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Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~
ver.4.3-174 解決策は、ほんのりと
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「---ふわぁ…あれ、ここは…」
ごしごしと眠い目を擦りつつ、目を開けると、そこはいつもの寝室だった。
頭がまだぼうっとしているのだが…いや、だんだんとはっきり思い出してきた。
「確か、あのグールによって生き埋めになりかけて…あれ、それで、どうなっているんだこれ…?」
全てが夢だったというのだろうか。そう思えるほど、あの状況から変わり過ぎている。
襲われたのは間違いなくはずだが…何の怪我も汚れもない。
「そうだ、ミーちゃん!!ミーちゃんは無事か!?」
慌ててベッドから飛び跳ねて、部屋の外へ飛び出す。
夢落ちだと信じられないが、真祖である彼女もま生き埋めになりかけた身。
何をどうしてここにいるのか理解できないが、そんなことよりも彼女の身を一番に案じて駆け出す。
…まぁ、家に戻ってきているのであれば、何事もない可能性が大きいだろう。
それでも不安を抱えながら、ミーちゃんが寝ているはずの部屋に飛び込んでみれば…
「ミーちゃん、無…あ」
「へ」
…何かしらの方法で助けてくれて、家にまで帰らせてくれたのかもしれないが、あの状況で無傷で済むわけがない。
なので、大怪我をしている可能性も覚悟していたのだが、幸いなことに彼女の体に怪我をしている様子は見られなかった…というか…タイミングはある意味最悪だった。
「…ねぇ、春。一ついいかな?」
「な、な、ナンデショウカ」
「私だって、女の子で…部屋に入るには、ノックは欲しいんだよ」
「は、ハイ」
やらかした。
この一言に尽きるだろう。
見逃してくれる可能性に賭けたかったのだが…震え上がらせるような恐ろしい気配に、思わず片言喋りになるのだが、どうやら運命はどうあがいても変えることはできないらしい。
「だからね…一発、殴らせて!!」
「いや本当にごめんごめん着替えしているとか全然知らなくてしかもタイミング的に合うなんてこれっぽちもかんがえていなくて、それで、そのそのその」
「一昔前のラブコメ主人公のようにごまかすなぁぁぁぁぁっ!!」
メッゴォォォォォォォォォォス!!
「ぎゃあああああああああああああああああああ!!」
「…まったく、何をしているのですカ、主様は。二人とも怪我されていたので、治療したので傷を無くしたばかりだというのに、傷を新しく増やしてどうするのでしょうカ」
「本当に面目ない…」
「まったくもう、春はなんでこういう時に限って…」
ぺたぺたと傷薬を塗られつつ、僕は事情を聴いていた。
ミーちゃん曰く、どうやらあの地下空間の崩壊のあと、どうにかして僕らは助かったらしい。
何かしらの方法を使ったようで、詳しいことは省かれたが、命を落とさずに済んだようだ」
「それで、あのグールは滅ぼされたのか?吸血界隈の人が討伐したっていうけどさ」
「そうだよ。おかげで今後はオデールに警戒しなくて済むようになったのさ」
禁忌指定されているレベルで相当強かったはずのグールだが、討伐のために招集された人たちが間に合ったそうで、どこかへ向かって暴れだす前にこの世から消滅させたらしい。
元に戻すとかはできず、完全消滅という形で処理されたそうだが…それならそれで、問題はないだろう。
何か気になるが…嘘をつく意味もないだろうし、倒せる人が集まってやってくれたのであれば、どうにかなったのは間違いない。
おかげで今日からはオデールの襲撃に警戒することなく、表立って堂々と世間を出歩けるだろう。
いや、別に犯罪を犯したからで歩けなくなったとかじゃなくて、襲撃を警戒してできるだけ警戒していたってことだけど…何にしても、脅威がなくなったのであれば、ありがたいことだ。
「それならよかったかな。あ、そうなると今後の送り迎えはなくなるか‥そもそも、サイドカー自体もぶっ壊れちゃったしね」
「ちょっと、気に入っていたんだけどね…一応、直せないかアレも持って帰ってきたんだけど」
「流石に無理ですネ。掘り起こして持ってこられたのはよかったのですが、いくら私でも欠損がひどすぎるものは厳しいのデス」
哀れ、サイドカー。今回の犠牲がこれだけにとどまってよかったのかもしれないが、通勤に使用していた分、少々愛着がわいていたところだから残念に思える。
今後はミーちゃんに送迎の負担をかけなくて済むのは良いのだが、それでもちょっと寂しいだろう。
とりあえず、今後はオデールの襲撃は確実になくなり、再び平穏な日々が戻ってくるのは間違いないようであった…
「ところでロロ、まだ塗るの?」
「まだ必要デス。主様の顔面、ただいま潰れたアンパン状態デス。痛みを抑える薬を塗ったので平然とできますが、治療が済むまでおとなしくしてくだサイ」
「本当にどういう状態…鏡で見たいけど、怖いな…」
…話の場を終え、実はまだ朝まで少し時間があるということで、春は二度寝のために寝室へ向かった。
ドタバタしたからこそ、有休をとることにして、手続きはロロに任せてベッドに向かって部屋から出て行ったところで、ロロはミントのほうに向きなおる。
「…それで、本当に良いのですネ?主様が、女神の姿を顕現させて、解決したことを黙ってイテ」
「うん。こっちのほうがまだ自然な感じで隠せるけど…まだ春には、知らせるには早いと思うんだ」
何が起きていたのか、ミントはロロに話しており、黙ってもらうことにしていた。
春が女神の姿になって、全てを解決してしまったのだが…そんなこと、彼にはまだ話すことはできないだろう。
「…女神の姿になるフィギュアや、オンラインの世界でも散々なってきただろうけれども…流石に現実の世界で、自身の肉体が思いっきり女神になった事実は精神的な衝撃が強すぎるだろうからね。リアルTSは流石に、受け入れいにくいと思うからね…」
「話を聞くだけでしたので、本当なのか半信半疑でもありましたが…情報が使用人特殊ネットワークを通じて確認できましたからネ。他プレイヤーには守秘義務によってバレていないですが、女神の発生源がそもそもオンラインの世界だからこそ、運営側は把握しているようデス」
精神衛生面を考慮して秘密にしたが、どうやら運営会社のほうは把握しているようである。
そもそも、女神の誕生自体がアルケディア・オンラインの中なので、ある程度の情報を確認されていてもおかしくはなかったが…それでも、情報の把握するまでの速さが早い。
「…ある程度の女神になった原因に関しての事情は、本人…本神?から聞いているけど…運営のほうも、何か企んでいるとかないよね?」
黙っているようにお願いもしたが、彼女は使用人の立場。
春の使用人であるから命令権は彼のほうにあるのだが、もとをただせばオンラインを運営している会社から作られた存在であり、万が一という可能性もある。
ミントは少し髪を赤くして警戒しつつ、ロロを睨む。
あえて春をこの場から下がらせて、万が一に備えて動けるようにするが…しばし見てから、相手に敵意がないことを感じ取り、すぐに元の状態に戻った。
「企んでいないデス。そういう命令があれば、受けそうですが…少なくとも今はまだ、動かれないようデス。それに…」
…運営会社に作られた存在であり、いざという時の強制命令権は確かに上の方にあるのだろう。
表向きの主は春にあるが、動かされる可能性は否定できない。
けれども、それはあくまでも通常の使用人であればの話だ。
「…幸いなことに、主様が女神になられたということが、影響したのでしょウ。マリーやリンたち同様に…眷属化、自己改造は済ませてありマス。万が一のことがあっても、こちらから最大限主様のために、動けますネ」
「操られたりする心配はないってことか…それなら良かったかな」
どういう動きをされるのであれ、春にとって害にならないのであれば良い。
むしろ、お互いに大事だと思えるのであれば協力し合えるだろう。
「それなら、しばらくは大丈夫かな…それなら私も、二度寝しようかなぁ」
「おや、寝られるのですカ」
「うん、色々あって疲れたからね…頭を休めたくってさ」
「そうですカ。てっきり、まだ主様ではないけど主様な肉体にキスされた衝撃で、興奮されて盛って眠れないまま過ごすのかと思ってましたからネ」
「いや、流石にシャワーも浴びて頭が冷えて…ちょっとまって、私、そこまで話をしていないよね!?春が女神になって化け物を倒した部分は行ったけど、そこはまだなんだけど!?」
「それなのですが…あの、非常に言いにくい残酷な話ですが…先ほど、情報を共有した際に、確認できまして…プレイヤーの方々には伝えられませんが…ネットにつながっている全使用人はすでに確認されたかト…」
「…ひ、ひっぎゃああああああああああああああああ!?何で隠したい方は隠せたけど、私の方の情報が出回っているのぉぉぉ!!」
「さらに言えば、全使用人ということで、つまり全世界に出回ってマス」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
…悲しいかな。秘密にしたい相手からは、守り通すことはできただろう。
だがしかし、その代償というべきものを支払わされて、ある意味ネットの恐ろしさをミントは身をもって思い知る羽目になるのであった…
「外堀埋めるような形になるのは別に良いけど、それとこれとは普通に羞恥映像が全世界に出回るって最悪だぁぁぁぁ!!」
「さらにいえば、ネットに出回った情報は消えにくいですからね…」
「トドメを刺さないでぇ!!」
ごしごしと眠い目を擦りつつ、目を開けると、そこはいつもの寝室だった。
頭がまだぼうっとしているのだが…いや、だんだんとはっきり思い出してきた。
「確か、あのグールによって生き埋めになりかけて…あれ、それで、どうなっているんだこれ…?」
全てが夢だったというのだろうか。そう思えるほど、あの状況から変わり過ぎている。
襲われたのは間違いなくはずだが…何の怪我も汚れもない。
「そうだ、ミーちゃん!!ミーちゃんは無事か!?」
慌ててベッドから飛び跳ねて、部屋の外へ飛び出す。
夢落ちだと信じられないが、真祖である彼女もま生き埋めになりかけた身。
何をどうしてここにいるのか理解できないが、そんなことよりも彼女の身を一番に案じて駆け出す。
…まぁ、家に戻ってきているのであれば、何事もない可能性が大きいだろう。
それでも不安を抱えながら、ミーちゃんが寝ているはずの部屋に飛び込んでみれば…
「ミーちゃん、無…あ」
「へ」
…何かしらの方法で助けてくれて、家にまで帰らせてくれたのかもしれないが、あの状況で無傷で済むわけがない。
なので、大怪我をしている可能性も覚悟していたのだが、幸いなことに彼女の体に怪我をしている様子は見られなかった…というか…タイミングはある意味最悪だった。
「…ねぇ、春。一ついいかな?」
「な、な、ナンデショウカ」
「私だって、女の子で…部屋に入るには、ノックは欲しいんだよ」
「は、ハイ」
やらかした。
この一言に尽きるだろう。
見逃してくれる可能性に賭けたかったのだが…震え上がらせるような恐ろしい気配に、思わず片言喋りになるのだが、どうやら運命はどうあがいても変えることはできないらしい。
「だからね…一発、殴らせて!!」
「いや本当にごめんごめん着替えしているとか全然知らなくてしかもタイミング的に合うなんてこれっぽちもかんがえていなくて、それで、そのそのその」
「一昔前のラブコメ主人公のようにごまかすなぁぁぁぁぁっ!!」
メッゴォォォォォォォォォォス!!
「ぎゃあああああああああああああああああああ!!」
「…まったく、何をしているのですカ、主様は。二人とも怪我されていたので、治療したので傷を無くしたばかりだというのに、傷を新しく増やしてどうするのでしょうカ」
「本当に面目ない…」
「まったくもう、春はなんでこういう時に限って…」
ぺたぺたと傷薬を塗られつつ、僕は事情を聴いていた。
ミーちゃん曰く、どうやらあの地下空間の崩壊のあと、どうにかして僕らは助かったらしい。
何かしらの方法を使ったようで、詳しいことは省かれたが、命を落とさずに済んだようだ」
「それで、あのグールは滅ぼされたのか?吸血界隈の人が討伐したっていうけどさ」
「そうだよ。おかげで今後はオデールに警戒しなくて済むようになったのさ」
禁忌指定されているレベルで相当強かったはずのグールだが、討伐のために招集された人たちが間に合ったそうで、どこかへ向かって暴れだす前にこの世から消滅させたらしい。
元に戻すとかはできず、完全消滅という形で処理されたそうだが…それならそれで、問題はないだろう。
何か気になるが…嘘をつく意味もないだろうし、倒せる人が集まってやってくれたのであれば、どうにかなったのは間違いない。
おかげで今日からはオデールの襲撃に警戒することなく、表立って堂々と世間を出歩けるだろう。
いや、別に犯罪を犯したからで歩けなくなったとかじゃなくて、襲撃を警戒してできるだけ警戒していたってことだけど…何にしても、脅威がなくなったのであれば、ありがたいことだ。
「それならよかったかな。あ、そうなると今後の送り迎えはなくなるか‥そもそも、サイドカー自体もぶっ壊れちゃったしね」
「ちょっと、気に入っていたんだけどね…一応、直せないかアレも持って帰ってきたんだけど」
「流石に無理ですネ。掘り起こして持ってこられたのはよかったのですが、いくら私でも欠損がひどすぎるものは厳しいのデス」
哀れ、サイドカー。今回の犠牲がこれだけにとどまってよかったのかもしれないが、通勤に使用していた分、少々愛着がわいていたところだから残念に思える。
今後はミーちゃんに送迎の負担をかけなくて済むのは良いのだが、それでもちょっと寂しいだろう。
とりあえず、今後はオデールの襲撃は確実になくなり、再び平穏な日々が戻ってくるのは間違いないようであった…
「ところでロロ、まだ塗るの?」
「まだ必要デス。主様の顔面、ただいま潰れたアンパン状態デス。痛みを抑える薬を塗ったので平然とできますが、治療が済むまでおとなしくしてくだサイ」
「本当にどういう状態…鏡で見たいけど、怖いな…」
…話の場を終え、実はまだ朝まで少し時間があるということで、春は二度寝のために寝室へ向かった。
ドタバタしたからこそ、有休をとることにして、手続きはロロに任せてベッドに向かって部屋から出て行ったところで、ロロはミントのほうに向きなおる。
「…それで、本当に良いのですネ?主様が、女神の姿を顕現させて、解決したことを黙ってイテ」
「うん。こっちのほうがまだ自然な感じで隠せるけど…まだ春には、知らせるには早いと思うんだ」
何が起きていたのか、ミントはロロに話しており、黙ってもらうことにしていた。
春が女神の姿になって、全てを解決してしまったのだが…そんなこと、彼にはまだ話すことはできないだろう。
「…女神の姿になるフィギュアや、オンラインの世界でも散々なってきただろうけれども…流石に現実の世界で、自身の肉体が思いっきり女神になった事実は精神的な衝撃が強すぎるだろうからね。リアルTSは流石に、受け入れいにくいと思うからね…」
「話を聞くだけでしたので、本当なのか半信半疑でもありましたが…情報が使用人特殊ネットワークを通じて確認できましたからネ。他プレイヤーには守秘義務によってバレていないですが、女神の発生源がそもそもオンラインの世界だからこそ、運営側は把握しているようデス」
精神衛生面を考慮して秘密にしたが、どうやら運営会社のほうは把握しているようである。
そもそも、女神の誕生自体がアルケディア・オンラインの中なので、ある程度の情報を確認されていてもおかしくはなかったが…それでも、情報の把握するまでの速さが早い。
「…ある程度の女神になった原因に関しての事情は、本人…本神?から聞いているけど…運営のほうも、何か企んでいるとかないよね?」
黙っているようにお願いもしたが、彼女は使用人の立場。
春の使用人であるから命令権は彼のほうにあるのだが、もとをただせばオンラインを運営している会社から作られた存在であり、万が一という可能性もある。
ミントは少し髪を赤くして警戒しつつ、ロロを睨む。
あえて春をこの場から下がらせて、万が一に備えて動けるようにするが…しばし見てから、相手に敵意がないことを感じ取り、すぐに元の状態に戻った。
「企んでいないデス。そういう命令があれば、受けそうですが…少なくとも今はまだ、動かれないようデス。それに…」
…運営会社に作られた存在であり、いざという時の強制命令権は確かに上の方にあるのだろう。
表向きの主は春にあるが、動かされる可能性は否定できない。
けれども、それはあくまでも通常の使用人であればの話だ。
「…幸いなことに、主様が女神になられたということが、影響したのでしょウ。マリーやリンたち同様に…眷属化、自己改造は済ませてありマス。万が一のことがあっても、こちらから最大限主様のために、動けますネ」
「操られたりする心配はないってことか…それなら良かったかな」
どういう動きをされるのであれ、春にとって害にならないのであれば良い。
むしろ、お互いに大事だと思えるのであれば協力し合えるだろう。
「それなら、しばらくは大丈夫かな…それなら私も、二度寝しようかなぁ」
「おや、寝られるのですカ」
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「そうですカ。てっきり、まだ主様ではないけど主様な肉体にキスされた衝撃で、興奮されて盛って眠れないまま過ごすのかと思ってましたからネ」
「いや、流石にシャワーも浴びて頭が冷えて…ちょっとまって、私、そこまで話をしていないよね!?春が女神になって化け物を倒した部分は行ったけど、そこはまだなんだけど!?」
「それなのですが…あの、非常に言いにくい残酷な話ですが…先ほど、情報を共有した際に、確認できまして…プレイヤーの方々には伝えられませんが…ネットにつながっている全使用人はすでに確認されたかト…」
「…ひ、ひっぎゃああああああああああああああああ!?何で隠したい方は隠せたけど、私の方の情報が出回っているのぉぉぉ!!」
「さらに言えば、全使用人ということで、つまり全世界に出回ってマス」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
…悲しいかな。秘密にしたい相手からは、守り通すことはできただろう。
だがしかし、その代償というべきものを支払わされて、ある意味ネットの恐ろしさをミントは身をもって思い知る羽目になるのであった…
「外堀埋めるような形になるのは別に良いけど、それとこれとは普通に羞恥映像が全世界に出回るって最悪だぁぁぁぁ!!」
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