44 / 46
44 囚われのパメラ 後編
しおりを挟む
「意識があればこちらのほうがきっと楽しいでしょうね。必死に逃げ回るあなたの四肢には鉄球が繋がれ思うように動けない。ゆっくりじっくり追い詰めて――」
「は、放してっ」
「おや、あの量の麻酔を飲まされたわりにお早いお目覚めですね。植物由来では効き目が薄いところは、魔法が使えないと言えど腐ってもハイエルフと褒めるきなのでしょうか」
まだ意識が朦朧としているパメラの全身を舐め回すように、値踏みをするレックスの視線がまとわりつく。
キアラをルキウスから離反させたガイル一行について、レックス達は指名依頼を出すからとの口実と王族の権力で詳細に調べ上げている。
その中でパメラについてはハイエルフの名に恥じない卓越した美貌。そしてハイエルフであるとは信じられない――引き受けたどの依頼でも魔法を使ったことがない、どうやら使えないらしいことが報告されていた。
レックスの厳しい皮肉が、船酔いしているかのようなパメラの頭に響く。不快さと口惜しさが津波のように押し寄せた。
何とか反論をしたいのだけれど思うように口が開けない。
ほぼ大の字で両手足を壁際に拘束され身動きが取れないうえに、いまだレックスの左手が彼女の胸を強く握っている。
何も抵抗できずされるがままの状況に知らず知らず涙がこぼれ落ちていた。
「おやおや、どうして泣いているのです? 我が主はあなたのような出来損ないのハイエルフを捕えるために、わざわざこのような仕掛けを準備するほどご執心なのに」
パメラの四肢の自由を奪う鎖の表面には魔力封じの複雑な紋が彫られている。
敵の魔法を防ぐために城壁などで使われる高度な技術として知られるものであるが、魔法使いを無力化し拘束することにも転用されている。
マティアスはパメラが魔法を使えないとの情報を冒険者ギルドから入手をしたが、決して油断することなく準備を行った。
彼の配下であるレックスは、あきれながらも主人の命に従ってこの部屋を大急ぎで作り上げさせられたのである。
あえてパメラへ意地の悪い言葉を発しているのは、不要とも思える大仰な準備をさせられたことについて不在の主への意趣返しであるのをレックスは気づいている。だからこそ余計に意地の悪い口調にもなっていた。
「さてさて、我が主が来られるまではもう少し時間がありそうですね。よければもう少し私にお付き合いくださいな、ハーフエルフのようなハイエルフのお嬢さん」
「――っ」
「そんなに泣かないでくださいよ、まるで私が悪者みたいではありませんか」
「お願いっ、は、放してっ!」
「んー、何を放せばよいのですかねぇ。はっきり言っていただかないとわかりませんねぇ」
「や、やめ、て――」
口許に歪んだ笑みを浮かべるレックスは左手に握ったパメラの乳房を執拗に弄ぶ。時にパメラの体が揺れるほど激しく、時にさざ波のように優しく撫でる。
恥ずかしさと屈辱にパメラが身をよじる。レックスは舌なめずりをしながらパメラの服を引き裂いた。
「いやーっ!!」
「ほう、これはこれは見事なものですね。あなたも自分でやらしい体をしていると思っているでしょう!」
顔を背けたパメラの顎にレックスが右手を掛けて強引に彼の方へ向けさせる。
パメラは悔しさに唇を噛みしめレックスに憎悪を込めた目を向けた。
「とてもいい表情です。しかしご主人様に向ける態度ではないですね。どうやらマティアス様が来られるまでに少し調教が必要なようですね。まったく困ったことです」
困っているどころかこれ以上楽しいことはないと言わんばかりに嗜虐的な笑みをレックスは浮かべる。もともといかがわしい行為をするための部屋の中には責め具が壁や棚のあちこちに見られる。
レックスはゆっくりと壁に掛けられた黒い鞭を手にしてパメラの足元を軽く数回打ち据えた。石床に当たった革の乾いた音が響く。
「しっかり手入れがされている良い鞭です。さすがマティアス様ですね。では行きますよ。いつまでその気丈さが持つでしょうかねえ!」
レックスはさきほどとは打って変わって大きく振り被る。露わになったパメラの真っ白な双丘を目掛けてしなやかな黒蛇が襲い掛かったと同時にサファイアブルーの光が一閃、乾いた金属音が部屋の中に木霊した。
「――てめぇ、いい加減にしろよ!!」
ジルニトラの背からデニスの胸甲を投げたガイルは、そのまま半開きの窓を蹴破った。
「は、放してっ」
「おや、あの量の麻酔を飲まされたわりにお早いお目覚めですね。植物由来では効き目が薄いところは、魔法が使えないと言えど腐ってもハイエルフと褒めるきなのでしょうか」
まだ意識が朦朧としているパメラの全身を舐め回すように、値踏みをするレックスの視線がまとわりつく。
キアラをルキウスから離反させたガイル一行について、レックス達は指名依頼を出すからとの口実と王族の権力で詳細に調べ上げている。
その中でパメラについてはハイエルフの名に恥じない卓越した美貌。そしてハイエルフであるとは信じられない――引き受けたどの依頼でも魔法を使ったことがない、どうやら使えないらしいことが報告されていた。
レックスの厳しい皮肉が、船酔いしているかのようなパメラの頭に響く。不快さと口惜しさが津波のように押し寄せた。
何とか反論をしたいのだけれど思うように口が開けない。
ほぼ大の字で両手足を壁際に拘束され身動きが取れないうえに、いまだレックスの左手が彼女の胸を強く握っている。
何も抵抗できずされるがままの状況に知らず知らず涙がこぼれ落ちていた。
「おやおや、どうして泣いているのです? 我が主はあなたのような出来損ないのハイエルフを捕えるために、わざわざこのような仕掛けを準備するほどご執心なのに」
パメラの四肢の自由を奪う鎖の表面には魔力封じの複雑な紋が彫られている。
敵の魔法を防ぐために城壁などで使われる高度な技術として知られるものであるが、魔法使いを無力化し拘束することにも転用されている。
マティアスはパメラが魔法を使えないとの情報を冒険者ギルドから入手をしたが、決して油断することなく準備を行った。
彼の配下であるレックスは、あきれながらも主人の命に従ってこの部屋を大急ぎで作り上げさせられたのである。
あえてパメラへ意地の悪い言葉を発しているのは、不要とも思える大仰な準備をさせられたことについて不在の主への意趣返しであるのをレックスは気づいている。だからこそ余計に意地の悪い口調にもなっていた。
「さてさて、我が主が来られるまではもう少し時間がありそうですね。よければもう少し私にお付き合いくださいな、ハーフエルフのようなハイエルフのお嬢さん」
「――っ」
「そんなに泣かないでくださいよ、まるで私が悪者みたいではありませんか」
「お願いっ、は、放してっ!」
「んー、何を放せばよいのですかねぇ。はっきり言っていただかないとわかりませんねぇ」
「や、やめ、て――」
口許に歪んだ笑みを浮かべるレックスは左手に握ったパメラの乳房を執拗に弄ぶ。時にパメラの体が揺れるほど激しく、時にさざ波のように優しく撫でる。
恥ずかしさと屈辱にパメラが身をよじる。レックスは舌なめずりをしながらパメラの服を引き裂いた。
「いやーっ!!」
「ほう、これはこれは見事なものですね。あなたも自分でやらしい体をしていると思っているでしょう!」
顔を背けたパメラの顎にレックスが右手を掛けて強引に彼の方へ向けさせる。
パメラは悔しさに唇を噛みしめレックスに憎悪を込めた目を向けた。
「とてもいい表情です。しかしご主人様に向ける態度ではないですね。どうやらマティアス様が来られるまでに少し調教が必要なようですね。まったく困ったことです」
困っているどころかこれ以上楽しいことはないと言わんばかりに嗜虐的な笑みをレックスは浮かべる。もともといかがわしい行為をするための部屋の中には責め具が壁や棚のあちこちに見られる。
レックスはゆっくりと壁に掛けられた黒い鞭を手にしてパメラの足元を軽く数回打ち据えた。石床に当たった革の乾いた音が響く。
「しっかり手入れがされている良い鞭です。さすがマティアス様ですね。では行きますよ。いつまでその気丈さが持つでしょうかねえ!」
レックスはさきほどとは打って変わって大きく振り被る。露わになったパメラの真っ白な双丘を目掛けてしなやかな黒蛇が襲い掛かったと同時にサファイアブルーの光が一閃、乾いた金属音が部屋の中に木霊した。
「――てめぇ、いい加減にしろよ!!」
ジルニトラの背からデニスの胸甲を投げたガイルは、そのまま半開きの窓を蹴破った。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった
仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。
そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!
さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。
冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。
底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。
そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。
部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。
ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。
『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる