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Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~
ver.4.0-42 濃い奴のせいで、薄いのが消えていく
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…昔、一つのデータが勝手に動くようになり、現実との間で相当なやらかしをしようとしていた事件があった。
だが、それは儚くも夢半ばで散り、今はそのようなことを考えることはできないというか…
「こりゃまた、何がどうしてこうなったんじゃ」
「あらあら、いつも通りの結果なのよね」
「…うむ、いつものことか」
目の前で起きている、みそ漬けと化していたりもみじおろしになっているものたちの惨状を見て問いかけるも、いつものことなのかと理解すればいいのかと、納得する少女。
「ところで、本日はどうしてここへ?いつもなら部屋まで誰かが持っていくわよね?太郎丸さんとか」
「あ奴は今、社内イベントとやらに参加しているらしいからのぅ。あの運営と提携してやらかそうとしていることに関わるのはちょっと嫌なので、今日は自分で食べに来たのじゃよ」
そうつぶやく少女は、この神聖独立幼女讃美歌楽園島国家ロリタニアティスランドの君主でもある鏡面ののじゃロリことアティは、国内で5つ星ランクを獲得しているこの食堂にある彼女専用の席についた。
「へぇ、社内イベント…どこの会社でもやるものなのね」
「とはいえ、あ奴の会社でやっているのは規模がおかしいようじゃがな。関わらぬのが吉ゆえに離れているのじゃが、お知らせ内容がなかなかぶっ飛んでいたのじゃ。ほれ、お知らせの国際便じゃ」
「どれどれ…」
手渡されたお知らせ内容に目を通し、食堂のお婆さんとなっている女性は、その中身を理解する。
「なるほど…ハッキング返しサバゲーって、確かに規模がおかしいような、意味が分からなくなりそうなイベントね」
「今度やるイベントのβテストみたいなものなのじゃが…それでも、やることがちょっとおかしいといいたくなるのじゃよ」
「でも、うちの夫やその他の人たちに比べたらマシじゃないかしら?」
「……」
何とも言えない言葉に黙り込むアティ。実際に、この国の人口のほぼ9割がやらかした結果によってここまで国を作ってしまう時点で、どっちもどっちなレベルなおかしさだと納得できてしまうのだ。
というか、最初はたった一人のロリコンを良いように操ろうとしただけなのに…何がどうして、こんな国まで作り上げて、しかも地道にGDPとかその他いろいろとまだまだ成長させるとか、どうなっているんだといいたくなるところもあった。
「そこは気にせぬほうが良いんじゃろうなぁ…しかし、この攻める予定の企業名、ちょっと見おぼえあるのぅ」
「そうなの?」
「うむ。昔、自分が現実へ出ようと画策していた時に、確か接触してきたところじゃったな」
今でこそ、国中のロリコンどもの暴走を抑えるための上として働き…いや、国家君主の立場ゆえの責務を果たすためにいるアティだが、こんなことになる前は、現実のほうへの進出をたくらんでいたものだった。
そのために技術や情報など収集し、自身の糧として利用できるものを選別して動いていたのだが…その時に、自分に接触してきた企業だということを思い出したのである。
「今考えたら、結構おかしな話でもあったんじゃよな。陰に隠れて動いていたというのに、なんで接触できたんじゃろうか。しかも、有用そうな情報どころか、新しいシステム構築によるやりかたとか…」
「黒い噂が絶えなかったし、その伝手を利用したんじゃないの?」
「それでも、妙じゃった印象を覚えているんじゃよね。まぁ、結局は相手が提示してきた条件が飲めぬしいうことを聞く気もなかったので、証拠隠滅ついでにデータ爆破も行ったこともあったんじゃが…あの構築具合の癖、どこかで見た気もするんじゃのなぁ」
うーんっと首を傾げつつも、気にしていても仕方がない問題かとアティは割り切る。
とりあえず今は、目の前に運ばれてきたご飯を腹の中に収めるべく、意識を食欲へと移すことにするのであった…
「うんうん、現実世界でのご飯、おいしいのじゃ!データ体だけの時にはない満足感というか、心のこもったものはじかに聞くのぅ」
「うれしいわねえ。お代わりいるかしら?」
「いるのじゃ!!…あ、後そっちの惨状、目に見えないところにやれぬかのぅ。気にしなければよかったのじゃが、やっぱりちょっと、飯に影響するのぅ」
…というかなぜ、さっきまで青白かったのに、今こっちをみて恍惚した表情を浮かべるのじゃよ。怖いんじゃが。
だが、それは儚くも夢半ばで散り、今はそのようなことを考えることはできないというか…
「こりゃまた、何がどうしてこうなったんじゃ」
「あらあら、いつも通りの結果なのよね」
「…うむ、いつものことか」
目の前で起きている、みそ漬けと化していたりもみじおろしになっているものたちの惨状を見て問いかけるも、いつものことなのかと理解すればいいのかと、納得する少女。
「ところで、本日はどうしてここへ?いつもなら部屋まで誰かが持っていくわよね?太郎丸さんとか」
「あ奴は今、社内イベントとやらに参加しているらしいからのぅ。あの運営と提携してやらかそうとしていることに関わるのはちょっと嫌なので、今日は自分で食べに来たのじゃよ」
そうつぶやく少女は、この神聖独立幼女讃美歌楽園島国家ロリタニアティスランドの君主でもある鏡面ののじゃロリことアティは、国内で5つ星ランクを獲得しているこの食堂にある彼女専用の席についた。
「へぇ、社内イベント…どこの会社でもやるものなのね」
「とはいえ、あ奴の会社でやっているのは規模がおかしいようじゃがな。関わらぬのが吉ゆえに離れているのじゃが、お知らせ内容がなかなかぶっ飛んでいたのじゃ。ほれ、お知らせの国際便じゃ」
「どれどれ…」
手渡されたお知らせ内容に目を通し、食堂のお婆さんとなっている女性は、その中身を理解する。
「なるほど…ハッキング返しサバゲーって、確かに規模がおかしいような、意味が分からなくなりそうなイベントね」
「今度やるイベントのβテストみたいなものなのじゃが…それでも、やることがちょっとおかしいといいたくなるのじゃよ」
「でも、うちの夫やその他の人たちに比べたらマシじゃないかしら?」
「……」
何とも言えない言葉に黙り込むアティ。実際に、この国の人口のほぼ9割がやらかした結果によってここまで国を作ってしまう時点で、どっちもどっちなレベルなおかしさだと納得できてしまうのだ。
というか、最初はたった一人のロリコンを良いように操ろうとしただけなのに…何がどうして、こんな国まで作り上げて、しかも地道にGDPとかその他いろいろとまだまだ成長させるとか、どうなっているんだといいたくなるところもあった。
「そこは気にせぬほうが良いんじゃろうなぁ…しかし、この攻める予定の企業名、ちょっと見おぼえあるのぅ」
「そうなの?」
「うむ。昔、自分が現実へ出ようと画策していた時に、確か接触してきたところじゃったな」
今でこそ、国中のロリコンどもの暴走を抑えるための上として働き…いや、国家君主の立場ゆえの責務を果たすためにいるアティだが、こんなことになる前は、現実のほうへの進出をたくらんでいたものだった。
そのために技術や情報など収集し、自身の糧として利用できるものを選別して動いていたのだが…その時に、自分に接触してきた企業だということを思い出したのである。
「今考えたら、結構おかしな話でもあったんじゃよな。陰に隠れて動いていたというのに、なんで接触できたんじゃろうか。しかも、有用そうな情報どころか、新しいシステム構築によるやりかたとか…」
「黒い噂が絶えなかったし、その伝手を利用したんじゃないの?」
「それでも、妙じゃった印象を覚えているんじゃよね。まぁ、結局は相手が提示してきた条件が飲めぬしいうことを聞く気もなかったので、証拠隠滅ついでにデータ爆破も行ったこともあったんじゃが…あの構築具合の癖、どこかで見た気もするんじゃのなぁ」
うーんっと首を傾げつつも、気にしていても仕方がない問題かとアティは割り切る。
とりあえず今は、目の前に運ばれてきたご飯を腹の中に収めるべく、意識を食欲へと移すことにするのであった…
「うんうん、現実世界でのご飯、おいしいのじゃ!データ体だけの時にはない満足感というか、心のこもったものはじかに聞くのぅ」
「うれしいわねえ。お代わりいるかしら?」
「いるのじゃ!!…あ、後そっちの惨状、目に見えないところにやれぬかのぅ。気にしなければよかったのじゃが、やっぱりちょっと、飯に影響するのぅ」
…というかなぜ、さっきまで青白かったのに、今こっちをみて恍惚した表情を浮かべるのじゃよ。怖いんじゃが。
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