【完結 R18】ほかに相手がいるのに

もえこ

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〜杉崎〜

欲望

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キスの合間に時折みせる、
彼女のびくん…と、肩を震わすような小さな身じろぎ…俺の激しい舌の動きに戸惑い、唇の隙間から漏れ出る、小さく喘ぐような声… 

彼女の反応の全てが、俺にとってあまりに官能的で、刺激が強い…。

俺が途中、うっすらと目を開けるとそこには、ふるふると長い睫毛を震わせながらも、俺の激しいキスを受け止める彼女がいた…。
油断していたが、その直後に突然彼女も、目を開ける…

目が合う…

俺は一体、どんな目で、彼女を見つめていたのか…普通の…理性的な目であったわけがない…。
おそらく彼女を怖がらせたに違いない…。
その証拠に、彼女はまたすぐ、ぎゅっと目を閉じてしまったから…。

…ずくん…

俺の…男の欲望が、首をもたげそうになる…
前に見た、真っ白で…華奢な彼女の身体…小さな胸の膨らみ…ずっと、俺の脳裏に焼き付いて離れない…

抱き締めたまま…唇を塞いだまま、下を見る…

白い首筋…鎖骨…
ああ… 彼女の胸に…肌に、触れたい…

もし俺が今…ここでそんなことをしたら、彼女はどんなに驚き…どんな声をあげるのだろうか…

気付けば俺のそこは…
段々と欲望を露わにしそうになっていた…

だめだ…このままでは…。
彼女を解放しないと俺はこのまま、さらに…してはいけないことを…してしまいそうだ…
自制できる自信がない…。

俺はゆっくりと…彼女の唇から自分の唇を離した…。
同時に、彼女の身体も、離した…。
俺を包み込んでいた甘やかな香りがすうっと…遠ざかる…。

お互いの少し荒い息遣いだけが、夜の闇…公園を支配した。

まるで…夜空にある三日月が…

俺の欲望を…表現しているかのように、
うっすらと夜の闇に滲みながら、浮かんでいた…。


もう…これ以上彼女に近付くのは…危険だ…

いつか、何かのきっかけで自分の理性のタガが外れ、彼女を傷付けてしまうかもしれない…

俺は溜息をつきながら、

     もう一度、空を見上げた。
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