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五日目
俺はもう、瑞樹に猛攻撃をすることに決めていた。
瑞樹にこちらから接触できる機会はもうそんなに残っていない。
周りに少しおかしく思われたとしても、そこは気にせずなるべく接触を図ることにした。
授業中に、教科書片手に、奴を眺める…。
ほっせー腰だな…なんか女みてえ…
瑞樹が少し高めの声で、古文の教科書を読みながら、教室内を歩き回る。
瑞樹は変わらず、何事もなかったようにしているけど、ほんの少しだけ、変化があった。気付いているのは俺だけかもしれないけど。
教室内で、俺の席の近くに来なくなった。
これは明らかにそうで、俺の席近く以外は何度もうろうろするのに、俺の近くにはただの一度も来なくなった。
無意識か意識的か…よくわからないけど、たとえ俺のことを警戒されていたとしても、無視されるよりは、少しは嬉しい気もしてくる。俺の頭のねじは…既に、ぶっ飛んだのかもしんない。
下校時間になり、俺は意気揚々と職員室へ向かう。
前とは違い、今回は入り口付近で堂々と声をあげる。
「日向せんせー…いますか?」職員室内で一種のどよめき。
「おい…おまえ、須賀…一体どうしたんだ?おまえが職員室に来るとか…やっぱり本当に違和感しかないぞ…」色んな先生が目を細めている中に、いた!瑞樹…今日はいるじゃん。
少し驚いた顔をしてこちらを見ている。うん、それでこそ、俺の標的。
「日向先生、今日の古文の授業でわかんないところがあったんで、教えてもらえませんか…?」とりあえず下手に出る。実習中の先生が生徒の授業中の質問を、無下にはできないはずだ…俺にはそんな狙いがあった。
「…須賀君、どの部分かな…いいよ、今からでも…さ、職員室に入りなさい」そう言って、俺を中へ促す。
「いや…先生、質問多すぎで、他の先生に迷惑かかるし、すんませんけど、他の人に聞かれたくない相談もあって…できればここ以外で…」あえて、周りに聞こえるような声でそう言うと、瑞樹は少し困った顔で答えた。
「…わかりました…んじゃあ、教室に行こうか。今からでもいいよ…?」
…よし、これで、二人きりだ。
俺は瑞樹と並んで、誰もいなくなった教室へ向かう。
さて…どう料理してやろうか…いや、まだ早い、まずは…話だけ。
俺は頭をぐるぐる巡らせながら、人気のない廊下を歩く。
俺はもう、瑞樹に猛攻撃をすることに決めていた。
瑞樹にこちらから接触できる機会はもうそんなに残っていない。
周りに少しおかしく思われたとしても、そこは気にせずなるべく接触を図ることにした。
授業中に、教科書片手に、奴を眺める…。
ほっせー腰だな…なんか女みてえ…
瑞樹が少し高めの声で、古文の教科書を読みながら、教室内を歩き回る。
瑞樹は変わらず、何事もなかったようにしているけど、ほんの少しだけ、変化があった。気付いているのは俺だけかもしれないけど。
教室内で、俺の席の近くに来なくなった。
これは明らかにそうで、俺の席近く以外は何度もうろうろするのに、俺の近くにはただの一度も来なくなった。
無意識か意識的か…よくわからないけど、たとえ俺のことを警戒されていたとしても、無視されるよりは、少しは嬉しい気もしてくる。俺の頭のねじは…既に、ぶっ飛んだのかもしんない。
下校時間になり、俺は意気揚々と職員室へ向かう。
前とは違い、今回は入り口付近で堂々と声をあげる。
「日向せんせー…いますか?」職員室内で一種のどよめき。
「おい…おまえ、須賀…一体どうしたんだ?おまえが職員室に来るとか…やっぱり本当に違和感しかないぞ…」色んな先生が目を細めている中に、いた!瑞樹…今日はいるじゃん。
少し驚いた顔をしてこちらを見ている。うん、それでこそ、俺の標的。
「日向先生、今日の古文の授業でわかんないところがあったんで、教えてもらえませんか…?」とりあえず下手に出る。実習中の先生が生徒の授業中の質問を、無下にはできないはずだ…俺にはそんな狙いがあった。
「…須賀君、どの部分かな…いいよ、今からでも…さ、職員室に入りなさい」そう言って、俺を中へ促す。
「いや…先生、質問多すぎで、他の先生に迷惑かかるし、すんませんけど、他の人に聞かれたくない相談もあって…できればここ以外で…」あえて、周りに聞こえるような声でそう言うと、瑞樹は少し困った顔で答えた。
「…わかりました…んじゃあ、教室に行こうか。今からでもいいよ…?」
…よし、これで、二人きりだ。
俺は瑞樹と並んで、誰もいなくなった教室へ向かう。
さて…どう料理してやろうか…いや、まだ早い、まずは…話だけ。
俺は頭をぐるぐる巡らせながら、人気のない廊下を歩く。
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