君を好きになるなんて絶対にありえない!

ジャック

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1章

第8話Side北風

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「あぁ~、えっと、大丈夫か?」


そういう風に語ってきた男の子は根暗そうで、正直なんでこんなやつが…と思ってしまった。


私も年頃の女の子なので、こういうシーンのある漫画を見るのだが、大体この時に女の子を助けるのは白馬の王子様なみにかっこいい人が助けに来るもんじゃないの!?


そんなふうに思って黙っていると、その男の子は私から目を逸らし、上を向いた。多分私が沈黙していたから、助けを拒否したと思ったのだと思う。


だが、それよりも驚きだったのは顔を見てもあまり反応せず身体を舐め回すような目で見なかったことだ。


初対面でもそうでなくても大抵の人は私のことを舐め回す様に見る。だから、そんな視線にも敏感に気づくようになった。けど、彼からは、そんな感じがしなかった。


そんなことを思ったが、それよりも今は助けて欲しいので口を開くことにする。


「…ぐずっ…ここに来る時までの階段で足、挫いちゃって…」


「…えっ?」

素直に答えたのに私が喋ったことが驚きなのか、変な声になっていた。なんか気に食わなかったので、聞いてやった。


「…ぐすっ…何?」


「あ…あぁ、いや、な、んでもない。気にしないで。それより怪我した足見せてくれる?」


なんだかすごく緊張しているように感じた。いや、実際にしているのだろう。変なことをしないで、怪我の心配をしてくれてちょっと嬉しかった。


右足を彼に見せながら彼のことを観察した。多分彼は修学旅行に来ている私と同じが学校の生徒だろう。どこかで見たような気がしたからだ。どうしてこんな所にいるのだろうか?そんなことを考えていると


「…ごめん、ちょっとだけさ、わるね」

不意にそんなことを言ってきた。やっぱりこいつも同じか…とおもった。

「…何を…痛!」


「ご、ごめん!」


「…だ、大丈夫…」


素直に謝ってきた。でも、痛かったので少し睨んでしまった。でも、怪我の状態を確かめるために触ったんだ…と思うと、疑ってしまった彼を反省した。


そこから、彼は手際よく私に治療を行った。彼が服を脱いだ時は驚いたし、「へ、変態!?」とまで疑ったが、自分の服を破いているのを見て納得した。何も説明がなかったので今回疑ったことは反省していない。100パーセント彼が悪い!


布を巻いている時につい冷たくて変な声が出てしまって、とても恥ずかしかった。だが、それよりもそんな私に無反応で作業する彼に憤りを感じたが、同時に興味も湧いた。


私が人気なのは学校では周知の事実なのに、かれは私に対して興味がなさそうだった。むしろ、嫌われているようにも感じたが、それは気の所為だろう。私がタイプでないのかもしれない。でも、学校の生徒ならば彼女がいる男子だって私を気持ち悪い目で見てくるので関係ないと思う。


私が靴を履くと、彼は私に八つ橋をくれた。なんで八つ橋?と思ったけれど、スルーした。ハンドクリームを塗ったお陰か履きやすかった。


でも、彼はどうしてここにいるのだろう?時間に余裕はないし、なんで班ではなくて1人なのだろう…


彼が歩いて行くがそっちはホテルの方向ではない。


「…待って!!そっち、ホテルとは真逆だよ!」


この時間的にはホテルに行くしかないが、彼が歩いた方向は真反対なのだ。それに彼は私の言葉を聞いて立ち止まった。もしかして彼は…


「…もしかして…みち…分からないの……?」


そういうと彼は耳まで真っ赤になるのが見えた。当たっているのだろう。


「あぁ、ま…いごなんだ。ほ、ホテルまでの道、教えてくれない…かな?」


予想通りだった。彼は意外と抜けているらしい。真っ赤になって子供みたいに頼んでいる姿が可愛い。


「わかった!助けてくれたお礼ね~」


彼は距離を置いて歩いてくれた。多分彼に話しかけるなという意味だと思う。私はそれが嬉しかった。言い換えせば、彼は私に何も聞かないという意味だからだ。普通は疑問に思って聞かない?


「なんで、あそこで泣いていたの?」って


私なら聞く。


でも、彼は何も聞かず、ただ黙って私の後ろを歩いていた。私は、あの出来事を言いたくない。だって、絶対にあの時のことを思い出して、泣いてしまうかもしれないから。


私は弱いから。

だから黙って振り返ることもしない彼の行動が嬉しかった。


そんな彼を見て、悪い人じゃないと思ったし、何よりどんな人なのか興味が湧いた。


だから私は彼が作ってくれたこの状態を壊すことにした。


「待って!!なんでそんなに後ろを歩いてるのよ!横に来たらいいじゃん!」


そうすると彼は横に来てくれた。だが、舌打ちが聞こえた気がするが気の所為だろう。


横に来ると彼は露骨に顔をしかめ、歪ませていた。多分私のこと嫌ってる。多分ではなく…確実だ…

でも、私は何かをした覚えがない。名前すら知らないもの。

私の事嫌っているのに、横に来てくれたことで、彼の優しさを感じたが、私が歩き出すと彼は立ち止まったままだった。


…彼の意地悪さを感じた。


でも、彼と話したかったので、こっちに来てくれるように呼びかける。


「こっち来てよ!なんでそんなに距離を取ろうとしてるの?!」


「そんなことしていない。」


明らかにしてるよ!?この光景を見た全員が私と同じことを思うに違いない!


また、距離を取ろうとする。彼は私と話したくないのだろう。それが何から来ているのかは分からない。「優しさ」か、「嫌悪」か分からなかった。


でも、彼が私に追いつくと歩くスピードを緩め、私に合わせてくれた。諦めたのかもしれない。それでも思う。


彼は優しい…


どうしても話したい。

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