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お礼SS

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    このたび、第8回BL小説大賞にエントリーさせていただいたのですが、思っていた以上に上位(7位)で終わることができました。(←すみません、8位でした、汗 12/25追記)
    最終結果はまだ出ておりませんが、とても満ち足りた気分です。
    とても楽しい1ヶ月でした♪

    投票してくださった方、お読みくださった方、温かいコメントをくださった方、すべての方々に感謝です。
    本当にありがとうございました。

    感謝の気持ちを込めて、春日部視点の日常のヒトコマをお届けしたいと思います。
    楽しんでいただけましたら、幸いです。





    夕飯の後のひととき。食い過ぎたせいでリビングで二人でまったりしてた。
    ソファーで横になりたいから、二人並んで座るんじゃなく、テーブルを挟んだ対面に置いてある二台のソファーにそれぞれ座ってる。


    今日の飯は町屋の好きな豚肉のしょうが焼きだった。
    もう何回も食ってるのに、毎回毎回、町屋は初めて食った時みたいに「美味しい」「幸せ」と満面の笑顔で俺に礼を言ってくる。
    今日も「僕の体は春日部のご飯で出来てる」って幸せそうに飯頬張ってた。
    それを見て俺も幸せな気分になる。
    大好きな奴の体が、俺が作り出したモンで出来てるなんて、誇らしくて胸がギュッとなるくらいに嬉しい。
    この栄誉を誰にも渡したくねぇ。

    とは言え町屋は学食で飯も食ってるから、100%じゃねぇ。

    学食で働いてる奴に密かにライバル心を燃やしていると、町屋はガラステーブルの下の棚に置いてあるヤスリを手に取った。

    棒状の爪用ヤスリ。

    町屋は手には爪切りを使わねぇ。
    結構な時間をかけてヤスリで丁寧に爪を削る。

    町屋の爪の先はいつも滑らかで白いとこが全く無い深爪状態。

    俺の為だ。

    俺の中を傷付けないように毎日手入れをしてくれてる。

    この光景を見ちまうと体が熱くなる。
    気をつけてねぇと、変な吐息まで洩らしちまいそうになるくらいドキドキする。

    あの白くてすらっとした指は俺だけのモンだ。

    一切触れられてねぇのに前戯されてる気分だ。


    町屋はヤスリをかけ終えると、ウェットティッシュで指先を拭いた。
    俺はそれを待ち構えてた。
    町屋が座ってる方のソファーに移動する。
    両手を広げられて、そん中に飛び込んだ。
    手入れしたばっかりの指先で町屋は俺の顔を撫でた。次に唇に触れて、それを割り入って歯に触れて舌に触れる。
    俺の口の中で我が物顔で動く指が愛しくて、ちゅうちゅう吸っちまう。
    町屋はそんな俺を見てクスクス笑った。

「美味しい?」

「おいひい。」

    俺は多分、うっとりとした締まりのねぇ面してると思う。
    しょうが焼き食ってる町屋の顔と同じくらい。

    ゴクリと喉が鳴った音が聞こえた。町屋から。

    町屋は完全に男の顔になってた。

    口ん中にある指が引き抜かれて、名残惜しく思ってると今度は柔らかい唇が落ちてきた。

    同じ味がする。

    生姜の爽やかな香りを確かめ合うように深く何度もキスをした。
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