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第七章 旦那様の幸せ
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「寄るな、触るな、くっ付くな! 貴様ら、この私が誰だか分かっているのか!?」
振り払っても振り払っても、次から次へと蔓のように伸びてくる手から懸命に身体を捩り、逃げる。
背中の壁が崩れ、背後に不穏な気配を感じて振り返ると、幾人もの令嬢達が私のことを見つめていた。
まるで獲物を前にした蛇のように瞳を光らせ、舌舐めずりする様を見て、私が悲鳴をあげたことは言うまでもない。あまりにも恐ろし過ぎて、悲鳴は声にすらならなかったが。
そうして、何故かそのまま私は現在進行形で、彼女らに追いかけまわされている。
誰もが傅く次期国王たるこの私が、令嬢如きに! 追い回されているのだ。
何故──。
考えるも、答えがハッキリと形になる前に、霧散してしまう。考え事に没頭すると、走る速度が落ちてしまい、その都度彼女らに捕らえられそうになるが故に。
何故、どうしてこんな事になった?
私はただ、大人しくて従順、それでいて権力欲のない女を妻に迎えたかっただけだ。
条件に合致した女を漸く見つけることが出来、手を伸ばしたが人妻だった。だから多少手を回し、全てが上手くいくよう取り計らっただけのこと。
なのに肝心のリーゲルに、離縁することを拒否された。リーゲルとて、学院時代あれほどアンジェラと仲睦まじくしていたのだから、たとえ政略とはいえ、結婚相手が妹となったことに憤りを感じていると思っていたのだが。
いざ奥方に結婚の申し込みをしてみれば、「離縁はしない」だと? アンジェラの妹だからという理由で娶っただけのくせに、今更「身代わりだと思った事はない」などと──。
「つ~かまえた」
瞬間、すぐ側で聞こえた声に、私はゾクリと全身を震わせた。
「は、離せ! 私はこの国の──」
「王太子殿下でございましょう? よく存じておりますわ」
言いながら、掴まれた腕に令嬢の爪がギリギリと食い込んでくる。
何とかして逃れようと肩を掴むが、今度は掴まれた片腕に、全力で巻き付かれた。
「やめろ! 今すぐ離せ! この……離せと言っている!」
いくら男と女で力の差があるとはいえ、片腕しか使えない状況では、さすがに振り払うことは難しい。
「貴様……私の命令が聞けないのか! 不敬罪で処刑しても良いのだぞ!」
次第に、室内にいた他の令嬢達も私に追い付いて来てしまい、周囲を囲まれ逃げ道をなくされる。
令嬢にしがみ付かれた腕を力任せに振るも、彼女も渾身の力を籠めているのか、離れないことに私は激昂した。
「離せ……離せ、離せぇぇぇぇぇ!」
まるで追い詰められた獲物のような心境になり、無我夢中で腕を振り回し、身体ごとしがみ付いている令嬢を振り回す。
「……きゃあっ!」
ややあってから、抵抗虚しく悲鳴と共に令嬢が腕から離れると、私はすぐさま逃げ出そうとして──背後から何者かにのし掛かられた。
「うわっ!」
前のめりに倒れ込んだ為、額を強打し、目の前に星が飛ぶ。
一体何が起きたのかと、酷い眩暈に耐えながら顔を上げようとした時だった。
「おめでとうございます、オニキス侯爵令嬢様。貴女様が王太子妃ですわ」
そう告げる、アンジェラの声が聞こえた。
「な……」
「本当ですか!? ありがとうございます! 頑張って走った甲斐がありましたわ」
声が聞こえるだけで、どの令嬢がオニキス侯爵令嬢なのかが分からない。
いや、それよりも。何故アンジェラが、勝手に王太子妃を選出しているのか。その権限は、私だけに委ねられている筈だろう?
何もかもが不可解で、どうしてこうなったのか理解が追いつかない。
眩暈の治ってきた頭を上げ、未だ私の背中の上に座るアンジェラを睨み付けると、彼女は美しくも妖艶な笑みを浮かべた。
「もうこれ以上シーヴァイス様の我が儘を許してはおけないと、陛下から密命を承りましたの。どんな方法でも構わないから、指定した令嬢の中から婚約者を選出しろと。ですので僭越ながら、鬼ごっこで決めさせていただきましたわ」
「な……馬鹿な! 誰がそんな勝手なことを!」
「ですから陛下が。お許し下さったのですわ。ご婚約から逃げてばかりの貴方様には、相応しい方法でしたでしょう?」
ゆっくりとアンジェラが立ち上がる。
おかげで背中は軽くなったが、私は抑えきれない怒りにブルブルと身体が震え、すぐには立ち上がる事が出来なかった。
何故だ……せっかく妻にしたい令嬢を見つけたというのに。何故、今更になってこんな……。
見付けるのが遅過ぎたのか。もっと早く手を打っていたら、こんな事にはならなかったのか。
激しい後悔に襲われ、唇を噛み締める。
こうなる前に手を打つべきだった。リーゲルに気など遣わなければ……。
いや、もしかしたら──。まだ、決まったわけではない。
一縷の望みを持って、勢い良く立ち上がる。そのまま部屋の出口へと向かうと、扉の前にいたエルンストが、私の退室を阻むかのように立ち塞がった。
「何をしている。どけ!」
しかし、エルンストは動く事なく、力なく首を横に振る。
「恐れながら申し上げます。今回の取り決めに異議を申し立てた場合、廃嫡も辞さないとの……陛下からのお言葉です」
「…………!」
目の前が真っ暗になった。
全身の力が抜け、その場に膝から崩れ落ちる。
「廃嫡? 私が? 私は……父上のたった一人の後継なのだぞ」
「時間は……既に十分過ぎる程に与えたとの……仰せです」
「そんな……馬鹿な……」
信じられなかった。よもや自分がこんな羽目に陥るなど思いもしていなかった。
もっと早くにグラディスと出逢っていたら。リーゲルがいなかったら。アンジェラがリーゲルと結婚してさえいれば。
様々な可能性が頭に浮かび、その全てが叶わなかった現実として消えていく。
次期国王か、廃嫡か。
提示された選択肢は、あまりにも残酷なものだった──。
振り払っても振り払っても、次から次へと蔓のように伸びてくる手から懸命に身体を捩り、逃げる。
背中の壁が崩れ、背後に不穏な気配を感じて振り返ると、幾人もの令嬢達が私のことを見つめていた。
まるで獲物を前にした蛇のように瞳を光らせ、舌舐めずりする様を見て、私が悲鳴をあげたことは言うまでもない。あまりにも恐ろし過ぎて、悲鳴は声にすらならなかったが。
そうして、何故かそのまま私は現在進行形で、彼女らに追いかけまわされている。
誰もが傅く次期国王たるこの私が、令嬢如きに! 追い回されているのだ。
何故──。
考えるも、答えがハッキリと形になる前に、霧散してしまう。考え事に没頭すると、走る速度が落ちてしまい、その都度彼女らに捕らえられそうになるが故に。
何故、どうしてこんな事になった?
私はただ、大人しくて従順、それでいて権力欲のない女を妻に迎えたかっただけだ。
条件に合致した女を漸く見つけることが出来、手を伸ばしたが人妻だった。だから多少手を回し、全てが上手くいくよう取り計らっただけのこと。
なのに肝心のリーゲルに、離縁することを拒否された。リーゲルとて、学院時代あれほどアンジェラと仲睦まじくしていたのだから、たとえ政略とはいえ、結婚相手が妹となったことに憤りを感じていると思っていたのだが。
いざ奥方に結婚の申し込みをしてみれば、「離縁はしない」だと? アンジェラの妹だからという理由で娶っただけのくせに、今更「身代わりだと思った事はない」などと──。
「つ~かまえた」
瞬間、すぐ側で聞こえた声に、私はゾクリと全身を震わせた。
「は、離せ! 私はこの国の──」
「王太子殿下でございましょう? よく存じておりますわ」
言いながら、掴まれた腕に令嬢の爪がギリギリと食い込んでくる。
何とかして逃れようと肩を掴むが、今度は掴まれた片腕に、全力で巻き付かれた。
「やめろ! 今すぐ離せ! この……離せと言っている!」
いくら男と女で力の差があるとはいえ、片腕しか使えない状況では、さすがに振り払うことは難しい。
「貴様……私の命令が聞けないのか! 不敬罪で処刑しても良いのだぞ!」
次第に、室内にいた他の令嬢達も私に追い付いて来てしまい、周囲を囲まれ逃げ道をなくされる。
令嬢にしがみ付かれた腕を力任せに振るも、彼女も渾身の力を籠めているのか、離れないことに私は激昂した。
「離せ……離せ、離せぇぇぇぇぇ!」
まるで追い詰められた獲物のような心境になり、無我夢中で腕を振り回し、身体ごとしがみ付いている令嬢を振り回す。
「……きゃあっ!」
ややあってから、抵抗虚しく悲鳴と共に令嬢が腕から離れると、私はすぐさま逃げ出そうとして──背後から何者かにのし掛かられた。
「うわっ!」
前のめりに倒れ込んだ為、額を強打し、目の前に星が飛ぶ。
一体何が起きたのかと、酷い眩暈に耐えながら顔を上げようとした時だった。
「おめでとうございます、オニキス侯爵令嬢様。貴女様が王太子妃ですわ」
そう告げる、アンジェラの声が聞こえた。
「な……」
「本当ですか!? ありがとうございます! 頑張って走った甲斐がありましたわ」
声が聞こえるだけで、どの令嬢がオニキス侯爵令嬢なのかが分からない。
いや、それよりも。何故アンジェラが、勝手に王太子妃を選出しているのか。その権限は、私だけに委ねられている筈だろう?
何もかもが不可解で、どうしてこうなったのか理解が追いつかない。
眩暈の治ってきた頭を上げ、未だ私の背中の上に座るアンジェラを睨み付けると、彼女は美しくも妖艶な笑みを浮かべた。
「もうこれ以上シーヴァイス様の我が儘を許してはおけないと、陛下から密命を承りましたの。どんな方法でも構わないから、指定した令嬢の中から婚約者を選出しろと。ですので僭越ながら、鬼ごっこで決めさせていただきましたわ」
「な……馬鹿な! 誰がそんな勝手なことを!」
「ですから陛下が。お許し下さったのですわ。ご婚約から逃げてばかりの貴方様には、相応しい方法でしたでしょう?」
ゆっくりとアンジェラが立ち上がる。
おかげで背中は軽くなったが、私は抑えきれない怒りにブルブルと身体が震え、すぐには立ち上がる事が出来なかった。
何故だ……せっかく妻にしたい令嬢を見つけたというのに。何故、今更になってこんな……。
見付けるのが遅過ぎたのか。もっと早く手を打っていたら、こんな事にはならなかったのか。
激しい後悔に襲われ、唇を噛み締める。
こうなる前に手を打つべきだった。リーゲルに気など遣わなければ……。
いや、もしかしたら──。まだ、決まったわけではない。
一縷の望みを持って、勢い良く立ち上がる。そのまま部屋の出口へと向かうと、扉の前にいたエルンストが、私の退室を阻むかのように立ち塞がった。
「何をしている。どけ!」
しかし、エルンストは動く事なく、力なく首を横に振る。
「恐れながら申し上げます。今回の取り決めに異議を申し立てた場合、廃嫡も辞さないとの……陛下からのお言葉です」
「…………!」
目の前が真っ暗になった。
全身の力が抜け、その場に膝から崩れ落ちる。
「廃嫡? 私が? 私は……父上のたった一人の後継なのだぞ」
「時間は……既に十分過ぎる程に与えたとの……仰せです」
「そんな……馬鹿な……」
信じられなかった。よもや自分がこんな羽目に陥るなど思いもしていなかった。
もっと早くにグラディスと出逢っていたら。リーゲルがいなかったら。アンジェラがリーゲルと結婚してさえいれば。
様々な可能性が頭に浮かび、その全てが叶わなかった現実として消えていく。
次期国王か、廃嫡か。
提示された選択肢は、あまりにも残酷なものだった──。
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