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~二人~
入室
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コンコンコン…
部屋の外の襖をノックする。
もちろん、廊下に人気がないのを何度も確認しながら。
スッと襖が開いた瞬間すぐに、杉崎さんの顔を確認するよりも先に、部屋の中へ滑り込む。
入口すぐのところに…杉崎さんが、立っていた…。
緊張で、まともに顔を見れないまま、杉崎さんと言葉を交わす。
「…あ…の、こんばんは…お邪魔します…」
「あ、うん…ごめんね、突然…来てくれてありがとう…まあ…あがって…」
ここに来る前に、かろうじて開いていた売店で、少しだけおつまみとお酒を買ってきた。
杉崎さんに下を向いたまま、ビニール袋を差し出す。
「これ…ちょっとしたものですが、お好きなの、あればいいんですけど…」
杉崎さんが袋を受け取る。
「気を遣わせちゃってごめんね、実は俺も買ってきたんだ。かぶってないといいね。えっと…」
ごそごそと袋の中を確認して、杉崎さんが部屋に備え付けのグラスを二つ準備する。
「梅酒…飲める?無理ならお茶でもいいよ?とりあえず、座ってゆっくりして…」
杉崎さんが私を見つめる。
初めて…目が合った…、眼鏡の奥の綺麗な目が…私をとらえて離さない…。
「はい…」それだけ言って、私は思わず彼から目を逸らし…部屋を見渡す。
窓際に丸いテーブルがあり、そこに向かい合わせに、二つ椅子があった。布団は、部屋の端に寄せられている…ふとそちらをあまり見ないようにしている自分に気付く…なんとなく、恥ずかしい。
前に下見に来た時に利用したあの部屋の配置と、全く同じ配置の部屋のようだった…
確かここに座って、私は杉崎さんに申し出て、彼の裸の上半身を見つめたんだった…
今思えば、大胆なことを言ったな…そう思いながらそこに、ゆっくりと腰掛ける。
杉崎さんはグラスに梅酒を注ぎ、チーズとチョコレート、アーモンドなどをお盆に載せて窓際にやってきた。
「…お待たせ…とりあえず今日は、お疲れ様でした。来てくれてありがとう…じゃ、乾杯…」
「…乾杯…」 … カツンと…グラスをあてて、梅酒を口にする…。
甘くて…冷たい…トロリとした感触の梅酒が、喉を伝っていく…
「美味しい…甘い…ですね…」
「そうだね…甘い、美味しいね…水無月さん…俺は…俺はね… 君をからかってるわけじゃなくて…本当に…君のことが気になっていたんだ…君がうちの会社に入社してきた時から…なんか、可愛いなって…真面目な子だなって…」
唐突に、杉崎さんがそんな話を始めた。
部屋の外の襖をノックする。
もちろん、廊下に人気がないのを何度も確認しながら。
スッと襖が開いた瞬間すぐに、杉崎さんの顔を確認するよりも先に、部屋の中へ滑り込む。
入口すぐのところに…杉崎さんが、立っていた…。
緊張で、まともに顔を見れないまま、杉崎さんと言葉を交わす。
「…あ…の、こんばんは…お邪魔します…」
「あ、うん…ごめんね、突然…来てくれてありがとう…まあ…あがって…」
ここに来る前に、かろうじて開いていた売店で、少しだけおつまみとお酒を買ってきた。
杉崎さんに下を向いたまま、ビニール袋を差し出す。
「これ…ちょっとしたものですが、お好きなの、あればいいんですけど…」
杉崎さんが袋を受け取る。
「気を遣わせちゃってごめんね、実は俺も買ってきたんだ。かぶってないといいね。えっと…」
ごそごそと袋の中を確認して、杉崎さんが部屋に備え付けのグラスを二つ準備する。
「梅酒…飲める?無理ならお茶でもいいよ?とりあえず、座ってゆっくりして…」
杉崎さんが私を見つめる。
初めて…目が合った…、眼鏡の奥の綺麗な目が…私をとらえて離さない…。
「はい…」それだけ言って、私は思わず彼から目を逸らし…部屋を見渡す。
窓際に丸いテーブルがあり、そこに向かい合わせに、二つ椅子があった。布団は、部屋の端に寄せられている…ふとそちらをあまり見ないようにしている自分に気付く…なんとなく、恥ずかしい。
前に下見に来た時に利用したあの部屋の配置と、全く同じ配置の部屋のようだった…
確かここに座って、私は杉崎さんに申し出て、彼の裸の上半身を見つめたんだった…
今思えば、大胆なことを言ったな…そう思いながらそこに、ゆっくりと腰掛ける。
杉崎さんはグラスに梅酒を注ぎ、チーズとチョコレート、アーモンドなどをお盆に載せて窓際にやってきた。
「…お待たせ…とりあえず今日は、お疲れ様でした。来てくれてありがとう…じゃ、乾杯…」
「…乾杯…」 … カツンと…グラスをあてて、梅酒を口にする…。
甘くて…冷たい…トロリとした感触の梅酒が、喉を伝っていく…
「美味しい…甘い…ですね…」
「そうだね…甘い、美味しいね…水無月さん…俺は…俺はね… 君をからかってるわけじゃなくて…本当に…君のことが気になっていたんだ…君がうちの会社に入社してきた時から…なんか、可愛いなって…真面目な子だなって…」
唐突に、杉崎さんがそんな話を始めた。
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