【完結 R18】ほかに相手がいるのに

もえこ

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~戸惑い~

苦手

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細野さんも、そうだ… 

いつも、いやだ~杉崎さんってば~などと言って笑った後に、彼の腕付近にそれとなく触れるのを何度も見たことがある…。

私のそんな思いをよそに、杉崎さんはあっさりと口を開く。
「いえ、全然大丈夫ですよ。結論から言いますと、彼女はいます。」

シンとなる、その場…  
なんとなく、そこに居た女性社員の落胆のため息が聞こえてきそうなほどの、空気感。

「ほほー-う!!…皆、残念だったな…!そりゃあ、これだけかっこよくて優しくて仕事が出来る男に…彼女がいないとか、ありえないよな~んで、水無月さんは…?」

「あ… …私は… 」

「止めてくださいよ~社長…水無月さんにまで、無神経かつセクハラな質問…!俺、もう少し夢、見てたいです…ね…!水無月さん…君には、彼氏なんていないよね…?」

私の右隣に座っていた私と恐らく同年代くらいの男性が、私の方をすがるように見て、少し肩を近づけてくるような素振りを見せる。

その態度が冗談だとわかっていても、思わず避けるように…左の方に身を引く私…
必然的に、杉崎さんの腕に私の腕が触れてしまい、ドキリとする。

「私は… … 」どう答えよう… 秘密と言っておこうか…そう、思った矢先、

「彼女にもいますよ?長年付き合っているカッコいい彼氏が…ね、水無月さん…? 」

「は… は、い… … 」少し、驚いた… 
杉崎さんがそんな風に、私の代わりに答えることは予想していなかった…

「ええ~~!? あー-だから、聞きたくなかったのに~」
私の隣の男性が、あからさまに頭を抱える…その場だけの冗談なのはわかっていても…
この軽過ぎるノリにどうしてもついて行けないと思った私は、途端に何も言えなくなる。

「じゃあ、うちの社員、男女問わず全員玉砕ってわけですな~いや~残念…まあ、とりあえず今日は楽しく飲もうかね~。」
社長が陽気に、別の話を始めるのを横目に、
やっぱり、苦手だ…早く帰りたい…

そう考えてしまう自分の気持ちを、止めようがなかった…。









 
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