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【1章】断食魔女、森で隠遁生活を送る
4.胸焼けがします。ご飯を抜こうと思います。(2)
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「ええ。昨晩、神殿に到着したマリア様は、カルチャーショックというか……色んなことに驚いていらっしゃいました。『お風呂にシャワーがない』と仰ったり、『飲み物が冷たくない』と仰ったり、我々の常識とは少々違う所で生きていらっしゃったご様子。ですから、私はマリア様を理解するために、この家のことを知るべきだと思ったのです」
「…………それ、今思いついた言い訳でしょう?」
ペラペラと淀みなく口が動いているけれど、どことなく胡散臭い。っていうか、私利私欲に塗れているように思えてならない。
「まあまあ。それで、シャワーとは一体どのようなものなのです?」
神官はそう言って、瞳をキラキラと輝かせる。この男……これまできっと、顔だけで色んなことを乗り越えてきたに違いない。
顔面国宝級――――前世に居たら、間違いなく芸能界へのスカウトがわんさか来ていただろう。こっそり写真を撮られて、SNSで拡散されまくって、生きてるだけで尊いとか、笑うと凶器とか称されて。勝手に貢がれ、何不自由ない裕福な生活を送っているのが目に浮かぶ。
胡散臭いことこの上ない。わたしは好きになれないけど。
「別に、ジョウロと同じですよ。ただ、コンスタントにお湯が出せるっていうだけで」
どのようなもの? って尋ねられたところで、そもそもわたしが考えたものじゃないし。仕組みや構造もよく分かってないし。
ラッキーで魔力を授かったから、よく分からない部分を魔法で無理やり何とかしているだけだもん。聞かれたって答えられる筈がない。
「…………それ、今思いついた言い訳でしょう?」
ペラペラと淀みなく口が動いているけれど、どことなく胡散臭い。っていうか、私利私欲に塗れているように思えてならない。
「まあまあ。それで、シャワーとは一体どのようなものなのです?」
神官はそう言って、瞳をキラキラと輝かせる。この男……これまできっと、顔だけで色んなことを乗り越えてきたに違いない。
顔面国宝級――――前世に居たら、間違いなく芸能界へのスカウトがわんさか来ていただろう。こっそり写真を撮られて、SNSで拡散されまくって、生きてるだけで尊いとか、笑うと凶器とか称されて。勝手に貢がれ、何不自由ない裕福な生活を送っているのが目に浮かぶ。
胡散臭いことこの上ない。わたしは好きになれないけど。
「別に、ジョウロと同じですよ。ただ、コンスタントにお湯が出せるっていうだけで」
どのようなもの? って尋ねられたところで、そもそもわたしが考えたものじゃないし。仕組みや構造もよく分かってないし。
ラッキーで魔力を授かったから、よく分からない部分を魔法で無理やり何とかしているだけだもん。聞かれたって答えられる筈がない。
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