虐げられた令嬢は、耐える必要がなくなりました

天宮有

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第16話

レモノ視点

 私はガイスから屋敷に招待されて、部屋で話を聞いている。
 姉に虐げられたと考えているガイスは、アニカが屋敷から出たことを喜んでいた。

「まさかジェイド様が、アニカを屋敷に住ませるとは思いませんでしたけど……これでレモノ様は安全です」

「そうですね」

 話を聞いてガイスに賛同するけど、私は苛立っていた。
 ガイスの顔立ちは整ってはいるけど、ジェイドと比べると遥かに劣る。
 
 ジェイドはアニカのことが好きでもなければ、屋敷に招待しないはず。
 私の婚約者は目の前のガイスなのに、アニカの婚約者はジェイドになりそう。
 侯爵家と公爵家、貴族達の評判もジェイドの方がガイスより遥かに上だ。

 ジェイドが姉アニカを屋敷に招待してから、私はそんなことばかり考える。
 嫉妬が強くなっていくのを自覚して、抑えることができなくなっていく。

「……お姉様のことが好きだなんて、ジェイド様も物好きな人です」

「はい。普通ならアニカ様よりも、レモノ様を好きになるでしょう」

 ――そう、ガイスの言う通りだ。
 ジェイドとアニカが出会った時、私には婚約者がいた。
 婚約者がいなければ、ジェイドはアニカよりも私のことが好きになったに決まっている。 

 ジェイドはアニカよりも、私の方が好きだと確信する。
 好きだと伝えてジェイドを婚約者にできれば、アニカの居場所を奪うことができそうだ。
 そして立場が上になるから、婚約者のガイスは切り捨ててしまえばいい。

 私は決意して、行動に出ようとする。
 それが最悪の結末になることを、私はなにも考えていなかった。

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