているのが理解できないでいると、陛下が話す。

「ルリサは常に魔力量が増加していく特殊な力がある。その力でギアノ国は繁栄したが、今のルリサは危険すぎる!」

「陛下、以前にも言いましたけど……私の魔力を利用しなければ、増加することはありません」

 私は2年前に魔法が扱えるようになってから、極めて特殊な力を持っている。
 使えば使うほど体内に宿せる魔力の量が増加していく力で、その力を使いギアノ国に様々な恩恵を与えていた。

 そして――国王や貴族達は、私の力を利用することに決める。
 ギアノ国は発展していったけど、未だに増加していく私の魔力に恐怖したようだ。

 自分の力を把握している私は、今まで自分の力を説明していた。
 私が再び説明すると、陛下が呆れながら話す。

「ふん。貴様の力などもう利用していない、それでも魔力が増加しているではないか」

「ギアノ国の大地は、他国の大地と比べて膨大な魔力に溢れています。それは私の力によるものです」

 そしてその大地の魔力を、ギアノ国の人達は魔法道具で利用している。
 それを止める――もしくは私が国外に出ない限り、私の魔力は常に増加することとなってしまう。

 私が説明しても、この大広間にいる人達は信じようとしなかった。

「ふざけたことを言うな! 貴様1人にそんな力があるものか!」

 全て私の膨大すぎる魔力によるものだけど、それを認めるとラベーリ侯爵家から力を得ていることとなる。
 貴族の人達は領地の魔力が凄いと考えるようになり、私の発言を否定した。

「ルリサ様の体内に宿す魔力が今まで通り増え続けると、来年にはギアノ国の全員の魔力を束ねても敵わなくなるでしょう」

 国王の隣にいる宰相が説明したけど、それが私を国外追放したい理由のようだ。
 宰相の発言を聞いて、貴族の人達が私に暴言を吐く。

「もしルリサ様が魔力を制御できなくなれば、ギアノ国が滅びるかもしれない……可能性が低いとしても、国が滅びるかもしれないのだぞ!」

「暴走してルリサ様が消えるだけなら構わないが、我々を巻き込まないでいただきたい!!」

 婚約者のゼノラス、私の家族も助ける気がないようで――国王が叫ぶ。

「魔力の増加を抑えることができないのなら、ルリサをギアノ国に住まわせるわけにはいかん。今すぐに出て行け!!」

 私が出て行けば、ギアノ国は大変なことになる。
 これから先に起こることを説明しても、大広間にいる人は誰も信じようとしない。

 全て私の推測で、実際に起きていないからだ。
 そして……私は、全てを諦めていた。

「誰も信じないのでしたら――私は、ギアノ国から出て行きます」

 ギアノ国がどうなっても構わないと、私は考えるようになる。
 吹っ切れることができた私は、国を出て自由になろうとしていた。
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