218 / 673
Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~
ver.4.0-9 情報を求めるのは、だれでもあるようで
しおりを挟む
惑星『バルゲストロン』
惑星の85%ほどが濃硫酸の海で包まれている、鋼の大地を持つ惑星。
酸の海の下には洞窟タイプのダンジョンが形成されているため、惑星のほとんどの生物やモンスターはその内部に住みかを持っている。
その構造上大量の空洞が多く、酸の海と鋼の大地ということから守りに適していると考え、大昔の宇宙海賊が財宝の隠し場所に選ぶ惑星としても上位に食い込んでいたとされる。
―――――
「いや、流石に濃硫酸の海ってきつくないかな?」
【キッツいデスネ。溶けますし、陸地の方に停船になりますネ】
普通の船ではなく、宇宙船や宇宙戦艦というのもあり、海に着水する必要性が無かったのは良かったというべきだろうか。
僕らは停船できそうな土地を探し、そこに一旦着陸することにした。
「さてと、それで今回の攻略するのは‥‥‥ここでいいんだよね?」
「間違いないね。バルゲストロンにある海賊財宝伝説の一つがある、ダンジョン『ドストラム』だよ」
地表のほとんどが鋼の大地の星ゆえに、降り立ってみると地面のような感触がない。
固い感触があるが、この惑星ではこれが普通の大地としてなり立っているそうである。鋼の大地だと、濃硫酸で溶けそうな気もするのだが‥‥ただの鋼で出来ておらず、溶けないような合金にもなっているようだ。
「ふっふっふ、宇宙でのダンジョン攻略は中々燃えるんだぜ」
「うーむ、作物も育ちそうにない大地は少しやる気が削がれるがのぅ」
全員船から降りて目的地を確認するが、表面の金属光沢を除けば、普通の洞窟のようなダンジョンに見えなくもないだろう。
周囲の酸の海が気になるが、ダンジョン内では天井をぶち抜くとかそういうことをしなければ入ってこないそうなので、ある程度の安全性も確保されているようだ。
「ちなみに、このダンジョンを解放するには惑星パスタリアンでパスタコンテストに優勝しないと出てこないのよねぇ。クエストによって出現するタイプのダンジョンだけれども、出てきてよかったわぁ」
「そう聞くと、お宝の方もパスタ関係に思えるんだけど」
「いや、流石にそれはないと思いたい・・・・・かな」
クエストを受注・達成することで出現するダンジョンと聞くと、前のドラメタルが産出されたダンジョンと似たような出現方法とでも言うのだろうか。
しかし、酸と鋼の惑星に何故パスタ…‥‥その繋がりが見えない。
そう思ってぽっけねこさんたちに意見を聞いたが、彼等でも分からないらしい。そもそも、前線にでて攻略を推し進める集団とは言え、順に従って得られるような情報とかもそんなにないらしい。
たいていが本当に色々と試してみた結果出て来るものとかが多いようで、特に宇宙が解放されたVer.4になるとより広くなりすぎたせいで、情報を得るにもさらに苦労するようになったそうだ。
「まぁ、そんな事は良いだろう。たとえ黄金のパスタが出てきたとしても、それはそれで情報としてはすごく面白いことになる!!」
「最深部まで行くには、ちょっと強さ的に足りるか不安だったけど…‥‥ハルさんたちも加わってくれるならば、その不安もだいぶ払しょくできるわねぇ」
「そうかな?」
「そうだと思うのだぜ。大体、白黒の塔でハルさんのスキルも色々と見たからのもあるのだぜ」
「さらに言えば、あの時以上に強力になっているっぽいテイムモンスターたちもいるのも心強いのだべが‥任せっきりにしないから安心するべ!!こんかいはおらの畑から生まれて育った、『コーンボクサー』の『マスクド・ポップ』もつれてきているからだべなぁ!!」
【ポップォォォォン!!】
自信満々そうにそう口にするグランプさんの背後から現れたのは、巨大なトウモロコシのようなモンスター。
10個ぐらいの腕にグローブを付けており、ポップコーンっぽいお面を顔に付けているのが特徴的だろう。
「そういえば、他の面々もテイムモンスター持っていませんでしたっけ?僕の方は全員連れて行きますけど、そちらは?」
「あー、今回こっちの猫たちはパスかな~。進化して『キャットドラゴン』になったのもいるけど、ちょっとサイズ的にデカくなりすぎてね‥」
「今は別件の攻略で、別の奴に預けている状態なのだぜ」
「いたのだけれども、同じくサイズの問題でパスねぇ」
そもそもの話、どうやらこのダンジョンは大きさの制限がかけられているそうで、15メートルほどの巨体とかはアウトらしい。
まぁ、そんなにそのサイズのモンスターをテイムしているような人はいないだろうが‥‥‥だからこそ、同じぐらいのサイズのテイムモンスターぐらいしか入れられないそうだ。
「何気に制限あるタイプか‥‥‥その分、良いのがあると良いけどね」
「大抵はあると思うよ。でもまぁ、前に他の面子で挑んだアソコは最悪だったな‥‥‥」
「参加してないから知らねぇが、グランプと一緒だったやつだったっけだぜ?」
「そうじゃなぁ‥‥‥あのダンジョンは酷かったのぅ。苦労するだけして、最後にたどり着いたらまた最初からと・・・・・」
「心、折れていたわねぇ‥」
どんなダンジョンに挑んだのだろうか。ぽっけねこさんとグランプさんの目が、死んだ魚のようになったぞ。
どれだけ心が折られたのかは不明だが、ひとまずこのダンジョンに挑むのが今回の目的となりそうである。
鋼の大地と酸の海に覆われた特殊な惑星に存在するダンジョン‥‥‥未知の世界の探検のようでもありちょっとワクワクしてきたかもしれない。
こういう場所にしかないようなものもあるだろうと思いつつ、僕等は進むことにしたのであった…‥‥
「ところで、船ってここに止めていてよかったのかな?ここに挑みたい人が停まろうとして邪魔にならないかな?」
「あー大丈夫だと思うよ。このダンジョン、クエスト出現型らしいけれども、別のクエストで別の入り口があって、そっちからでも入れるらしいからね」
「ただそっちの場合は、より難易度が鬼になっているらしいがのぅ」
「繋がっているそうだけど、巻き添えになるようなことはないはずだぜぇ。こんな時に同時に挑みつつ、なおかつ鬼畜難易度の方に入り込み、こっちに合流するような阿呆がいなければの話だけどなだぜぇ」
「そんな偶然、この広い宇宙でそうそう巡り合うモノでもないわよねぇ」
「「「確かに」」」
惑星の85%ほどが濃硫酸の海で包まれている、鋼の大地を持つ惑星。
酸の海の下には洞窟タイプのダンジョンが形成されているため、惑星のほとんどの生物やモンスターはその内部に住みかを持っている。
その構造上大量の空洞が多く、酸の海と鋼の大地ということから守りに適していると考え、大昔の宇宙海賊が財宝の隠し場所に選ぶ惑星としても上位に食い込んでいたとされる。
―――――
「いや、流石に濃硫酸の海ってきつくないかな?」
【キッツいデスネ。溶けますし、陸地の方に停船になりますネ】
普通の船ではなく、宇宙船や宇宙戦艦というのもあり、海に着水する必要性が無かったのは良かったというべきだろうか。
僕らは停船できそうな土地を探し、そこに一旦着陸することにした。
「さてと、それで今回の攻略するのは‥‥‥ここでいいんだよね?」
「間違いないね。バルゲストロンにある海賊財宝伝説の一つがある、ダンジョン『ドストラム』だよ」
地表のほとんどが鋼の大地の星ゆえに、降り立ってみると地面のような感触がない。
固い感触があるが、この惑星ではこれが普通の大地としてなり立っているそうである。鋼の大地だと、濃硫酸で溶けそうな気もするのだが‥‥ただの鋼で出来ておらず、溶けないような合金にもなっているようだ。
「ふっふっふ、宇宙でのダンジョン攻略は中々燃えるんだぜ」
「うーむ、作物も育ちそうにない大地は少しやる気が削がれるがのぅ」
全員船から降りて目的地を確認するが、表面の金属光沢を除けば、普通の洞窟のようなダンジョンに見えなくもないだろう。
周囲の酸の海が気になるが、ダンジョン内では天井をぶち抜くとかそういうことをしなければ入ってこないそうなので、ある程度の安全性も確保されているようだ。
「ちなみに、このダンジョンを解放するには惑星パスタリアンでパスタコンテストに優勝しないと出てこないのよねぇ。クエストによって出現するタイプのダンジョンだけれども、出てきてよかったわぁ」
「そう聞くと、お宝の方もパスタ関係に思えるんだけど」
「いや、流石にそれはないと思いたい・・・・・かな」
クエストを受注・達成することで出現するダンジョンと聞くと、前のドラメタルが産出されたダンジョンと似たような出現方法とでも言うのだろうか。
しかし、酸と鋼の惑星に何故パスタ…‥‥その繋がりが見えない。
そう思ってぽっけねこさんたちに意見を聞いたが、彼等でも分からないらしい。そもそも、前線にでて攻略を推し進める集団とは言え、順に従って得られるような情報とかもそんなにないらしい。
たいていが本当に色々と試してみた結果出て来るものとかが多いようで、特に宇宙が解放されたVer.4になるとより広くなりすぎたせいで、情報を得るにもさらに苦労するようになったそうだ。
「まぁ、そんな事は良いだろう。たとえ黄金のパスタが出てきたとしても、それはそれで情報としてはすごく面白いことになる!!」
「最深部まで行くには、ちょっと強さ的に足りるか不安だったけど…‥‥ハルさんたちも加わってくれるならば、その不安もだいぶ払しょくできるわねぇ」
「そうかな?」
「そうだと思うのだぜ。大体、白黒の塔でハルさんのスキルも色々と見たからのもあるのだぜ」
「さらに言えば、あの時以上に強力になっているっぽいテイムモンスターたちもいるのも心強いのだべが‥任せっきりにしないから安心するべ!!こんかいはおらの畑から生まれて育った、『コーンボクサー』の『マスクド・ポップ』もつれてきているからだべなぁ!!」
【ポップォォォォン!!】
自信満々そうにそう口にするグランプさんの背後から現れたのは、巨大なトウモロコシのようなモンスター。
10個ぐらいの腕にグローブを付けており、ポップコーンっぽいお面を顔に付けているのが特徴的だろう。
「そういえば、他の面々もテイムモンスター持っていませんでしたっけ?僕の方は全員連れて行きますけど、そちらは?」
「あー、今回こっちの猫たちはパスかな~。進化して『キャットドラゴン』になったのもいるけど、ちょっとサイズ的にデカくなりすぎてね‥」
「今は別件の攻略で、別の奴に預けている状態なのだぜ」
「いたのだけれども、同じくサイズの問題でパスねぇ」
そもそもの話、どうやらこのダンジョンは大きさの制限がかけられているそうで、15メートルほどの巨体とかはアウトらしい。
まぁ、そんなにそのサイズのモンスターをテイムしているような人はいないだろうが‥‥‥だからこそ、同じぐらいのサイズのテイムモンスターぐらいしか入れられないそうだ。
「何気に制限あるタイプか‥‥‥その分、良いのがあると良いけどね」
「大抵はあると思うよ。でもまぁ、前に他の面子で挑んだアソコは最悪だったな‥‥‥」
「参加してないから知らねぇが、グランプと一緒だったやつだったっけだぜ?」
「そうじゃなぁ‥‥‥あのダンジョンは酷かったのぅ。苦労するだけして、最後にたどり着いたらまた最初からと・・・・・」
「心、折れていたわねぇ‥」
どんなダンジョンに挑んだのだろうか。ぽっけねこさんとグランプさんの目が、死んだ魚のようになったぞ。
どれだけ心が折られたのかは不明だが、ひとまずこのダンジョンに挑むのが今回の目的となりそうである。
鋼の大地と酸の海に覆われた特殊な惑星に存在するダンジョン‥‥‥未知の世界の探検のようでもありちょっとワクワクしてきたかもしれない。
こういう場所にしかないようなものもあるだろうと思いつつ、僕等は進むことにしたのであった…‥‥
「ところで、船ってここに止めていてよかったのかな?ここに挑みたい人が停まろうとして邪魔にならないかな?」
「あー大丈夫だと思うよ。このダンジョン、クエスト出現型らしいけれども、別のクエストで別の入り口があって、そっちからでも入れるらしいからね」
「ただそっちの場合は、より難易度が鬼になっているらしいがのぅ」
「繋がっているそうだけど、巻き添えになるようなことはないはずだぜぇ。こんな時に同時に挑みつつ、なおかつ鬼畜難易度の方に入り込み、こっちに合流するような阿呆がいなければの話だけどなだぜぇ」
「そんな偶然、この広い宇宙でそうそう巡り合うモノでもないわよねぇ」
「「「確かに」」」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,941
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる