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第2話
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私は馬車に乗って、城から屋敷に戻っていた。
部屋で国を出る準備をしていると、私の家族と――同行していた、婚約者ゼノラスがやって来る。
「私が消えれば、大変なことになりますよ」
「妄言を吐くな! 陛下の発言が全てだ……優秀なサレアがいるから、お前が消えても何も問題はない!」
お父様は私の発言を信じずに叫び、ゼノラスが笑みを浮かべて話す。
「当然のことだが話しておこう。俺とルリサの婚約はもう破棄されている」
私の妹サレアは、ギアノ国で最も優秀な魔法使いと呼ばれていた。
サレアは活躍して評判がいいけど、それは全て私の力によるものだ。
「お父様……貴方が優秀と仰ったサレアの魔力が膨大なのは、私が傍にいるからです」
姉妹だからなのか、私の魔力の一部をサレアは使うことができるようだ。
それがサレアが優秀と呼ばれる真相だけど、本人は認めようとしない。
「お姉様、いいえルリサは何を言っているの? 私の実力に決まっているじゃない!」
「妄言を吐いてまで国を出たくないのか……見苦しい娘だ! さっさと屋敷から消えろ!!」
私の家族はサレアの方が大事で、私の発言を信じようとはしない。
部屋から出ようとした私に向かって、ゼノラスが話す。
「最後だから教えておいてやろう、俺とサレアは相思相愛だ」
「……えっ?」
「ルリサが国外追放されたことで、サレアを婚約者にする問題が消えた……貴様が消えたことで、俺達は幸せに生きることができるだろう」
「これからルリサは魔力が増え続けて、制御できず苦しんで最期を迎えるのでしょう。見ることができないのは残念です」
ゼノラスはサレアの肩を抱き、2人で私を嘲笑している。
国外追放を受けた際に、ゼノラスが喜んでいた理由は理解できた。
ここで私が何を言ったとしても、聞く耳を持たず馬鹿にしてきそうだ。
ギアノ国も、ラベーリ侯爵家もどうでもよくなった私は――廊下を歩き、屋敷を出ようとして呟く。
「ゼノラスとサレアが幸せに生きる……それは、不可能です」
発言を思い返し、私は断言する。
これから起こることを考えれば、ゼノラスがサレアと幸せに生きることは不可能だった。
部屋で国を出る準備をしていると、私の家族と――同行していた、婚約者ゼノラスがやって来る。
「私が消えれば、大変なことになりますよ」
「妄言を吐くな! 陛下の発言が全てだ……優秀なサレアがいるから、お前が消えても何も問題はない!」
お父様は私の発言を信じずに叫び、ゼノラスが笑みを浮かべて話す。
「当然のことだが話しておこう。俺とルリサの婚約はもう破棄されている」
私の妹サレアは、ギアノ国で最も優秀な魔法使いと呼ばれていた。
サレアは活躍して評判がいいけど、それは全て私の力によるものだ。
「お父様……貴方が優秀と仰ったサレアの魔力が膨大なのは、私が傍にいるからです」
姉妹だからなのか、私の魔力の一部をサレアは使うことができるようだ。
それがサレアが優秀と呼ばれる真相だけど、本人は認めようとしない。
「お姉様、いいえルリサは何を言っているの? 私の実力に決まっているじゃない!」
「妄言を吐いてまで国を出たくないのか……見苦しい娘だ! さっさと屋敷から消えろ!!」
私の家族はサレアの方が大事で、私の発言を信じようとはしない。
部屋から出ようとした私に向かって、ゼノラスが話す。
「最後だから教えておいてやろう、俺とサレアは相思相愛だ」
「……えっ?」
「ルリサが国外追放されたことで、サレアを婚約者にする問題が消えた……貴様が消えたことで、俺達は幸せに生きることができるだろう」
「これからルリサは魔力が増え続けて、制御できず苦しんで最期を迎えるのでしょう。見ることができないのは残念です」
ゼノラスはサレアの肩を抱き、2人で私を嘲笑している。
国外追放を受けた際に、ゼノラスが喜んでいた理由は理解できた。
ここで私が何を言ったとしても、聞く耳を持たず馬鹿にしてきそうだ。
ギアノ国も、ラベーリ侯爵家もどうでもよくなった私は――廊下を歩き、屋敷を出ようとして呟く。
「ゼノラスとサレアが幸せに生きる……それは、不可能です」
発言を思い返し、私は断言する。
これから起こることを考えれば、ゼノラスがサレアと幸せに生きることは不可能だった。
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