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欲求を満たす道具

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あともう少しであの感覚にたどり着けそうだったのです。

早く楽になりたいのです。

クロードは黙ったままわたくしの下腹部に、また顔を埋めました。

容赦なくそこは舐め上げられ強い刺激を受けて、わたくしはすぐにこの間のように真っ白になってしまいました。

でも今回はそのまま寝ることはできませんでした。前回はすっと抜けていってくれた熱が、まだわたくしの中心で燻っているような気がしたのです。

しかもクロードがいつまで経っても舌の動きを止めてくれないので眠ることなどできません。

「あのっ、もう、んっ、取り敢えずっ、やめて、くださっ、い。す、少し、ふ、楽になりましたからあっ。っああん。」

クロードは頭を上げてくれました。

「そうでしょうか?姉さまは5年間、毎日二回は気をやっていました。」

気をやる、とは何でしょうか。

ぽかんとするわたくしに気がつき、クロードは丁寧に説明してくれました。

要するに先ほどの真っ白になった状態のことを気をやる、もしくは達する、と言うのだということらしいです。

名前がついている現象ということは、自分だけに起こっている特異なことではないのだとわかり、取り敢えずホッといたしました。

「話を戻しますね。ですから、姉さまは1週間 × 2回分の欲求不満を今、解消すべきなのです。」

「欲求不満?しかも14回、ですか!?」

「ええ。通常の14倍の欲求不満ですから。」

そ、そんな…。

ではこのまだ残っているビリビリとした感じを治すには、あと13回達しないとダメなのでしょうか。想像しただけでも無理なのがわかります。

「まぁ、それは冗談として、欲求不満にならない為には、毎日達して欲求を解消してあげなければいけませんよね。」

冗談ですのね。それについては安心しましたが、毎日解消しなければならないのは恥ずかし過ぎて精神的にきつそうです。

わたくしが思案していましたらクロードは大袈裟にため息を吐きました。

「本来なら僕が姉さまの寝ている間に解消して差し上げていましたが、今は胸を触るなと言われていますし、それは難しいですよね。さて、どうしたらいいのでしょう。」

どうしたら、とそんな困ったような顔で見つめられましても…。

……でも、わたくしが知らない間のことならば恥ずかしさは少しはマシになるでしょうから、今まで通りしていただくのも手かもしれません。

「胸を触らないで、ささっと寝ている間にしてもらえないかしら?」

わたくしの提案にクロードはショックを受けたのか項垂れました。

「姉さま、僕を自分の欲求を満たす道具になさるおつもりですか?」

そんな風に言われると、わたくしが酷いことを言ったような気持ちになってきます。

「ごめんなさい。酷い言い方でしたわ。」

「では、僕が姉さまの起きている間にしてさしあげるということでよろしいですね。欲求不満にならない為には他に手はありませんから。いいですね?」

こうして、これから毎日、クロードに体を触ったり舐めたりしてもらう、ということになったのでした。
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