万年Aクラスのオッサン冒険者、引退間際になって伝説を残す?

 師と仰いだ人と同じ轍を踏まないように、計画的な冒険者引退を計ってきた三十代半ばのガイル。
 その日、最後のクエストを無事終えることができた。後はホームタウンへ帰って冒険者ギルドで引退の手続きをするだけだった。
 感慨深く安い酒を楽しんでいる彼の前へ、最後のクエストで同行したエルフの美少女パメラがやって来るなり驚くことを口にした。

「背中の魔剣を私に売りなさい」

 気づかれていると思っていなかった彼は大いに焦るものの、旅の途中に彼女の事情を知った後では断りづらい。冒険者から足を洗うのが目の前でもあって、剣を手放すのはやぶさかではない。
 二人は彼の部屋へと場所を移して剣を見せる予定だったのに見せることにはならず、色々と見せることになったのはパメラのほうだった。

 おかげでそのまま付きまとわれることになり、ホームタウンへ戻っても緊急クエストが発生して強制参加を余儀なくされる。
 最後のクエストを終えたと考えていた三十代半ば男の旅の幕引きは、彼の意思とは関係なくさせてもらえそうになかった。
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