君を好きになるなんて絶対にありえない!

ジャック

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2章

第13話

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「おっ!これ懐かしいなぁ!」

 陽がプリントを探して机の引き出しを開けていたら急にそんなこと言ってきたのだ。そして俺に見せたものは…

「あぁ~。これか。懐かしい…か?」

 反省文だった。うちの学校は反省文を書くと学校がそれをコピーしてコピーしたものを書いた本人に渡すのだ。なんの為かって?自分を戒めるためらしい。俺は過去に書いた反省文は全部捨ててるのに陽はとっているのか。真面目か!

 そして陽が俺に渡した反省文の日付は去年の4月9日。この日は俺達の高校入学式の日のものなのだ。高校入学初日から俺と陽は反省文を書いたのだ。ちなみに罪状は遅刻。

 この日に俺は陽と知り合ったのだ。まぁ、それとは別の意味でも思い出がこの日にはあるんだよな。

「神楽ってこの日のこと覚えたりする?」

「あー、大体な。」

 俺は破れて直した自分の冬服のズボンを見てあの日のことを思い出した。

 俺はこの日寝坊したのだ。学校楽しみだなぁーなんて言う遠足気分でいたら眠れなくて寝坊した。今考えてもバカだと思う。

 それでもギリギリ間に合いそうだったので本気で走った。誰かが大声で何か言ってたんだよ。それでその時にたまたま信号を無視して、ながらスマホしてイヤホンを装着している女子中学生に気づいた。女の子は車が来ていることに気づいてなかった様子だった。

 それを確認した俺は持っていたバッグを落として最高速度でその女の子元に走った。正直間に合うかどうか分からない。俺も轢かれるかもしれなかったがそんなことを考えず、走った。あの時の俺はウサイン・ボルトを超えていたのではないだろうか?

 そして俺はその女の子を助けることが出来た。俺も轢かれることは無かった。ただ俺はその時に地面で膝を削ってしまい、ズボンが破れて出血していたんだよ。

『怪我はない!?』

『え、はい…。あなたの方こそ…!』

『良かった。ながらスマホは駄目だぞ?信号無視もな。気をつけろよ!あと、俺はここに来る前に石につまずいてコケた。』

『えっ!?あっ!待ってくだ…』

 やべぇ。これは学校に間に合うか分からん。そう思った俺は女の子の怪我の具合だけ確認したらすぐにバッグを拾って学校に行ったんだよなぁ。それで結局遅刻だった。

 それで反省文書いてたらもう1人俺より遅くに来て堂々と遅刻しているやつがいた。それが陽。確かあの時どんな会話したっけ…。

『あっ!』

 当時の俺はいや、誰だよお前。ってすげぇ思った。人、指さしてたし。

『あ……?』

 とりあえず俺も知ってる風にした。なんか見たことあるなぁーって感じにしといたらいいだろうって思った。

『足…大丈夫?』
  
 俺は自分の右足から血が出ているのをわかっていた。さっき助けたやつだなぁって思いながら。でも、こいつはそんなこと知らないから学校に来て初日で遅刻してズボン破くようなヤバいやつだと思われたって思ったに違いないからテキトーに言い訳をしようと思った。

『えっと…さっきのやつなんだけどー…ごめ……』

『あぁ、いや、これは』
 「石でつまずいて大怪我したんだよ。だっけ?」

「そうだな。」

 必死に考えた言い訳がこれだった。そしたらこの後俺たちは「えっ?」ってお互いになって急に陽が笑いだしたんだよ。

 この後から陽は俺によく話に来るようになった。

「そういや何でお前はあの時笑ってたんだ?それになんか謝ろうとしてただろ?」

「さぁ?なんのことやら?さっ!勉強しようぜ!」

 そうやって誤魔化して陽は反省文をしまって勉強しだした。まぁ、昔のことだから陽は覚えてないのかも。







それから2時間ぐらい勉強していたら…

「荒木先輩、晩御飯出来ましたよ~!」

と陽菜ちゃんが俺たちを呼びに来てくれた。

 ということで俺は直ぐに勉強道具を片付けて陽菜ちゃんと一緒に部屋を出た。

「お、おい!ちょっと待って!俺は!?」

「お兄ちゃんは呼んでないよ~?」

「そういう事だ。普段からイチャつくからだぞ?」

 さっきの惚気けた仕返しに陽菜ちゃんの作戦に全力で乗っかった。

 俺と陽菜ちゃんは部屋を出た後ドアを閉めて急いでドアを開けた陽に横から驚かせてやった。

 結局は3人でリビングに向かった。

 机には既に晩御飯が用意されていた。…かなり豪華っぽいな。
 
 既に陽の両親が椅子に座っていた。それを確認した俺は直ぐに挨拶をした。

「お邪魔してます。それと晩御飯頂いていいんですか?」

「もちろんだ。陽と陽菜にに勉強を教えて貰った礼だよ。それに前にも歓迎すると言ったからね。」

「ありがとうございます。」 

 俺と陽、そして陽菜ちゃんはそれぞれ席について、

「「「「「いただきます」」」」」

晩御飯を頂いた。

「……美味しい…。」

 北風の作ったご飯も美味しかったが、陽の家の晩御飯も美味しい。普段からコンビニ弁当しか食べてないから家庭の味って感じがする。

「あらあら、お口にあったようで何よりだわぁ。」

 そこからは家族の会話と言う様なものが始まった。

 …両親が死んでからこんな会話に何回か憧れていたから聞いているだけで楽しかった。家族の会話みたいなものに混ぜてもらったことはとても嬉しかった。

 もしかしたら俺の家族が姉ちゃん以外居ないことを陽の家族は知っているのかもしれないな。

「さて、陽から聞いているかもしれないが話、というより頼み事があってね…。」

 あぁ…。話したいって言っていたが頼み事があるって事だったのか。

 既に全員がご飯を食べ終えていて食器は運び終えている。

「…頼み事…ですか。」 

 別に断るつもりはない。俺に出来ることであれば何でもやるつもりだ。

「あぁ。単刀直入に言うと、陽菜の家庭教師になってくれないか?」
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