88 / 91
終幕
コーバスとオーラフ宰相の関係
しおりを挟む
久しぶりに目にしたオーラフ宰相の水色の瞳に、ルカは知らずユリウスのシャツを握りしめていた。王宮で、誰よりも会いたくなかった人物だ。短鞭でルカを打ち据えた時と同じに冷えた目をしたオーラフ宰相は、濡れそぼったルカとユリウスを見た。
「王都に水が戻ったのは何よりのこと。まずはベイエル伯とルカにお礼を言わねばならないようだな。ああ、ルカは王妹殿下とお呼びするべきなのかな。もしくは敬意を込めてレガリアを継ぐ者と」
オーラフ宰相は何をどこまで知っているのだろうか。
そんな疑問が顔に浮かんでいたようだ。オーラフ宰相はルカと、同じく訝しげなユリウスに答えた。
「ベイエル伯とルカの疑問は最もだ。私が何をどこまで知っているのか。不思議に思っているのだろう? その答えは全て、だ。そう、全てだ。ベイエル伯とルカが危険をおかしてまで天敵ともいうべき王宮へ来なければならなかった理由と、そこに至るまでの経緯全てだ」
「宰相がどこまで何を知っていようと関係はない。それに、全てを知っているというのなら尚更、ルカにはもう用はないはずだ。通してもらおう」
「まぁそう急くな、ベイエル伯。まずは着替えなどしてゆっくり語り合おうではないか」
「あいにくとこちらはその必要性を微塵も感じん」
「ふはははは」
オーラフ宰相は声だけで笑った。表情は相変わらず冷めている。
「聞きしに勝る堅物よの。コーバスがベイエル伯に肩入れするのもわかる気がしたぞ」
「コーバスだと?」
ユリウスが鋭くオーラフ宰相を睨んだ。なぜここでコーバスの名が出てくるのだろうか。
ルカも不思議に思った。
中央政界の頂点ともいうべき宰相の地位にあるオーラフ宰相と、辺境の田舎貴族のコーバス。接点はないはずだ。
オーラフ宰相は、自分の言葉が的確にユリウスを驚かせたことに、満足したようだ。今度こそ表情を緩めた。
「おや。知らなかったのか? コーバスは私の実の弟だ」
「コーバスが? 弟だと?」
ユリウスは全くの予想外だったらしい。心底驚いている。
「私はオーラフ家の養子でね。幼い頃にオーラフ家にうつったので、別に隠しているわけではないが、私が養子だと知らない者も多い。フルン家を出たとはいえ、コーバスが私の実の弟であることには変わりない。その辺りのことも含めて、貴殿と話がしたいのだ」
ユリウスは迷っているようだった。ルカを抱く腕に力がこもり、じっとオーラフ宰相を見据えた。
「まずは着替えなどして、私の執務室でゆっくり話そう。ルカも同席させたければ拒まん。それにもちろん、ルカがここにいることは、ライニール王には秘しておく。王宮騎士団にも手出しはさせない。それでどうだ?」
ユリウスは相手の真意を探ろうとしているのだろう。しばらくオーラフ宰相と睨み合い、やがて静かに頷いた。
「わかった。半刻後に執務室へ伺う」
「ユリウス!」
エメレンスがやめておけととどめる。それへ、ユリウスは首を振った。
「いずれオーラフ宰相とは話をせねばならんとは思っていた」
「しかし」
相手の真意もわからぬままに、敵中に留まることは危険だとエメレンスはユリウスをとどめた。
が、ユリウスは覚悟を決めたようにエメレンスに、「大丈夫だ」と肩をたたいた。
「では。私は執務室で待っているぞ。ああ、ルカはこちらでお預かりしよう。着替えなど、エメレンス殿下のもとに、女性物はございますまいからな」
それへはユリウスはきっぱりと告げた。
「いや。王宮内でルカを手元から離すわけにはいかない。お断りする」
「賢明な判断だ」
オーラフ宰相は紫紺のマントを翻し、その場を去っていった。
オーラフ宰相と別れた後、エメレンスのもとで湯を浴び、着替えをすませた。替えの服はオーラフ宰相の言う通り、エメレンスのもとにはなかったが、エメレンスがどこからか調達してきてくれた。黒のワンピースだ。軽く身支度を整え、エメレンスの執務室に戻ると、先に湯を浴び、着替えを済ませたユリウスに、エメレンスが話しかけているところだった。
「おい、本当に大丈夫なのか?」
ユリウスはそれへ答えようとしたが、部屋へ入ってきたルカに気がつき、ルカを抱き上げた。
「大丈夫かはわからんが、オーラフ宰相がこのままモント領へ大人しくルカを帰すとも思えんからな」
「なら尚更だ。一刻も早くここを離れ、モント領へ戻ったほうがいい」
「それで? 王宮騎士団が攻めてきたら、どうしろというのだ」
エメレンスはがしがしと頭をかいた。いつも飄々としたエメレンスにしては、雑な仕草だ。それだけ事態は切迫しているのだろう。
ルカが不安げにユリウスを見ると、ユリウスは「少し頭の中を整理した」と言った。
「コーバスのことは全くの予想外だったが、色々と説明する手間が省けたともいえる」
「ったく。そのコーバスとやらは、お前の腹心なのだろう? 獅子身中の虫とはまさにこのことだぞ。オーラフ宰相が、ベイエル伯にモント領をあてがったのも、間違いなく実弟がいたからだぞ。よくいままでルカのことをそいつが告げ口しなかったのだな」
「そこだエメレンス。今までも、コーバスは王宮騎士団に追われているルカを、俺が匿っていることを知っていた。知っていて何もしなかった。モント領に赴任して十年だ。その十年間、コーバスが俺に不利益になるようなことは一度もしたことはない」
「だが、実際こうしてオーラフ宰相は出てきた。コーバスが全てを報告したからだろう?」
「その報告が、俺に不利になるとは限らんだろう。むしろ今回の場合、全て明るみに出たほうが、こちらに都合がよい。むしろレガリアのことなど、隠したいのは宰相側の方だからな」
「そうかもしれないがな」
エメレンスはふぅと長い息を吐いた。
「まぁ今更おまえを止めることなどできないと、私もわかってはいるのだがな。だがな、これだけは言わせてくれ。気をつけろよ、ユリウス。相手は何倍も上手だぞ。この王宮という巣窟で走り続けている男だ。頭は切れる」
「忠告、ありがたく受け取っておこう」
「ルカは? どうするのだ? 連れて行くのか?」
「ああ。例えお前のもとでも、ルカを俺の側から離したくはない」
まいったとエメレンスは笑った。
「堅物の溺愛ぶりも、ここまでくると呆れるぞ」
エメレンスの言葉にユリウスは真面目に頷いた。
「褒められたと思っておこう」
「ただの嫌味だ。これだから堅物だと言われるんだ」
「それの何が悪い。―――行くぞ、ルカ」
「うん」
オーラフ宰相との話し合いで何が話されるのかはわからない。でもユリウスが側にいる限り、何が起ころうと怖くはない。
ルカはしっかりとユリウスの言葉に頷いた。
「王都に水が戻ったのは何よりのこと。まずはベイエル伯とルカにお礼を言わねばならないようだな。ああ、ルカは王妹殿下とお呼びするべきなのかな。もしくは敬意を込めてレガリアを継ぐ者と」
オーラフ宰相は何をどこまで知っているのだろうか。
そんな疑問が顔に浮かんでいたようだ。オーラフ宰相はルカと、同じく訝しげなユリウスに答えた。
「ベイエル伯とルカの疑問は最もだ。私が何をどこまで知っているのか。不思議に思っているのだろう? その答えは全て、だ。そう、全てだ。ベイエル伯とルカが危険をおかしてまで天敵ともいうべき王宮へ来なければならなかった理由と、そこに至るまでの経緯全てだ」
「宰相がどこまで何を知っていようと関係はない。それに、全てを知っているというのなら尚更、ルカにはもう用はないはずだ。通してもらおう」
「まぁそう急くな、ベイエル伯。まずは着替えなどしてゆっくり語り合おうではないか」
「あいにくとこちらはその必要性を微塵も感じん」
「ふはははは」
オーラフ宰相は声だけで笑った。表情は相変わらず冷めている。
「聞きしに勝る堅物よの。コーバスがベイエル伯に肩入れするのもわかる気がしたぞ」
「コーバスだと?」
ユリウスが鋭くオーラフ宰相を睨んだ。なぜここでコーバスの名が出てくるのだろうか。
ルカも不思議に思った。
中央政界の頂点ともいうべき宰相の地位にあるオーラフ宰相と、辺境の田舎貴族のコーバス。接点はないはずだ。
オーラフ宰相は、自分の言葉が的確にユリウスを驚かせたことに、満足したようだ。今度こそ表情を緩めた。
「おや。知らなかったのか? コーバスは私の実の弟だ」
「コーバスが? 弟だと?」
ユリウスは全くの予想外だったらしい。心底驚いている。
「私はオーラフ家の養子でね。幼い頃にオーラフ家にうつったので、別に隠しているわけではないが、私が養子だと知らない者も多い。フルン家を出たとはいえ、コーバスが私の実の弟であることには変わりない。その辺りのことも含めて、貴殿と話がしたいのだ」
ユリウスは迷っているようだった。ルカを抱く腕に力がこもり、じっとオーラフ宰相を見据えた。
「まずは着替えなどして、私の執務室でゆっくり話そう。ルカも同席させたければ拒まん。それにもちろん、ルカがここにいることは、ライニール王には秘しておく。王宮騎士団にも手出しはさせない。それでどうだ?」
ユリウスは相手の真意を探ろうとしているのだろう。しばらくオーラフ宰相と睨み合い、やがて静かに頷いた。
「わかった。半刻後に執務室へ伺う」
「ユリウス!」
エメレンスがやめておけととどめる。それへ、ユリウスは首を振った。
「いずれオーラフ宰相とは話をせねばならんとは思っていた」
「しかし」
相手の真意もわからぬままに、敵中に留まることは危険だとエメレンスはユリウスをとどめた。
が、ユリウスは覚悟を決めたようにエメレンスに、「大丈夫だ」と肩をたたいた。
「では。私は執務室で待っているぞ。ああ、ルカはこちらでお預かりしよう。着替えなど、エメレンス殿下のもとに、女性物はございますまいからな」
それへはユリウスはきっぱりと告げた。
「いや。王宮内でルカを手元から離すわけにはいかない。お断りする」
「賢明な判断だ」
オーラフ宰相は紫紺のマントを翻し、その場を去っていった。
オーラフ宰相と別れた後、エメレンスのもとで湯を浴び、着替えをすませた。替えの服はオーラフ宰相の言う通り、エメレンスのもとにはなかったが、エメレンスがどこからか調達してきてくれた。黒のワンピースだ。軽く身支度を整え、エメレンスの執務室に戻ると、先に湯を浴び、着替えを済ませたユリウスに、エメレンスが話しかけているところだった。
「おい、本当に大丈夫なのか?」
ユリウスはそれへ答えようとしたが、部屋へ入ってきたルカに気がつき、ルカを抱き上げた。
「大丈夫かはわからんが、オーラフ宰相がこのままモント領へ大人しくルカを帰すとも思えんからな」
「なら尚更だ。一刻も早くここを離れ、モント領へ戻ったほうがいい」
「それで? 王宮騎士団が攻めてきたら、どうしろというのだ」
エメレンスはがしがしと頭をかいた。いつも飄々としたエメレンスにしては、雑な仕草だ。それだけ事態は切迫しているのだろう。
ルカが不安げにユリウスを見ると、ユリウスは「少し頭の中を整理した」と言った。
「コーバスのことは全くの予想外だったが、色々と説明する手間が省けたともいえる」
「ったく。そのコーバスとやらは、お前の腹心なのだろう? 獅子身中の虫とはまさにこのことだぞ。オーラフ宰相が、ベイエル伯にモント領をあてがったのも、間違いなく実弟がいたからだぞ。よくいままでルカのことをそいつが告げ口しなかったのだな」
「そこだエメレンス。今までも、コーバスは王宮騎士団に追われているルカを、俺が匿っていることを知っていた。知っていて何もしなかった。モント領に赴任して十年だ。その十年間、コーバスが俺に不利益になるようなことは一度もしたことはない」
「だが、実際こうしてオーラフ宰相は出てきた。コーバスが全てを報告したからだろう?」
「その報告が、俺に不利になるとは限らんだろう。むしろ今回の場合、全て明るみに出たほうが、こちらに都合がよい。むしろレガリアのことなど、隠したいのは宰相側の方だからな」
「そうかもしれないがな」
エメレンスはふぅと長い息を吐いた。
「まぁ今更おまえを止めることなどできないと、私もわかってはいるのだがな。だがな、これだけは言わせてくれ。気をつけろよ、ユリウス。相手は何倍も上手だぞ。この王宮という巣窟で走り続けている男だ。頭は切れる」
「忠告、ありがたく受け取っておこう」
「ルカは? どうするのだ? 連れて行くのか?」
「ああ。例えお前のもとでも、ルカを俺の側から離したくはない」
まいったとエメレンスは笑った。
「堅物の溺愛ぶりも、ここまでくると呆れるぞ」
エメレンスの言葉にユリウスは真面目に頷いた。
「褒められたと思っておこう」
「ただの嫌味だ。これだから堅物だと言われるんだ」
「それの何が悪い。―――行くぞ、ルカ」
「うん」
オーラフ宰相との話し合いで何が話されるのかはわからない。でもユリウスが側にいる限り、何が起ころうと怖くはない。
ルカはしっかりとユリウスの言葉に頷いた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
王宮地味女官、只者じゃねぇ
宵森みなと
恋愛
地味で目立たず、ただ真面目に働く王宮の女官・エミリア。
しかし彼女の正体は――剣術・魔法・語学すべてに長けた首席卒業の才女にして、実はとんでもない美貌と魔性を秘めた、“自覚なしギャップ系”最強女官だった!?
王女付き女官に任命されたその日から、運命が少しずつ動き出す。
訛りだらけのマーレン語で王女に爆笑を起こし、夜会では仮面を外した瞬間、貴族たちを騒然とさせ――
さらには北方マーレン国から訪れた黒髪の第二王子をも、一瞬で虜にしてしまう。
「おら、案内させてもらいますけんの」
その一言が、国を揺らすとは、誰が想像しただろうか。
王女リリアは言う。「エミリアがいなければ、私は生きていけぬ」
副長カイルは焦る。「このまま、他国に連れて行かれてたまるか」
ジークは葛藤する。「自分だけを見てほしいのに、届かない」
そしてレオンハルト王子は心を決める。「妻に望むなら、彼女以外はいない」
けれど――当の本人は今日も地味眼鏡で事務作業中。
王族たちの心を翻弄するのは、無自覚最強の“訛り女官”。
訛って笑いを取り、仮面で魅了し、剣で守る――
これは、彼女の“本当の顔”が王宮を変えていく、壮麗な恋と成長の物語。
★この物語は、「枯れ専モブ令嬢」の5年前のお話です。クラリスが活躍する前で、少し若いイザークとライナルトがちょっと出ます。
嫌われ皇后は子供が可愛すぎて皇帝陛下に構っている時間なんてありません。
しあ
恋愛
目が覚めるとお腹が痛い!
声が出せないくらいの激痛。
この痛み、覚えがある…!
「ルビア様、赤ちゃんに酸素を送るためにゆっくり呼吸をしてください!もうすぐですよ!」
やっぱり!
忘れてたけど、お産の痛みだ!
だけどどうして…?
私はもう子供が産めないからだだったのに…。
そんなことより、赤ちゃんを無事に産まないと!
指示に従ってやっと生まれた赤ちゃんはすごく可愛い。だけど、どう見ても日本人じゃない。
どうやら私は、わがままで嫌われ者の皇后に憑依転生したようです。だけど、赤ちゃんをお世話するのに忙しいので、構ってもらわなくて結構です。
なのに、どうして私を嫌ってる皇帝が部屋に訪れてくるんですか!?しかも毎回イラッとするとこを言ってくるし…。
本当になんなの!?あなたに構っている時間なんてないんですけど!
※視点がちょくちょく変わります。
ガバガバ設定、なんちゃって知識で書いてます。
エールを送って下さりありがとうございました!
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
【完結】記憶喪失の令嬢は無自覚のうちに周囲をタラシ込む。
ゆらゆらぎ
恋愛
王国の筆頭公爵家であるヴェルガム家の長女であるティアルーナは食事に混ぜられていた遅延性の毒に苦しめられ、生死を彷徨い…そして目覚めた時には何もかもをキレイさっぱり忘れていた。
毒によって記憶を失った令嬢が使用人や両親、婚約者や兄を無自覚のうちにタラシ込むお話です。
結婚して5年、冷たい夫に離縁を申し立てたらみんなに止められています。
真田どんぐり
恋愛
ー5年前、ストレイ伯爵家の美しい令嬢、アルヴィラ・ストレイはアレンベル侯爵家の侯爵、ダリウス・アレンベルと結婚してアルヴィラ・アレンベルへとなった。
親同士に決められた政略結婚だったが、アルヴィラは旦那様とちゃんと愛し合ってやっていこうと決意していたのに……。
そんな決意を打ち砕くかのように旦那様の態度はずっと冷たかった。
(しかも私にだけ!!)
社交界に行っても、使用人の前でもどんな時でも冷たい態度を取られた私は周りの噂の恰好の的。
最初こそ我慢していたが、ある日、偶然旦那様とその幼馴染の不倫疑惑を耳にする。
(((こんな仕打ち、あんまりよーー!!)))
旦那様の態度にとうとう耐えられなくなった私は、ついに離縁を決意したーーーー。
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる