【完結 R18】ほかに相手がいるのに

もえこ

文字の大きさ
389 / 538
~杉崎~

降伏

しおりを挟む
俺がチェックアウトの時間を告げた後… 彼女は黙々と荷物の片づけを始めた。


ああ…  

      失敗した…

俺は馬鹿だ…  
朝から何を口走ってしまったのか…

もう一回、したいなどと…
なぜ…彼女に、言ってしまったのか…
若い…性欲が有り余る20代の男でもあるまいし…

俺がそう言葉を発した後の、
彼女のあの…驚いた反応…
すぐに、しまったと、思った…

完全に、引かれた…  
いや…呆れられたという方が、正しいのかもしれない… 

昨晩あれほどに…彼女を攻め立てておいて… 
彼女の華奢な身体を押し倒し、男の欲望を抑えきれずに、滅茶苦茶に抱いておいて…  

朝っぱらから、もう一度、したい…などと、絶対に言うべきではなかった… 
昨夜で十分、彼女を… 俺は… 

だが、一晩明けて… 
彼女の可愛らしい顔を、見た途端…
ナイトウェアから覗く、彼女の白く…細い 無防備な手足を再び目にした途端…
また、触れたくなった… 

また、唇を塞ぎたくなった… 
いやらしく、舌を絡めたくなった… 
彼女を…抱き締めたく…いや…彼女を押し倒したく、なって…つい、思ったことをそのまま口にしてしまった…

彼女は昨夜、俺の問いに…俺とこうなったことに後悔はないと、確かに言ったが…
本当のところ、
…内心は、わからないのだ… 

ひょっとしたら、一晩明けて、冷静になり…  
俺とこうなったことを心から後悔しているのかもしれないのだ…彼女には…どうしたって、拓海という男が…いるのだから。

なのに俺は…自分の欲望を優先した…

ああ… 駄目な男だ… 

しかも昨夜… 
さらなる欲望が俺を襲った…
彼女の…あの場所を、愛したいと思った…  
キスをして… 舐めたい…  
そう思ってしまった… 

俺が、もし強引にそうした時…彼女はどんな声を上げるだろうか… 
どんな声で啼くだろう… 
そして、どんな目で、俺を見つめるだろう…  

彼女は極度に恥ずかしがり屋だ… 
俺がそんなことをすれば、必死に、脚を閉じようとするだろう…

それでも俺が強引に事を進めた場合…彼女は、どんな風に…甘い声で喘ぎ…嫌だと、身体を揺らしながらも…快楽に、震えるだろうか…

身体の中、奥深くから…
湧き上がってくるような男の欲望… 

彼女を前にすると、抑えることが難しい… 

智花にそんなことをしたいと思ったことは一度だってない… 
沙織にすら、そうだ…  

だが…何とも恥ずかしい話だが…
その申し出も、断られてしまった…

でも、当然だろう… 
俺が馬鹿なのだ…  焦り過ぎだ…   
なぜ…こんなにも歳の離れた若い女性に対し… 
大人であるはずの…大人の分別を持つべき俺が…こんなにも、冷静になれない… 

答えは明確だ… 
もはや、誤魔化しきれない…

俺は… 彼女が好きだ…  好きなのだ… 
好きで仕方ない… 歳が一回り離れていても… 彼女が可愛くて、仕方ない… 
何度だって、彼女としたい…激しく、俺のそれで突き上げて…よがらせたい…   

俺には智花がいる…   
だが…  もう、ダメだ…

これは、降伏…  
完全降伏と言わざるを得ない… 

俺はため息をつきながら、洗面所へ向かった…。
 



  














 

 

 
 
しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

危険な残業

詩織
恋愛
いつも残業の多い奈津美。そこにある人が現れいつもの残業でなくなる

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

乳首当てゲーム

はこスミレ
恋愛
会社の同僚に、思わず口に出た「乳首当てゲームしたい」という独り言を聞かれた話。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

処理中です...