【BL・R18】俺とシテみたいって・・・何をですか?

もえこ

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パンケーキ

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「俺、ここのモーニングって、初めてです~うわ、美味しそーー!」

圭一がキラキラとした目で無邪気に、皿の中の料理を見つめる。
色とりどりのサラダが添えられ、中央にパンケーキが3枚ほど乗ってるやつ…
バターが溶けかけで、確かになんともうまそうだ…。

でも、俺は気分でなんとなく和食を注文した。

「そうか…?なんか、お前が頼んだそのパンケーキが昔ながらの味で懐かしいってテレビで話題になって、お客が前よりもさらに増えたって話だよ?」

「へえ~~先輩は良く来るんですか?ここ…」

俺の家からも結構近いファミレス。
ファミレスとはいえ少し高めの価格設定の店で、バイトからしか収入が得られない俺は、頻繁に来ることはない。
だが、たとえ土日であってもここにはあまり圭一達のような若い高校生…学生は足を運ばない。
そのせいか客層が落ち着いていて、モーニングは席が空いているし、俺は結構気に入っていたりする。

「ああ…時々な…バイト前とか…授業前に時間ある時に来るかな。ドリンクバーあるからゆっくりできるし…」

「へえ…!いいな~俺なんて、母親のワンパターンの朝飯ばっかですよ…いつも和食だし…ご飯、納豆、みそ汁、ひじき、卵焼き…そんなんばっかです…俺、パン食いたいのに…先輩は自由になんでも食べられていいな…」

圭一がナイフとフォークを手にして俺に笑いかける。

パン食いたい…
だから今朝も、圭一は和食じゃなくてパンケーキなのかと、ふと思う…。

「何言ってんだよ… 和食、滅茶苦茶いいじゃん…俺、朝から味噌汁とか出たら喜んでいただくけどな…もっとお母さんに感謝した方がいいぞ?和食、栄養抜群だぞ…?」

「はーい… あ…!うま!! 美味しいですよ、先輩このホットケーキ!! …うん、…」

にっこりと微笑む圭一の笑顔にホッとする…。

「そっか… 良かったな。」

俺は内心、気になっていた…。

寺崎が一体、何を言ってきたのか…

昨夜のあの、寺崎との中途半端な別れ方…
喫茶店で、寺崎にシュウのしたことを話した直後に、寺崎は消え…代わりにあの忌まわしい方が出てきたのだ…
あれは、寺崎本人が選択して消えたのだろうか…
それとも、奴が…シュウの方が、状況を見て無理矢理にしゃしゃり出て来たのだろうか…

「はあっ… 」

これからいつも、こんなことになるのだろうか…
これからは…寺崎と何を話していても…
シュウが出現するずっと前のように…これまでのように、寺崎とたわいもないことを話して、どんなに二人で笑っていても…

ずっと…寺崎の中で…アイツが俺らの会話を聞いているのか…?
見た目にはわからなくても…気付かなくても、寺崎の中には、ずっとアイツがいるのだ…
やはり半分以上は、気を緩めることができない…
いや、半分どころじゃない…
ずっと…  その存在は寺崎の中に…外にまで… つきまとう…

「… … … うま… … … ます… 先輩…?」

「あっ… 」

駄目だ… 圭一が何か言った。

「ごめ、… 何… … 」
今は圭一といるのだ…物思いにふけっている場合じゃないと、自分に言い聞かせる。

「先輩… これ、ホント美味いんで、一口入ります?って…聞きました、俺…」

「あっ…ごめん…俺はいいよ、それ食べたことあるし…ゆっくり、食べていいよ」

「… はい… なんか先輩、… 変ですよ、さっきから…」

「え… … 」

「心ここにあらずっていうか… 何か、ありました…?」

「や…別に、ちょっと寝不足、かな…」

「えっ…あ~~そう言われると…俺が責任感じちゃうじゃないですか…俺がその…しつこく何度もしたから…?」

「ばっ…!! お、まえ… 何… 」

思わず、周りを見る…。
幸い、近くの席には誰もいないことを確かめ、俺は小声で圭一をしかる。

「俺が先輩を、あんなに…いやらしい感じに、乱したから… ?ですか… 」
小声だが、再び圭一はそんなことをつぶやく。

顔が一気に熱くなる…
朝から一体…コイツは何を言ってんだ…わざとか…?

       ポコ…!!

俺は思わず、圭一の頭を軽く、拳で小突いていた。

「いたっ… 先輩、… 」

「あほ… 変なこと言ってないで、早く食え…馬鹿…」

「…さっきはゆっくり食えっていったくせに…先輩、冷たい…ぐすんぐすん…」

「… 嘘だよ、ゆっくりで、いいよ… 」

それ以上圭一は俺に何も突っ込まず、もそもそと、食事を再開した…。

今は、考えない… 
圭一がいないタイミングで、後でこっそり中身を確認しよう…

俺はそう決意して、湯気がかろうじて出ている味噌汁の椀を手にした。









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