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第2章 エリクシア
第54話 覚醒
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僕はエリクシアの製法を得るためにアルカーナ大迷宮に潜り最初は順調だったが、地下50階にてまだ足止めされていた。
かつて聖域ニルヴァーナで戦った4体の魔物は、以前より強くなっており、レベル100を超えているガルムラルクのメンバーでさえも苦戦を強いられていた。
僕はここぞこそ魔導都市ガレオンのヴィヴリオに製作してもらったリアクターブレードを使うべきと思うが、現時点でこれを最大限に活用できる人間がいない。
リアクターブレードは使用者の魔力値によって威力が増幅する仕様だが、もしこれを今の状況を打破する手段として使うなら、言うまでもないが威力不足だ。
ガルムラルクの中で最も魔力値が高いメンバーならコールがいるが、そもそも近接戦特化では無い。あぁ、こうなるならブレードじゃなくてキャノン作って貰った方が良かったかなぁ……。
さらに僕はずっと後ろで待機しているレイクと同じく、戦闘における汎用性が低すぎて仲間の応援しか出来ない始末。
皆が激しい戦闘をしている中でもぼーっとしているレイクに話しかけても当然返事は帰ってこない。どうにか、どうにか今の状況を変えられる方法は無いかなぁ……。
そんな時だった。予想はしていたが、僕の一番恐れていたことが起きてしまった。
エリクシアの活性化。僕はそう呼ぶようにした。地下深くから莫大なエネルギーがアルカーナ大迷宮全体へ行き渡る。
エネルギーというより魔力だ。これが起きてしまうと今戦闘中の黒騎士ガウェイン達の戦闘力が急激に増加する。
まるで相手を次の一撃で叩き潰すつもりかのようなバフが掛けられるんだ。しかも永続というおまけ付き。
相手が弱体しようが無かろうが関係無く、増幅された力はレオンやレイでも抑えられない程だろう。
「力がみなぎる……! ハハハハ! 貴様らはここで終わりだぁ!」
「く、くそぉ! こんな時にタイミング良すぎだろ!」
ガウェインの剣筋は急激に鋭くなり、レオンは激しいガウェインの連続攻撃に防御するしか出来なくなってしまった。
さらにアルテミスとムラマサも同様に強化され、アルテミスは矢を連射出来るように。ムラマサは、次元を切り裂けるように。
「今のは……!?」
「我らは魔物なり……魔力の恩恵は最大である。汝の存在ごと切り裂けるようになるほどにな」
僕はムラマサとジンの戦いを離れて見ているのでどんな戦いが繰り広げられているのか詳細は分からないが、先程まで刀と刀を合わせていたジンは、ムラマサの攻撃をとにかく避けることに撤していた。きっとアルテミスと同じく当たると不味い攻撃何だろう。次元を切り裂くとは……。
暫くの間ジリ貧で単純な体力勝負だった戦況が一気に魔物側に傾いた。
しかし、そうでも無かった。ガウェインの攻撃を防御するレオンは何故か笑っていた。なにか勝算でもあるんだろうかと僕が想像した瞬間、急激に戦況がこちらへ向いた。
突然レオンの大剣に激しく燃え盛る炎のように真っ赤なオーラが吹き出す。
「何が終わりだって? 今から終わんのはてめぇらの方だよ! 魔力の影響は魔物だけじゃあねぇんだよおぉ!!」
レオンは大剣をゆっくり上段に構える。もうその姿勢を見るだけでもこっちが気迫で押されそうなオーラを放っていた。
その上段の構えにガウェインは空かさず長剣を斬り込む。が、どうみても剣がレオンに深い切り傷をを与えているのに、痛がりも退きもしない。
「何が来る!? 仕方が無い。この剣で貴様の首を刎ねてやる! うおおおお!」
「オラアアアァァ!!」
レオンが最後の突進を仕掛けてくるガウェインに対して大剣を振り下ろすと、オーラが拡散するように爆発し、眩い赤い閃光を撒き散らす。
「そんな馬鹿な! また負け……!」
ガウェインの断末魔も虚しく、レオンが放ったオーラはガウェインを一瞬で飲み込み消滅させた。
次にテツとレイのコンビは、暫くアルテミスの連射を大盾でガードしていると、レイが叫ぶ。
「準備は整った! ありがとよアルテミスさんよぉ! シールドパルス!!」
そう叫ぶとレイの大盾が眩しく白く光りだし、次の瞬間に爆風と思わしき大迷宮を揺るがすほどの衝撃波がアルテミスを吹き飛ばした。
あまりの衝撃にアルテミスは思いっきり壁まで吹き飛ばされるとそのまま動くことが無かった。
次にジンは一瞬だった。
ムラマサが次々と次元を切り裂く中でジンは、ムラマサの次の攻撃に合わせてカウンター。
どうしてそれを最初から使わなかったんだと思ったけど、ムラマサを斬ったジンの刀は紫色の雷を纏っており、あの一瞬で何らかの力が引き出したんだろう。
◆◇◆◇◆◇
終わった。絶望だと思っていた戦闘が終わった。一体僕はこれから何度死ぬかも知れないという感覚を味わうんだろう。今回はガルムラルクの覚醒によって何とか生きていられた。
僕はあまりにも激しい戦闘が終ったことで腰を下ろす。
「お、終わったぁ……」
「あんなのとは二度と戦いたくねぇな……ま、良い経験にはなったがな!」
「マジでヤバいっすよ~」
「はぁ~流石に俺様でも疲れたぜ……」
「あ、あぁ……あそこまで魔式を酷使したのは初だ……」
「新たな力に目覚めた……俺はこれでいい……」
僕と皆は息を切らして暫く動けずにいた。これから向かう地下51階が更に強いと考えるとゆっくり休憩が必要だ。
地下100階ねぇ……しかも魔物を魂から復活させるときた。そりゃこの城滅ぶ訳だわ。実際どうして滅んだのかは知らないけど、エリクシアが原因っていうんなら納得できるね。
僕はここで暫く休んでから地下51階へ進んだ。
かつて聖域ニルヴァーナで戦った4体の魔物は、以前より強くなっており、レベル100を超えているガルムラルクのメンバーでさえも苦戦を強いられていた。
僕はここぞこそ魔導都市ガレオンのヴィヴリオに製作してもらったリアクターブレードを使うべきと思うが、現時点でこれを最大限に活用できる人間がいない。
リアクターブレードは使用者の魔力値によって威力が増幅する仕様だが、もしこれを今の状況を打破する手段として使うなら、言うまでもないが威力不足だ。
ガルムラルクの中で最も魔力値が高いメンバーならコールがいるが、そもそも近接戦特化では無い。あぁ、こうなるならブレードじゃなくてキャノン作って貰った方が良かったかなぁ……。
さらに僕はずっと後ろで待機しているレイクと同じく、戦闘における汎用性が低すぎて仲間の応援しか出来ない始末。
皆が激しい戦闘をしている中でもぼーっとしているレイクに話しかけても当然返事は帰ってこない。どうにか、どうにか今の状況を変えられる方法は無いかなぁ……。
そんな時だった。予想はしていたが、僕の一番恐れていたことが起きてしまった。
エリクシアの活性化。僕はそう呼ぶようにした。地下深くから莫大なエネルギーがアルカーナ大迷宮全体へ行き渡る。
エネルギーというより魔力だ。これが起きてしまうと今戦闘中の黒騎士ガウェイン達の戦闘力が急激に増加する。
まるで相手を次の一撃で叩き潰すつもりかのようなバフが掛けられるんだ。しかも永続というおまけ付き。
相手が弱体しようが無かろうが関係無く、増幅された力はレオンやレイでも抑えられない程だろう。
「力がみなぎる……! ハハハハ! 貴様らはここで終わりだぁ!」
「く、くそぉ! こんな時にタイミング良すぎだろ!」
ガウェインの剣筋は急激に鋭くなり、レオンは激しいガウェインの連続攻撃に防御するしか出来なくなってしまった。
さらにアルテミスとムラマサも同様に強化され、アルテミスは矢を連射出来るように。ムラマサは、次元を切り裂けるように。
「今のは……!?」
「我らは魔物なり……魔力の恩恵は最大である。汝の存在ごと切り裂けるようになるほどにな」
僕はムラマサとジンの戦いを離れて見ているのでどんな戦いが繰り広げられているのか詳細は分からないが、先程まで刀と刀を合わせていたジンは、ムラマサの攻撃をとにかく避けることに撤していた。きっとアルテミスと同じく当たると不味い攻撃何だろう。次元を切り裂くとは……。
暫くの間ジリ貧で単純な体力勝負だった戦況が一気に魔物側に傾いた。
しかし、そうでも無かった。ガウェインの攻撃を防御するレオンは何故か笑っていた。なにか勝算でもあるんだろうかと僕が想像した瞬間、急激に戦況がこちらへ向いた。
突然レオンの大剣に激しく燃え盛る炎のように真っ赤なオーラが吹き出す。
「何が終わりだって? 今から終わんのはてめぇらの方だよ! 魔力の影響は魔物だけじゃあねぇんだよおぉ!!」
レオンは大剣をゆっくり上段に構える。もうその姿勢を見るだけでもこっちが気迫で押されそうなオーラを放っていた。
その上段の構えにガウェインは空かさず長剣を斬り込む。が、どうみても剣がレオンに深い切り傷をを与えているのに、痛がりも退きもしない。
「何が来る!? 仕方が無い。この剣で貴様の首を刎ねてやる! うおおおお!」
「オラアアアァァ!!」
レオンが最後の突進を仕掛けてくるガウェインに対して大剣を振り下ろすと、オーラが拡散するように爆発し、眩い赤い閃光を撒き散らす。
「そんな馬鹿な! また負け……!」
ガウェインの断末魔も虚しく、レオンが放ったオーラはガウェインを一瞬で飲み込み消滅させた。
次にテツとレイのコンビは、暫くアルテミスの連射を大盾でガードしていると、レイが叫ぶ。
「準備は整った! ありがとよアルテミスさんよぉ! シールドパルス!!」
そう叫ぶとレイの大盾が眩しく白く光りだし、次の瞬間に爆風と思わしき大迷宮を揺るがすほどの衝撃波がアルテミスを吹き飛ばした。
あまりの衝撃にアルテミスは思いっきり壁まで吹き飛ばされるとそのまま動くことが無かった。
次にジンは一瞬だった。
ムラマサが次々と次元を切り裂く中でジンは、ムラマサの次の攻撃に合わせてカウンター。
どうしてそれを最初から使わなかったんだと思ったけど、ムラマサを斬ったジンの刀は紫色の雷を纏っており、あの一瞬で何らかの力が引き出したんだろう。
◆◇◆◇◆◇
終わった。絶望だと思っていた戦闘が終わった。一体僕はこれから何度死ぬかも知れないという感覚を味わうんだろう。今回はガルムラルクの覚醒によって何とか生きていられた。
僕はあまりにも激しい戦闘が終ったことで腰を下ろす。
「お、終わったぁ……」
「あんなのとは二度と戦いたくねぇな……ま、良い経験にはなったがな!」
「マジでヤバいっすよ~」
「はぁ~流石に俺様でも疲れたぜ……」
「あ、あぁ……あそこまで魔式を酷使したのは初だ……」
「新たな力に目覚めた……俺はこれでいい……」
僕と皆は息を切らして暫く動けずにいた。これから向かう地下51階が更に強いと考えるとゆっくり休憩が必要だ。
地下100階ねぇ……しかも魔物を魂から復活させるときた。そりゃこの城滅ぶ訳だわ。実際どうして滅んだのかは知らないけど、エリクシアが原因っていうんなら納得できるね。
僕はここで暫く休んでから地下51階へ進んだ。
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