13 / 25
閑話① side バルトロメウス
しおりを挟む
俺にはいけ好かない婚約者がいる。いつも、クールぶって対応してくるのだ。見た目も俺の好みじゃない。なぜ俺があんな奴と婚約しなければいけないのかと何度も思った。俺が婚約を解消したいと親父に行ってもダメだの一点張り。だから、会うたびに罵声を浴びせた。これであいつから婚約を解消してくれると思った。
しかし、あいつは婚約を解消してくれなかった。俺はそこで気づいたのだ、あいつは俺のことが好きなのだと。だけど、俺の好みではないし、どこをとっても俺が好きになれるところがなかった。唯一あるとしたらあいつの親がお金を持っているくらいだ。
だから、あいつの親のお金を使って破産させてやろうと思ったのだ。そうすれば、あいつもどうしようもないので婚約はなくなると思った。俺は実際にやってみることにした。しかし、いくら使おうとあいつの家は傾かなかった。もっと使ってやろうと思ったが、親父に折角の金づるがダメになってしまうだろう!と叱られた。
俺はなす術もなく悶々として過ごした。このままあいつと結婚をしてしまうんじゃないかと思うと憂鬱な気分であった。
しかし、俺に転機が訪れのだ。そう、隣国の姫アレクサンドラが我が領地に訪れたのだ。アレクサンドラはすごく美人で儚く物憂げなその表情、そしてすぐに倒れてしまいそうな弱々しくて守ってあげたくなるような人だった。さらに胸が大きかったのだ。実際に俺がエスコートをしようとしたとき旅疲れが出たのか俺に倒れ掛かってきた。その時の表情と胸が当たる感触は今でも忘れられない。ただただ、このような人を追い出した公国の奴らに怒りを覚えるばかりだ。そして俺はアレクサンドラに誓って公国を取り戻すことを決意した。その後俺はアレクサンドラとお茶をしたり散歩をしたりと楽しいひと時を過ごした。アレクサンドラは素晴らしい女性で、いつも俺を心配して気遣ってくれる。本当に俺の理想の女性であった。それにアレクサンドラの話によるとカミラは相当悪どいことをやっているらしい。あの何を考えているのかわからないカミラならやりそうなことだ。そんなこともあってますますカミラとの結婚が嫌になった。俺にふさわしいのはアレクサンドラだけだ。さらにアレクサンドラも俺を好きだと言ったのだ。俺は気持ちを抑えられなくなって親父の部屋に向かった。
「親父!! 俺の婚約者だが……」
俺がそう言いかけた時遮るように親父は言った。
「あぁ、そのことだが、エンデルス家との婚約はなしにすることになった。これからはお前のご執心のアレクサンドラ嬢がお前の婚約者だ」
俺は驚いた。あれだけ俺が婚約を嫌だと言ってもテコでも動かなかった親父があっさりそう言ったのだ。
「本当か!!! 親父!!!」
俺は親父の肩を揺らしそう言った。親父は心底面倒臭そうに俺を抑えた。
「まぁ、落ち着け。本当だ。ただ条件がある」
親父は真剣な顔をした。
「何だ? 誰かを殺せばいいのか?」
「いや、違う。実はゴーティエ家には隠し財宝があるらしい。それは相当なもので我が一族が遊んで暮らせるほどあるらしい。お前にはその情報をアレクサンドラ嬢から聞き出して欲しいんだ」
俺は何がなんでもアレクサンドラを婚約者にしたかったからすぐに同意した。
「わかった。俺に任せろなんでも聞いてやる」
親父は不安そうな顔をして言った。
「頼むぞ」
俺はすぐにこのことをアレクサンドラに知らせるために親父の部屋を後にしたのだ。
しかし、あいつは婚約を解消してくれなかった。俺はそこで気づいたのだ、あいつは俺のことが好きなのだと。だけど、俺の好みではないし、どこをとっても俺が好きになれるところがなかった。唯一あるとしたらあいつの親がお金を持っているくらいだ。
だから、あいつの親のお金を使って破産させてやろうと思ったのだ。そうすれば、あいつもどうしようもないので婚約はなくなると思った。俺は実際にやってみることにした。しかし、いくら使おうとあいつの家は傾かなかった。もっと使ってやろうと思ったが、親父に折角の金づるがダメになってしまうだろう!と叱られた。
俺はなす術もなく悶々として過ごした。このままあいつと結婚をしてしまうんじゃないかと思うと憂鬱な気分であった。
しかし、俺に転機が訪れのだ。そう、隣国の姫アレクサンドラが我が領地に訪れたのだ。アレクサンドラはすごく美人で儚く物憂げなその表情、そしてすぐに倒れてしまいそうな弱々しくて守ってあげたくなるような人だった。さらに胸が大きかったのだ。実際に俺がエスコートをしようとしたとき旅疲れが出たのか俺に倒れ掛かってきた。その時の表情と胸が当たる感触は今でも忘れられない。ただただ、このような人を追い出した公国の奴らに怒りを覚えるばかりだ。そして俺はアレクサンドラに誓って公国を取り戻すことを決意した。その後俺はアレクサンドラとお茶をしたり散歩をしたりと楽しいひと時を過ごした。アレクサンドラは素晴らしい女性で、いつも俺を心配して気遣ってくれる。本当に俺の理想の女性であった。それにアレクサンドラの話によるとカミラは相当悪どいことをやっているらしい。あの何を考えているのかわからないカミラならやりそうなことだ。そんなこともあってますますカミラとの結婚が嫌になった。俺にふさわしいのはアレクサンドラだけだ。さらにアレクサンドラも俺を好きだと言ったのだ。俺は気持ちを抑えられなくなって親父の部屋に向かった。
「親父!! 俺の婚約者だが……」
俺がそう言いかけた時遮るように親父は言った。
「あぁ、そのことだが、エンデルス家との婚約はなしにすることになった。これからはお前のご執心のアレクサンドラ嬢がお前の婚約者だ」
俺は驚いた。あれだけ俺が婚約を嫌だと言ってもテコでも動かなかった親父があっさりそう言ったのだ。
「本当か!!! 親父!!!」
俺は親父の肩を揺らしそう言った。親父は心底面倒臭そうに俺を抑えた。
「まぁ、落ち着け。本当だ。ただ条件がある」
親父は真剣な顔をした。
「何だ? 誰かを殺せばいいのか?」
「いや、違う。実はゴーティエ家には隠し財宝があるらしい。それは相当なもので我が一族が遊んで暮らせるほどあるらしい。お前にはその情報をアレクサンドラ嬢から聞き出して欲しいんだ」
俺は何がなんでもアレクサンドラを婚約者にしたかったからすぐに同意した。
「わかった。俺に任せろなんでも聞いてやる」
親父は不安そうな顔をして言った。
「頼むぞ」
俺はすぐにこのことをアレクサンドラに知らせるために親父の部屋を後にしたのだ。
22
あなたにおすすめの小説
私は彼に選ばれなかった令嬢。なら、自分の思う通りに生きますわ
みゅー
恋愛
私の名前はアレクサンドラ・デュカス。
婚約者の座は得たのに、愛されたのは別の令嬢。社交界の噂に翻弄され、命の危険にさらされ絶望の淵で私は前世の記憶を思い出した。
これは、誰かに決められた物語。ならば私は、自分の手で運命を変える。
愛も権力も裏切りも、すべて巻き込み、私は私の道を生きてみせる。
毎日20時30分に投稿
【完結】「お前とは結婚できない」と言われたので出奔したら、なぜか追いかけられています
22時完結
恋愛
「すまない、リディア。お前とは結婚できない」
そう告げたのは、長年婚約者だった王太子エドワード殿下。
理由は、「本当に愛する女性ができたから」――つまり、私以外に好きな人ができたということ。
(まあ、そんな気はしてました)
社交界では目立たない私は、王太子にとってただの「義務」でしかなかったのだろう。
未練もないし、王宮に居続ける理由もない。
だから、婚約破棄されたその日に領地に引きこもるため出奔した。
これからは自由に静かに暮らそう!
そう思っていたのに――
「……なぜ、殿下がここに?」
「お前がいなくなって、ようやく気づいた。リディア、お前が必要だ」
婚約破棄を言い渡した本人が、なぜか私を追いかけてきた!?
さらに、冷酷な王国宰相や腹黒な公爵まで現れて、次々に私を手に入れようとしてくる。
「お前は王妃になるべき女性だ。逃がすわけがない」
「いいや、俺の妻になるべきだろう?」
「……私、ただ田舎で静かに暮らしたいだけなんですけど!!」
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
P.S. 推し活に夢中ですので、返信は不要ですわ
汐瀬うに
恋愛
アルカナ学院に通う伯爵令嬢クラリスは、幼い頃から婚約者である第一王子アルベルトと共に過ごしてきた。しかし彼は言葉を尽くさず、想いはすれ違っていく。噂、距離、役割に心を閉ざしながらも、クラリスは自分の居場所を見つけて前へ進む。迎えたプロムの夜、ようやく言葉を選び、追いかけてきたアルベルトが告げたのは――遅すぎる本心だった。
※こちらの作品はカクヨム・アルファポリス・小説家になろうに並行掲載しています。
優しいあなたに、さようなら。二人目の婚約者は、私を殺そうとしている冷血公爵様でした
ゆきのひ
恋愛
伯爵令嬢であるディアの婚約者は、整った容姿と優しい性格で評判だった。だが、いつからか彼は、婚約者であるディアを差し置き、最近知り合った男爵令嬢を優先するようになっていく。
彼と男爵令嬢の一線を越えた振る舞いに耐え切れなくなったディアは、婚約破棄を申し出る。
そして婚約破棄が成った後、新たな婚約者として紹介されたのは、魔物を残酷に狩ることで知られる冷血公爵。その名に恐れをなして何人もの令嬢が婚約を断ったと聞いたディアだが、ある理由からその婚約を承諾する。
しかし、公爵にもディアにも秘密があった。
その秘密のせいで、ディアは命の危機を感じることになったのだ……。
※本作は「小説家になろう」さんにも投稿しています
※表紙画像はAIで作成したものです
後悔などありません。あなたのことは愛していないので。
あかぎ
恋愛
「お前とは婚約破棄する」
婚約者の突然の宣言に、レイラは言葉を失った。
理由は見知らぬ女ジェシカへのいじめ。
証拠と称される手紙も差し出されたが、筆跡は明らかに自分のものではない。
初対面の相手に嫉妬して傷つけただなど、理不尽にもほどがある。
だが、トールは疑いを信じ込み、ジェシカと共にレイラを糾弾する。
静かに溜息をついたレイラは、彼の目を見据えて言った。
「私、あなたのことなんて全然好きじゃないの」
離婚した彼女は死ぬことにした
はるかわ 美穂
恋愛
事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。
もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。
今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、
「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」
返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。
それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。
神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。
大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる