難攻不落の精強軍隊 〜異世界転移してスローライフかと思ったら、乱世が舞台だったので世界統一を目指します〜

尾関 天魁星

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【第三章】蓮牙山攻防戦・第二次セトラ村攻防戦

【第五十四話】

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 敵の歩兵部隊が、セトラ村に肉薄していた。


 かなり激しい乱戦が行われているようで、その気配は騎馬隊に居る俺でも感じ取っていた。


 すぐに自警団の救援に向かいたかったが、歩兵の数十人が槍を並べているので、それが邪魔で向かえないのだ。


「くそ、敵の指揮官め。しゃらくさい事をしやがる」


 ガンテスが、分かりやすく苛立っていた。


「せめて、槍を構えたあの歩兵がどうにか出来ればいいのですが」


「潰走した騎馬隊も、戻ってくるかもしれん」


 槍を構えた歩兵と対峙したまま困っていると、テジムが前の方にやってきた。


「あの、抜け道があります」


 自信なさげに、テジムは言った。


「抜け道だと、どこだ」


「言葉では説明出来ません。防備の位置が書かれた地図を見ていて、ふと気付いたのです」


 テジムが、先頭に馬を進めた。


「説明出来ないので、俺が先頭を進みます」


 そう言ったテジムの両手は、震えていた。


 彼なりに、覚悟は決めつつあるのかもしれない。


「よし、お前に任せる」


 ガンテスが言い、兵に指示を出した。


 俺はテジムと目が合ったので、黙って頷いてみせた。


 隊列を整えると、テジムを先頭に馬を駈けさせた。


 槍を構えていた敵部隊を無視し、横に逸れながら村に近付いていく。


 馬止めの柵や濠などがあるが、一見では分かりにくいような道筋があり、馬列がそこを縫うように進んだ。


「すごいぞ、こんな簡単に抜けていけるとは」


 ガンテスは関心しながら、テジムの後を着いていく。


 しばらく罠を縫って進むと、村のすぐそばに出た。


 乱闘は、まだ続いている。


「お前たち、歩兵に突っ込むぞ」


 ガンテスが剣を抜き放った。


 先頭を駆けていたテジムは速度を落とし、騎馬隊の隊列の中に収容されていく。


 さすがに、今のテジムに切り込ませるのは、荷が重い。


 俺はガンテスのすぐ後ろで、敵に突っ込んでいった。


 敵は騎馬隊に不意をつかれたようで、突っ込んだだけで動揺と混乱が広がっていくのが分かった。


 先に突撃していった自警団が、乱戦を繰り広げてくれたおかげもあったようだ。


 自警団を巻き込まないように、ガンテスはしっかりと見極めながら敵中を進んでいた。


 ガンテスが先頭で剣を振ると、敵の首が二つ三つと跳んでいく。


 一騎当千。


 ガンテスは、まさにそれだった。


 俺も、手当たり次第に歩兵を斬った。


 反撃も乏しいので、苦戦はしなかった。


「おいカイト、そこを見ろ!」


 前を駆けるガンテスが指差す方に目を向けると、ひと際大きく騒いでいる所があった。


 目を凝らして見ると、誰かが一騎打ちしているようだ。


「敵の指揮官かもしれん。向かうぞ」


 歩兵を屠りながら、ガンテスが進んでいく。








 俺は、妙な胸騒ぎを感じながら、ガンテスの後を追った。
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