6 / 32
<三人目の影響力>2
しおりを挟む
「実はですね、応援団に入ってくれる仲間を探していまして‥‥」
ハカセが長々と説明しようとする途中で「長いわ!!」と洋介は大きな声を駄菓子屋内に響かせる。
「そうっ!その大声を俺達は探してた!」
すかさず相槌を入れる健太。
「要はスカウトって事か!俺を誘うとは目の付け所が良いやんけ!」
洋介の自信過剰な口ぶりは、尖んがった髪型を更に尖らしてみせるようだ。
「そう、お目が高いやろ俺は!」
自分自身を褒め合う二人の会話に付いていけず、ハカセが固まっていると
「応援団って、気合い入ってるんやろな!?」と何故か睨みを効かせる洋介。
質問に答えられずハカセが口ごもっていると「もちろん!バッチリやで!」と健太が笑顔を反した。
「忙しいからな、どうしようかの‥‥」
大袈裟に顎を突き出して偉そぶる洋介。
「忙しいのは部活ですか?」
ハカセが聞くと「そんなんちゃうわ!見せたろけ!」と洋介は駄菓子屋から出て、路地に止めていた自転車を指差した。
自転車を見ても、忙しい意味が解らない様子の二人が黙っていると「このチャリ半端無いやろ改造!解るけ?」と洋介は自慢げにハンドルを握るが、二人は話しを合わせたかのように頷くだけだった。
「このハンドルの絞り込みが難しいんや、兄貴に手伝ってもらった位やけ!」
洋介は嬉しそうに自慢話を繰り広げるが、反応の悪い二人に気付き表情を曇らせる。
「やっぱり絞ってないとアカンよな~」
白々しく健太は褒めるが、洋介は疑いの眼差しを向けている。
「もしかして、お前達のチャリこれけ?」
呆れ顔で二人の自転車を指差す洋介。
「おっ‥‥俺達はこれから改造していくつもりなんやで‥‥」
健太の明らかな嘘に合わせ、慌てて頷くハカセ。
「それよりもコレ見てくれ!」
思い出したかのように、健太は自転車の前カゴから団旗を取り出し拡げた。
「ほぅ、気合い入っとるやんけ」
褒める洋介に気を良くした健太は、周りも気にせず団旗を振り始めている。
「団長‥‥、通行人来ましたよ」
さりげなく通行人に一礼するハカセの横では「どうも!応援団長です!!」と健太が妙な宣伝活動を始めて、洋介を驚かしている。
「基地も有るんやで!行ってみる?」
すっかり上機嫌な健太に「おっ‥‥、オウ‥‥」と流石に洋介もたじろいでいる。
三人がそれぞれ自転車に乗ろうとした時「アレっ!この間の今時団長やん!」と試合の日にからかってきたブラスバンド部員二人組が健太を指差した。
健太達と視線が合ったにも関わらず、二人組は悪びれる事も無く自転車から降りて駄菓子屋に入って行く。
小さな拳を握る健太と、二人組から視線を逸らさず睨み続ける洋介。
「基地見に行きましょうか‥‥」
ハカセが話題を戻そうとするが洋介は「ちょっと待て!すぐ行くけ」と店内に入った二人組の自転車からサドルを二つ取り外した。
「ソレどうするんですか‥‥」
動揺を隠せないハカセの問いに洋介は「そんなもん決まっとるやろ」とドブにサドルを放り捨てた。
「ほんじゃ案内してもらおうけ」と何事も無かったかのように自転車に乗る洋介を見て、健太は笑い続けている。
気分良く自転車を走らせる健太の後を、気の合わなさそうな二人が自転車で追い三人は基地に着いた。
「ほぅ中々良いやんけ‥‥」
偉そうに脚組をしてソファーに座る洋介。
「そうやろ!気合いで運んだからな」
洋介に影響を受けたのか、普段言わない言葉を使い始める健太。
「でも、あんな奴達になめられてるようじゃぁアカンな」
まるで団長きどりの洋介に、健太は笑顔で頷き部下化している。
「さっきみたいにすぐバチーンとやり返さんと、なめられるけ」
そう言って洋介は自分の右拳を左手で受け止め、攻撃的な性格をアピールしている。
「びっくりしたわ、一人やとあんなナメられた事無いけ」
洋介は話しの合間に耳障りな拳を受け止める音を鳴らし続けている。
「ところで応援団には入られるのですか‥‥」
長引きそうな洋介の自慢話を止めようと、核心に迫るハカセ。
「めんどくさいから辞めや!それに男はやっぱり一匹狼やけ」
立ち上がり帰ろうとする洋介を、健太は止めようとするが「そうですか‥‥では仕方ないですね」とハカセが間に入り話しを終わらせる。
「まっ・・マジで~」
残念そうに引き止める健太に洋介は「まぁ暇な時に気が向いたら来たるけ」と一言だけ残し、自慢の自転車に乗って走り去って行った。
基地に取り残された二人は、いつものようにソファーに座り深いため息をついた。
「くそ~!完璧やと思ったのに~」
残念がる健太とは違い「仕方ないですよ、一匹狼が良いらしいですからね」と安心した様子で笑うハカセ。
「けど暇な時に来てくれるって事は三人目やろ」
健太が団旗に名前を書こうと手に持ったペンを「それは三人目とは言えないですよ、事実断られていますし‥‥」と素早く取り上げるハカセ。
「そうかな~」
「そうですよ!!」
二人が些細な言い争いをしていた頃駄菓子屋では、買い物を終えたブラバン二人組が「絶対あいつらや‥‥」とサドルの無い自転車を睨みつけていた。
ハカセが長々と説明しようとする途中で「長いわ!!」と洋介は大きな声を駄菓子屋内に響かせる。
「そうっ!その大声を俺達は探してた!」
すかさず相槌を入れる健太。
「要はスカウトって事か!俺を誘うとは目の付け所が良いやんけ!」
洋介の自信過剰な口ぶりは、尖んがった髪型を更に尖らしてみせるようだ。
「そう、お目が高いやろ俺は!」
自分自身を褒め合う二人の会話に付いていけず、ハカセが固まっていると
「応援団って、気合い入ってるんやろな!?」と何故か睨みを効かせる洋介。
質問に答えられずハカセが口ごもっていると「もちろん!バッチリやで!」と健太が笑顔を反した。
「忙しいからな、どうしようかの‥‥」
大袈裟に顎を突き出して偉そぶる洋介。
「忙しいのは部活ですか?」
ハカセが聞くと「そんなんちゃうわ!見せたろけ!」と洋介は駄菓子屋から出て、路地に止めていた自転車を指差した。
自転車を見ても、忙しい意味が解らない様子の二人が黙っていると「このチャリ半端無いやろ改造!解るけ?」と洋介は自慢げにハンドルを握るが、二人は話しを合わせたかのように頷くだけだった。
「このハンドルの絞り込みが難しいんや、兄貴に手伝ってもらった位やけ!」
洋介は嬉しそうに自慢話を繰り広げるが、反応の悪い二人に気付き表情を曇らせる。
「やっぱり絞ってないとアカンよな~」
白々しく健太は褒めるが、洋介は疑いの眼差しを向けている。
「もしかして、お前達のチャリこれけ?」
呆れ顔で二人の自転車を指差す洋介。
「おっ‥‥俺達はこれから改造していくつもりなんやで‥‥」
健太の明らかな嘘に合わせ、慌てて頷くハカセ。
「それよりもコレ見てくれ!」
思い出したかのように、健太は自転車の前カゴから団旗を取り出し拡げた。
「ほぅ、気合い入っとるやんけ」
褒める洋介に気を良くした健太は、周りも気にせず団旗を振り始めている。
「団長‥‥、通行人来ましたよ」
さりげなく通行人に一礼するハカセの横では「どうも!応援団長です!!」と健太が妙な宣伝活動を始めて、洋介を驚かしている。
「基地も有るんやで!行ってみる?」
すっかり上機嫌な健太に「おっ‥‥、オウ‥‥」と流石に洋介もたじろいでいる。
三人がそれぞれ自転車に乗ろうとした時「アレっ!この間の今時団長やん!」と試合の日にからかってきたブラスバンド部員二人組が健太を指差した。
健太達と視線が合ったにも関わらず、二人組は悪びれる事も無く自転車から降りて駄菓子屋に入って行く。
小さな拳を握る健太と、二人組から視線を逸らさず睨み続ける洋介。
「基地見に行きましょうか‥‥」
ハカセが話題を戻そうとするが洋介は「ちょっと待て!すぐ行くけ」と店内に入った二人組の自転車からサドルを二つ取り外した。
「ソレどうするんですか‥‥」
動揺を隠せないハカセの問いに洋介は「そんなもん決まっとるやろ」とドブにサドルを放り捨てた。
「ほんじゃ案内してもらおうけ」と何事も無かったかのように自転車に乗る洋介を見て、健太は笑い続けている。
気分良く自転車を走らせる健太の後を、気の合わなさそうな二人が自転車で追い三人は基地に着いた。
「ほぅ中々良いやんけ‥‥」
偉そうに脚組をしてソファーに座る洋介。
「そうやろ!気合いで運んだからな」
洋介に影響を受けたのか、普段言わない言葉を使い始める健太。
「でも、あんな奴達になめられてるようじゃぁアカンな」
まるで団長きどりの洋介に、健太は笑顔で頷き部下化している。
「さっきみたいにすぐバチーンとやり返さんと、なめられるけ」
そう言って洋介は自分の右拳を左手で受け止め、攻撃的な性格をアピールしている。
「びっくりしたわ、一人やとあんなナメられた事無いけ」
洋介は話しの合間に耳障りな拳を受け止める音を鳴らし続けている。
「ところで応援団には入られるのですか‥‥」
長引きそうな洋介の自慢話を止めようと、核心に迫るハカセ。
「めんどくさいから辞めや!それに男はやっぱり一匹狼やけ」
立ち上がり帰ろうとする洋介を、健太は止めようとするが「そうですか‥‥では仕方ないですね」とハカセが間に入り話しを終わらせる。
「まっ・・マジで~」
残念そうに引き止める健太に洋介は「まぁ暇な時に気が向いたら来たるけ」と一言だけ残し、自慢の自転車に乗って走り去って行った。
基地に取り残された二人は、いつものようにソファーに座り深いため息をついた。
「くそ~!完璧やと思ったのに~」
残念がる健太とは違い「仕方ないですよ、一匹狼が良いらしいですからね」と安心した様子で笑うハカセ。
「けど暇な時に来てくれるって事は三人目やろ」
健太が団旗に名前を書こうと手に持ったペンを「それは三人目とは言えないですよ、事実断られていますし‥‥」と素早く取り上げるハカセ。
「そうかな~」
「そうですよ!!」
二人が些細な言い争いをしていた頃駄菓子屋では、買い物を終えたブラバン二人組が「絶対あいつらや‥‥」とサドルの無い自転車を睨みつけていた。
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ヤクザに医官はおりません
ユーリ(佐伯瑠璃)
ライト文芸
彼は私の知らない組織の人間でした
会社の飲み会の隣の席のグループが怪しい。
シャバだの、残弾なしだの、会話が物騒すぎる。刈り上げ、角刈り、丸刈り、眉毛シャキーン。
無駄にムキムキした体に、堅い言葉遣い。
反社会組織の集まりか!
ヤ◯ザに見初められたら逃げられない?
勘違いから始まる異文化交流のお話です。
※もちろんフィクションです。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
幽かな君に捧ぐ奇譚
tMG
ホラー
ホラー嫌いの高校生「笹ノ間薫」の部屋に、見知らぬ女子高生の幽霊が現れた。彼女の名は「周郷逢恋」。不慮の事故で命を落としたはずの彼女は、生前の記憶をほとんど失った状態で、幽霊としてこの世を彷徨っていた。
恐怖に震える薫だったが、霊感のある友人「桝原聖夜」と共に彼女と向き合ううち、三人は次第に奇妙な日常を共有するようになる。
彼女の未練を解き、成仏への道を探るために事故の真相を追う中で、彼らは死と向き合うこと、そして誰かを想うことの重さを知っていく――。
お茶をしましょう、若菜さん。〜強面自衛官、スイーツと君の笑顔を守ります〜
ユーリ(佐伯瑠璃)
ライト文芸
陸上自衛隊衛生科所属の安達四季陸曹長は、見た目がどうもヤのつく人ににていて怖い。
「だって顔に大きな傷があるんだもん!」
体力徽章もレンジャー徽章も持った看護官は、鬼神のように荒野を走る。
実は怖いのは顔だけで、本当はとても優しくて怒鳴ったりイライラしたりしない自衛官。
寺の住職になった方が良いのでは?そう思うくらいに懐が大きく、上官からも部下からも慕われ頼りにされている。
スイーツ大好き、奥さん大好きな安達陸曹長の若かりし日々を振り返るお話です。
※フィクションです。
※カクヨム、小説家になろうにも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる