アルケディア・オンライン ~のんびりしたいけど好奇心が勝ってしまうのです~

志位斗 茂家波

文字の大きさ
332 / 718
Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~

ver.4.2-119 同族ではないと言いたいのに

しおりを挟む
【ゲェェェェッェェン!!】

 巨体を震わせ、黒い炎を吐き出し始めるクイーン・シャドウフェニックス。
 嘴から解き放たれた炎は一直線に…

「炎というか、怪光線レベルになっているのが来たんだけど!?」
「ハル、危ない!!」

 火を吐き出すイメージとしては、普通はドラゴンのブレスや火炎放射器のようなものをイメージしていたというのに、このフェニックスの炎は一点集中狙いのように集束しており、僕のほうにめがけて解き放たれる。

「ひえっ!!」
ジュインッ!!

 ぎりぎりで回避が間に合い、少しだけかすりはしたが、直撃を避けることはできた。
 だが、それでも被害は軽微では済まない。

ボボボッ!!
「あっつううううううう!!」
「ハル!?えっと、今の攻撃は…シャドウフェニックスのシャドウファイヤーに近いやつかな?かすめても戦闘中に炎のダメージを継続して受け続ける燃焼状態になるみたいだけど」
「ファイヤーどころかレーザーでしょあれ!!しかも今、確認したら『地獄燃焼状態』ってなって、普通の燃焼よりもダメージ受ける幅が大きいんだけど!!」

 ただのフェニックスではなく、その群れのボスというべきクイーンの攻撃は、どうやらすべてがシャドウフェニックスの強化版と言っていいものになっているらしい。
 ボルナックさんから事前にもらっていた資料では、シャドウフェニックスのほうの情報が多いのだが、クイーンに関しては記述が少ないようで、山の管理人でもめったにお目にかかれないような相手だという可能性があるが、それでもその強さは他のシャドウフェニックスよりもけた違いにあるといっていいだろう。

【ゲェェェン!!!!】

 今の攻撃がかわされたことに怒ってういるのか、けたたましい雄たけびを上げながらクイーンが羽ばたき始める。
 あの丸々としたボディで飛べるのかと疑問に思ったが、次の瞬間足のあたりからすさまじい炎が噴き出し、ロケットのように上昇して…

ボボボボ、ボボボン!!
【ゲェェェェェン!!】
「方向を変えて、突進の推進力に切り替えてきたぁ!?」
「シャドウフェニックスの近接攻撃技!本当は影に潜り込んで攻撃してくるらしいからシャドウダイブって技名らしいけど、あれじゃ巨体を生かしただけの体当たり『シャドウストライク』ってところかな!?」

 なんにしても、あの巨体での体当たりはどう考えても不味いだろう。
 他のシャドウフェニックスならばともかく、クイーンはより丸々とした巨体ゆえに、それだけの重量が突進してくるのは脅威になりえる。

 だが、回避しようとする動きを読んでいるのか、クイーンは器用に足から噴射する炎の向きを開けて、またもや僕のほうに…

【ゲェェェェェェェエエエエエエエエ!!】
ドッガァァァァァン!!
「どわあああああああああ!!」

 体当たりをされた瞬間、ぶつかったところから爆発し、重量による重みと爆発のセットで吹っ飛ばされる。
 今のだけで体力の3分の一が消し飛ばされそうな勢いであり、何度も受けることはできないだろう。

【ゲェゲェゲェゲェェッェ!!】
「なんか溜めているうえに、また僕のほうを狙っているんだけど!!」
「なんでハルばっかり狙うの?そんなこと、させないよ!!」

 嘴を開けて奥底から光を溜め始めたクイーンの動きに隙があると思い、狙われていないミーちゃんが素早く動き出す。

「ビッグライトラットの歯で作った光の鍬で扱えるスキル!!『大地進撃光』!!」

 輝く鍬を取り出し、地面に叩きつければ、その刃先から地面にひびが入ってクイーンの足元まで一気に広がる。
 そしてすぐに、そのひび割れの奥から輝く光が見えて、下から一気に貫く。

ズバババァァン!!
【ゲェェンッ!?ゲゲェェェン!!】
「げっ、耐えきった!!」
「違う!!本当は出てくる光で吹っ飛ばすんだけど、クイーンが重すぎて動かせなかったみたい!!」
 
 想定以上にやばい敵というか、事前情報でシャドウフェニックスの名前だけあって、水や光の攻撃に関しては弱点のようなものだということは確認していたはずだが、どうも耐久力がけた違いにあるようで、今の攻撃はやすやすと耐えてしまったらしい。
 しかも攻撃を受けた状態でありながらも、狙いを変える様子はなくまたあのレーザーが撃ちだされそうになる。

 だが、流石に二度目となれば対処方法はある。

「相性最悪だが、実は氷の攻撃でもなんとか打ち消しに持っていけるってことは確認しているんだよ!!『雪兵召喚』大増量!!」
【【【ユキユッキイイイイイイイ!!】】】

 燃え上がるフィールド内での雪兵は正気じゃないと疑われそうだが、実はそうでもない。
 見た目的には明らかにちょっといるだけでもすぐに溶けて無に帰って攻撃を防ぐ盾にもならなさそうには見えるだろうが、ちょっとした絡繰りがある。

「雪兵特殊命令!!手に集まって来い!!」
【【【ユキユキイイイイイイイイ!!】】】

 手を広げて誘うと、雪兵たちがくるりとハルの元へ飛び掛かり、その手に集まっていく。
 兵士たちがまとまって合体していくたびに召喚が繰り返されて、短い間に合体が繰り返されて巨大な氷の拳が出来上がる。

【ゲェェェン!!】
「流石にレーザーにはならないけどこれだけの氷があればいけるはず!!『ギガント・コールドスマッシュ』!!」

 ドワウッ!!と吐き出されたレーザに向かって、巨大な氷の拳を叩きつければ、撃ちだされていたレーザーは拳にぶつかったところから拡散し、周囲へ飛び散って威力を落とす。

【ゲェェン!?】
「雪兵たちをなめるなよ!!こいつらはただの雪で作られたんじゃなくて、これでもれっきとしたモンスターのようで、特製の雪で作られているんだよ!!いざとなればマグマに浮かぶ氷の船にだって変形するほど、火への耐性があるやつも呼び出せるからな!!」

 火が効かない雪兵というよりも、効果があっても耐えきるだけのガッツがあるやつを呼び出しただけでもあったりする。
 一応、弱点なことは弱点らしいが、根性で溶けるのをこらえることができるようで、こうやって集合させるとより強固になることができるらしい。

 ただ、流石に限度もあるようで、防ぎ切ったのは良いけど半分以上熔解しちゃったので、何度もやるのは無理があるが…さて、どうしたものか。

 どういうわけか僕を全力で狙っている様子であり、目撃だけでも達成できるクエストなので逃亡したいところなのだが、ボスモンスター特有の結界があるせいでそれが不可能。
 だが、討伐の方向に動きたくとも今の戦力では心もとないところがある、今回、アリスやシアは動かせるが他のメンツはRMPで力を借りれるとはいえ、回復していないので戦闘ができない。

 そう考えると、逃亡も戦闘もどっちも厳しいが…それでも、可能性は0ではないだろう。

「そもそもこんな熱いフィールドに引きずり込んできているってことは、自分の戦場ならばより強化されますよって言っているようなものだし…ならばまず、ここからどうにかするか」
「どうするの、ハル?」
「こういう時は、場所を奪えばいいんだよ!!相手の巣に乗り込んできた時点で僕らのほうに非がないわけじゃないけど、それでもここまでケンカを売られても困るからね!!というわけで、より強い力で塗りつぶしてやるよ!!『黒き女神』のスキル発動!!」


ブーーーーーーーーーーーーーッ!!
「「へ?」」

…今、いつものように女神の姿に転じようとしたら、急にブザーが鳴り響いたような音が鳴った。
 何事かと思い、ログを確認してみると…
―――――
>スキル「黒き女神」が使用されました。
>レジスト!!アイギス火山内の判定のため、火の女神の神域に設定されています!!
>クイーン・シャドウフェニックスたちの信仰によって、より強靭なものになっており、他の女神の介入ができない特殊領域変化したことで、女神への転身が防がれました!!
―――――

「…嘘だろ!?」
「まさか、フェニックスたちが信仰しているから、防がれたの!?」
 
 どうやらそのようで、黒き女神のスキルを使用しようと動いても、女神の姿になることができない。
 どうも、かなり強烈な信者でありつつその神域になっているためか、双方の作用によって他の神々が介入できない場所になっており、黒き女神も例外ではなかったようだ。

―――――
>この特殊領域内で、女神の姿に転じることは不可能となります。
>相手側の信仰心を凌駕するほどの信者がこの領域内に入ることがあれば、覆せます。
―――――

「信仰心って…いや、まず信者自体いないと思うんだけど?」
「あ、でもハル。ネットでこの間調べてみたけど、どうも生まれているみたいだよ?黒き女神教ってのあるって」
「あるの!?」

 人の知らないところで、勝手にそんなものができているとは思わなかったが、それでもだめらしい。
 別の場所で大量の信者が祈っても意味がないようで、この領域内ではその神の信者の様な人がより強い信仰心で直接祈ることがなければ、どうにもならないようだ。

「いたらそれはそれで最悪なんだけど!!できるだけ他の人にはバレないようにしているし、知っている人もそんなにいないんだけど!!」
「だったら、ここじゃ黒き女神の力を使って、対抗できないね」
【ゲェェェン!!】

 ギラギラとした目でこちらに向きなおり、怒りの声を上げてまだまだやる気のクイーンフェニックス。
 心なしか僕らのやることが分かっていたようで、女神に転身できない状態をあざ笑うかのような顔を浮かべているようにも見えてくる。

「とりあえず、今やれるのはできるだけ相手の弱点属性と言える攻撃を、何とかぶつけていくしかないけど…ミーちゃん、勝利見込めそうかな?」
「うーん…流石に、無理かも?」

 女神の力が仕えない現状、できるだけ相手に通じるような攻撃しかないだろう。
 けれども、相手は相当な耐久力を持っているようで、一筋縄ではいかないだろうし…これ、全滅する可能性が高いのではなかろうか。

 ここ最近は味わうことがなかった全滅の可能性を前に、僕らは久しぶりに冷や汗をかいたような気がするのであった…

「水コンボ、液状なら毒液とかあるけど…ミーちゃんは?」
「さっきの光の鍬の攻撃と、井戸を掘る際に水脈をあてて噴出させる水の鍬と、神々しく輝くダイヤの鍬の攻撃とかなら何とか…」

…ダイヤって燃えなかったっけ。この場所で出したら不味そうなんだけど。




しおりを挟む
感想 3,603

あなたにおすすめの小説

薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜

仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。 森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。 その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。 これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語 今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ! 競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。 まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。

(更新終了) 採集家少女は採集家の地位を向上させたい ~公開予定のない無双動画でバズりましたが、好都合なのでこのまま配信を続けます~

にがりの少なかった豆腐
ファンタジー
突然世界中にダンジョンが現れた。 人々はその存在に恐怖を覚えながらも、その未知なる存在に夢を馳せた。 それからおよそ20年。 ダンジョンという存在は完全にとは言わないものの、早い速度で世界に馴染んでいった。 ダンジョンに関する法律が生まれ、企業が生まれ、ダンジョンを探索することを生業にする者も多く生まれた。 そんな中、ダンジョンの中で獲れる素材を集めることを生業として生活する少女の存在があった。 ダンジョンにかかわる職業の中で花形なのは探求者(シーカー)。ダンジョンの最奥を目指し、日々ダンジョンに住まうモンスターと戦いを繰り広げている存在だ。 次点は、技術者(メイカー)。ダンジョンから持ち出された素材を使い、新たな道具や生活に使える便利なものを作り出す存在。 そして一番目立たない存在である、採集者(コレクター)。 ダンジョンに存在する素材を拾い集め、時にはモンスターから採取する存在。正直、見た目が地味で功績としても目立たない存在のため、あまり日の目を見ない。しかし、ダンジョン探索には欠かせない縁の下の力持ち的存在。 採集者はなくてはならない存在ではある。しかし、探求者のように表立てって輝かしい功績が生まれるのは珍しく、技術者のように人々に影響のある仕事でもない。そんな採集者はあまりいいイメージを持たれることはなかった。 しかし、少女はそんな状況を不満に思いつつも、己の気の赴くままにダンジョンの素材を集め続ける。 そんな感じで活動していた少女だったが、ギルドからの依頼で不穏な動きをしている探求者とダンジョンに潜ることに。 そして何かあったときに証拠になるように事前に非公開設定でこっそりと動画を撮り始めて。 しかし、その配信をする際に設定を失敗していて、通常公開になっていた。 そんなこともつゆ知らず、悪質探求者たちにモンスターを擦り付けられてしまう。 本来であれば絶望的な状況なのだが、少女は動揺することもあせるようなこともなく迫りくるモンスターと対峙した。 そうして始まった少女による蹂躙劇。 明らかに見た目の年齢に見合わない解体技術に阿鼻叫喚のコメントと、ただの作り物だと断定しアンチ化したコメント、純粋に好意的なコメントであふれかえる配信画面。 こうして少女によって、世間の採取家の認識が塗り替えられていく、ような、ないような…… ※カクヨムにて先行公開しています。

つまみ食いしたら死にそうになりました なぜか王族と親密に…毒を食べただけですけど

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
私は貧しい家に生まれた お母さんが作ってくれたパイを始めて食べて食の楽しさを知った メイドとして働くことになれて少しすると美味しそうなパイが出される 王妃様への食事だと分かっていても食べたかった そんなパイに手を出したが最後、私は王族に気に入られるようになってしまった 私はつまみ食いしただけなんですけど…

【完結】国外追放の王女様と辺境開拓。王女様は落ちぶれた国王様から国を買うそうです。異世界転移したらキモデブ!?激ヤセからハーレム生活!

花咲一樹
ファンタジー
【錬聖スキルで美少女達と辺境開拓国造り。地面を掘ったら凄い物が出てきたよ!国外追放された王女様は、落ちぶれた国王様゛から国を買うそうです】 《異世界転移.キモデブ.激ヤセ.モテモテハーレムからの辺境建国物語》  天野川冬馬は、階段から落ちて異世界の若者と魂の交換転移をしてしまった。冬馬が目覚めると、そこは異世界の学院。そしてキモデブの体になっていた。  キモデブことリオン(冬馬)は婚活の神様の天啓で三人の美少女が婚約者になった。  一方、キモデブの婚約者となった王女ルミアーナ。国王である兄から婚約破棄を言い渡されるが、それを断り国外追放となってしまう。  キモデブのリオン、国外追放王女のルミアーナ、義妹のシルフィ、無双少女のクスノハの四人に、神様から降ったクエストは辺境の森の開拓だった。  辺境の森でのんびりとスローライフと思いきや、ルミアーナには大きな野望があった。  辺境の森の小さな家から始まる秘密国家。  国王の悪政により借金まみれで、沈みかけている母国。  リオンとルミアーナは母国を救う事が出来るのか。 ※激しいバトルは有りませんので、ご注意下さい カクヨムにてフォローワー2500人越えの人気作    

異世界に移住することになったので、異世界のルールについて学ぶことになりました!

心太黒蜜きな粉味
ファンタジー
※完結しました。感想をいただけると、今後の励みになります。よろしくお願いします。 これは、今まで暮らしていた世界とはかなり異なる世界に移住することになった僕の話である。 ようやく再就職できた会社をクビになった僕は、不気味な影に取り憑かれ、異世界へと運ばれる。 気がつくと、空を飛んで、口から火を吐いていた! これは?ドラゴン? 僕はドラゴンだったのか?! 自分がドラゴンの先祖返りであると知った僕は、超絶美少女の王様に「もうヒトではないからな!異世界に移住するしかない!」と告げられる。 しかも、この世界では衣食住が保障されていて、お金や結婚、戦争も無いというのだ。なんて良い世界なんだ!と思ったのに、大いなる呪いがあるって? この世界のちょっと特殊なルールを学びながら、僕は呪いを解くため7つの国を巡ることになる。 ※派手なバトルやグロい表現はありません。 ※25話から1話2000文字程度で基本毎日更新しています。 ※なろうでも公開しています。

【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました

鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。 だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。 チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。 2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。 そこから怒涛の快進撃で最強になりました。 鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。 ※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。 その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。 ─────── 自筆です。 アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞

墓守の荷物持ち 遺体を回収したら世界が変わりました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアレア・バリスタ ポーターとしてパーティーメンバーと一緒にダンジョンに潜っていた いつも通りの階層まで潜るといつもとは違う魔物とあってしまう その魔物は僕らでは勝てない魔物、逃げるために必死に走った だけど仲間に裏切られてしまった 生き残るのに必死なのはわかるけど、僕をおとりにするなんてひどい そんな僕は何とか生き残ってあることに気づくこととなりました

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』 電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。 龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。 そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。 盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。 当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。 今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。 ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。 ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ 「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」 全員の目と口が弧を描いたのが見えた。 一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。 作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌() 15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

処理中です...