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第2章 エリクシア
第53話 乱戦
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僕はアルカーナ大迷宮地下50階に辿り着いた。レイクの目測によれば折り返し地点に当たり、念願とまではいかないが目標のエリクシアまであと半分となった。
しかしここはエリクシアの製法が保管されているのは確かだけど、それ以前に魔物の墓場だと言うことも知った。
地上で死んだ魔物がエリクシアの力によって復活し、此処アルカーナ大迷宮が墓場であり寝所になるという。
地下50階で出会った4体の魔物が教えてくれた。さらにその魔物とは因縁があるというおまけ付きで。
僕の回避能力を持ってしても初めて苦戦を強いられた相手。それが4体一斉に襲ってくるんだ。僕はそんな状況に絶望しか感じないが、どうせ逃げても他にやりたいことが無いので立ち向かうことにした。
ガルムラルクのみんなで「「うおおおおお!」」と大声を上げて魔物の警告を無視して前へ出る。
「ッ……!? あぶなっ!」
僕が一歩前に出た瞬間だった。目の前の黒騎士ガウェインは突然消えたかと思えば、その長剣の刃が既に僕の首筋に向かって来ていた。
僕はそれを回避能力なのか、まさか本当の反射神経なのか分からない間一髪で避ける。そう、苦戦を強いられた理由の一つは、僕の回避能力をもってしても、彼らの攻撃があまりにも速すぎるんだ。
そして避けたかと思えば2撃目。ここもまぐれな反射神経が通用するかと思った瞬間、ガウェインの長剣はレオンの大剣によって弾かれる。
「ぼさっとしてんじゃねぇ! こいつらはマジでやべぇ。お前はとにかく全力で避けろ! 反撃なんて考えるな!」
ガウェインの3撃目はレオンと鍔迫り合いになることで受け止められる。
僕はすぐにその場から後方へ離れ全体の様子を確認するが、レオンのもとに空かさずアルテミスの矢が放たれる。
「危ないッ! レオン!」
「オレのことを忘れて貰っちゃ困るっス!」
レオンの向かって放たれた黄金の矢は、スライディングで横から滑り込んで来たテツのダガーによって弾かれる。
矢尻をタガーの刃で斬ったんだ。改めてテツの戦闘能力に驚くね。
「オマエの相手はオレだああああ!」
すぐにアルテミスに突進を仕掛けるテツに続けて2発3発と矢を撃つが、全てのテツのタガーによって弾かれ、あっという間にアルテミスは頭上を許す。
しかし、僕はこの光景にアルテミスが有利だということが目に見えていた。
アルテミスは軽くバックステップでテツの攻撃を回避すると、矢を真上に向けて撃つ。
「駄目だ! 接近戦は向いてない!」
天井に向かって撃たれたアルテミスの矢は落下と共に何百の矢に分裂し、空中へジャンプしたテツの真上から矢の雨が振り注ごうとしていた。
が、ここでもまた一人フォローする。レイが、遠くから思いっきり大盾をブーメランのように投げ、上から降ってくる矢の雨を防ぎつつ、急ターンを掛けてレイの元に戻る力でアルテミスに大盾がクリーンヒットする。
「ぐぁっ……!? 何事だ?」
「オラァアアァ! 俺様のシールドタックルを食らいやがれ!」
正しく、シールドブーメランによって態勢を崩したアルテミスに向かってレイは勢いよく大盾で突進。確実にアルテミスの体を吹き飛ばした。
相手側は連携を取っているつもりなのか、それとも隙きあらば攻撃を意識しているのか分からないが、アルテミスを吹き飛ばしたレイの真横から容赦なくジャべロットのロンギヌスが凄まじい速さで投擲される。
「させるかッ!」
ロンギヌスがレイに刺さる直前に地面から土の壁がせり上がり、進行を防ぐ。が……。
「コール! あの槍はそんなんじゃ止まらないぞ!」
僕はコールに警告する。その言葉も本当でロンギヌスは土の壁に突き刺さった状態から自力で回転し始め、土の壁に抉り貫通しようとしていた。
土の壁は急激に放射状にヒビが入り、もうすぐでバラバラに壊れる所だった。
「ふっ、土はこの迷宮に無限にあるだろ? ならどのようにだって変化させられる!」
その時だった。ロンギヌスが土の壁を完全に破壊すると、バラバラに壊れた宙へ舞い上がった土の瓦礫が一瞬にしてゴーレムの体を形成する。
軌道修正してレイ向かって飛ぶロンギヌスをゴーレムは掴み、自動追尾機能のある投擲槍の軌道を無理矢理変更。全力を込めてジャべロットに投げ返す。
流石にこれは軌道修正不可能。僕でも分かる。ロンギヌスは何とか軌道修正するもターゲットをジャべロットに誤設定したのか、一直線にジャべロットの鳩尾を抉るように突き刺す。
「ぐおおぉぉぉっ!?」
ジャべロットは体をくの字に曲げ、更に吹き飛ばされる。そのまま迷宮の壁を突き抜けて、真っ暗闇へと消えていった。
残るはガウェイン、アルテミス、ムラマサだ。
そういえばムラマサは何処にいるのか? ジンも一緒に探すと、みんなが戦っている端の方で、同じ刀を何度も交えていた。
「汝、なかなかやるな」
「貴様も何処からその技術を手に入れた……!」
最早素人の目には見えないほどの素早い剣筋が剣劇を作り上げていた。
「なかなか耐えるじゃねぇか……あぁ!?」
「言葉を交わす暇があるのなら、さっさと切裂かれるが良い!」
ガウェインとレオンはどちらもパワータイプで長剣と大剣がぶつかるも、戦況はどちらにも傾くことなく体力勝負となっていた。
「クソっ近づけねえ!」
「俺様がカバーしてやるから、このまま突き進むぞ!」
アルテミスを相手にしているレイとテツも連携を組んではいるが、距離さえ取れれば戦況を自分のものに出来るアルテミスに対し、接近しなくては戦えないテツとレイもなかなか苦戦を強いられていた。
このままではジリ貧だ。さらに相手は、魔物であってこっちは人間なんだ。もし、ここでエリクシアの力が働けば戦況は一気に魔物側に傾くだろう。
なんとか突破口はないかな?
しかしここはエリクシアの製法が保管されているのは確かだけど、それ以前に魔物の墓場だと言うことも知った。
地上で死んだ魔物がエリクシアの力によって復活し、此処アルカーナ大迷宮が墓場であり寝所になるという。
地下50階で出会った4体の魔物が教えてくれた。さらにその魔物とは因縁があるというおまけ付きで。
僕の回避能力を持ってしても初めて苦戦を強いられた相手。それが4体一斉に襲ってくるんだ。僕はそんな状況に絶望しか感じないが、どうせ逃げても他にやりたいことが無いので立ち向かうことにした。
ガルムラルクのみんなで「「うおおおおお!」」と大声を上げて魔物の警告を無視して前へ出る。
「ッ……!? あぶなっ!」
僕が一歩前に出た瞬間だった。目の前の黒騎士ガウェインは突然消えたかと思えば、その長剣の刃が既に僕の首筋に向かって来ていた。
僕はそれを回避能力なのか、まさか本当の反射神経なのか分からない間一髪で避ける。そう、苦戦を強いられた理由の一つは、僕の回避能力をもってしても、彼らの攻撃があまりにも速すぎるんだ。
そして避けたかと思えば2撃目。ここもまぐれな反射神経が通用するかと思った瞬間、ガウェインの長剣はレオンの大剣によって弾かれる。
「ぼさっとしてんじゃねぇ! こいつらはマジでやべぇ。お前はとにかく全力で避けろ! 反撃なんて考えるな!」
ガウェインの3撃目はレオンと鍔迫り合いになることで受け止められる。
僕はすぐにその場から後方へ離れ全体の様子を確認するが、レオンのもとに空かさずアルテミスの矢が放たれる。
「危ないッ! レオン!」
「オレのことを忘れて貰っちゃ困るっス!」
レオンの向かって放たれた黄金の矢は、スライディングで横から滑り込んで来たテツのダガーによって弾かれる。
矢尻をタガーの刃で斬ったんだ。改めてテツの戦闘能力に驚くね。
「オマエの相手はオレだああああ!」
すぐにアルテミスに突進を仕掛けるテツに続けて2発3発と矢を撃つが、全てのテツのタガーによって弾かれ、あっという間にアルテミスは頭上を許す。
しかし、僕はこの光景にアルテミスが有利だということが目に見えていた。
アルテミスは軽くバックステップでテツの攻撃を回避すると、矢を真上に向けて撃つ。
「駄目だ! 接近戦は向いてない!」
天井に向かって撃たれたアルテミスの矢は落下と共に何百の矢に分裂し、空中へジャンプしたテツの真上から矢の雨が振り注ごうとしていた。
が、ここでもまた一人フォローする。レイが、遠くから思いっきり大盾をブーメランのように投げ、上から降ってくる矢の雨を防ぎつつ、急ターンを掛けてレイの元に戻る力でアルテミスに大盾がクリーンヒットする。
「ぐぁっ……!? 何事だ?」
「オラァアアァ! 俺様のシールドタックルを食らいやがれ!」
正しく、シールドブーメランによって態勢を崩したアルテミスに向かってレイは勢いよく大盾で突進。確実にアルテミスの体を吹き飛ばした。
相手側は連携を取っているつもりなのか、それとも隙きあらば攻撃を意識しているのか分からないが、アルテミスを吹き飛ばしたレイの真横から容赦なくジャべロットのロンギヌスが凄まじい速さで投擲される。
「させるかッ!」
ロンギヌスがレイに刺さる直前に地面から土の壁がせり上がり、進行を防ぐ。が……。
「コール! あの槍はそんなんじゃ止まらないぞ!」
僕はコールに警告する。その言葉も本当でロンギヌスは土の壁に突き刺さった状態から自力で回転し始め、土の壁に抉り貫通しようとしていた。
土の壁は急激に放射状にヒビが入り、もうすぐでバラバラに壊れる所だった。
「ふっ、土はこの迷宮に無限にあるだろ? ならどのようにだって変化させられる!」
その時だった。ロンギヌスが土の壁を完全に破壊すると、バラバラに壊れた宙へ舞い上がった土の瓦礫が一瞬にしてゴーレムの体を形成する。
軌道修正してレイ向かって飛ぶロンギヌスをゴーレムは掴み、自動追尾機能のある投擲槍の軌道を無理矢理変更。全力を込めてジャべロットに投げ返す。
流石にこれは軌道修正不可能。僕でも分かる。ロンギヌスは何とか軌道修正するもターゲットをジャべロットに誤設定したのか、一直線にジャべロットの鳩尾を抉るように突き刺す。
「ぐおおぉぉぉっ!?」
ジャべロットは体をくの字に曲げ、更に吹き飛ばされる。そのまま迷宮の壁を突き抜けて、真っ暗闇へと消えていった。
残るはガウェイン、アルテミス、ムラマサだ。
そういえばムラマサは何処にいるのか? ジンも一緒に探すと、みんなが戦っている端の方で、同じ刀を何度も交えていた。
「汝、なかなかやるな」
「貴様も何処からその技術を手に入れた……!」
最早素人の目には見えないほどの素早い剣筋が剣劇を作り上げていた。
「なかなか耐えるじゃねぇか……あぁ!?」
「言葉を交わす暇があるのなら、さっさと切裂かれるが良い!」
ガウェインとレオンはどちらもパワータイプで長剣と大剣がぶつかるも、戦況はどちらにも傾くことなく体力勝負となっていた。
「クソっ近づけねえ!」
「俺様がカバーしてやるから、このまま突き進むぞ!」
アルテミスを相手にしているレイとテツも連携を組んではいるが、距離さえ取れれば戦況を自分のものに出来るアルテミスに対し、接近しなくては戦えないテツとレイもなかなか苦戦を強いられていた。
このままではジリ貧だ。さらに相手は、魔物であってこっちは人間なんだ。もし、ここでエリクシアの力が働けば戦況は一気に魔物側に傾くだろう。
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