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寺崎の話3

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俺にはもちろん、圭一がいる…

正直に言うと、俺にはもう、アイツ以外、絶対に考えられないほどに…あの可愛い犬コロ…のことで頭がいっぱいで…顔を思い浮かべるだけで、好きだ…心から愛しい…そういう気持ちが溢れてくる…

どんな言葉を並べ立てても、この気持ちを言い表すことが出来ないほどに…俺はいつの間にか、あのちょっと態度のでかい高校生男子に…圭一に…全力で恋をしている。

そう…寺崎に伝えて、はっきり断るべきだと頭ではわかっていても、その事実を伝えるのにはかなりの勇気がいる…

そもそも、自分自身ですら、男同士の恋愛に、いまだ…自信が持てていない今のこの状況で、俺と圭一の付き合いを他者に…寺崎に伝えるのには、まだ…抵抗があったからだ。

俺が黙っていると、寺崎がしびれを切らしたのか、話を続ける。

「驚いたか…ごめんな…今になって…こんなこと告白して…。
本当は…一生、言うつもりなんてなかったんだ…俺はこの気持ちを心に秘めて…おまえと…せめて仲の良い友人関係でいられたら…って、本当にそう思ってたんだ。だから今まで、絶対に態度に出さないように努めていた…。なのに…なのに…」

寺崎がテーブルの上で、両手の拳を震わせるようにして、握りしめる…

「この…俺の中の悪魔が…おまえを…よりにもよって俺の一番大事な…おまえに…この俺の身体で…乱暴するなんて…想像もしてなかったんだ…だからもう本当に…絶望しかなくて… …それでもう、おまえに全て打ち明けることにした…俺の気持ちを…。

好き…好きなんだ…僚介…
俺は男だけど…同じ男のおまえを…ずっとそんな目で見ていた…駄目だとはわかっていながら、おまえの裸や…色々なこと、想像したり…して…。
実際に行動に出ていないだけで…そういう意味ではシュウと…考えていることは…変わんないかもしれない…ほんと…汚いよな…俺…ごめんな…僚介…」

視線をテーブルに落として、うなだれる寺崎…

なんて…答えたらいいのか…全然わからない…この状況で圭一とのことなんて…正直に言えるはずもない…

頭が馬鹿になっちまったのか…
     
俺は…まだ…言葉を発することが出来ずにいた…。
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