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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.0-17 境目は時としてあいまいに
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…かつて、妖精女王が宇宙人と結婚し、その結婚旅行の最中に我が家の前に訪れたことがあった。
こうして字面に直してみるとツッコミどころしかないし、たまにネットの海で目撃情報が出たりするようだが…まぁ、それはそれとして、ゲームの中のものが現実に出てきた前例がないわけではなかった。
考えてみれば、モンスタードールや女神フィギュア、使用人のように現実の方へゲームの中のものを媒体を介して出てくる例もあるからこそ、出てきてもおかしくはないだろう。
「だけど、新たな事例として眷属がひょこっと突然出てくるって言うのはどういうことなのやら…ロロ、運営側に問い合わせることが出来たか?」
【ンー…主様、まだお待ちヲ。連絡はとれたのですが、運営側の方でも状況把握作業中のようで、滅茶苦茶大慌てで対応しているようデス】
【ソンナニ騒グコトナノカ?主ノソバニ眷属ガ待機シテイルノハ自然ナコトダゼ?】
「いや、その理屈はあっているのかもしれないけど、何の媒体もなしに現実世界に出てきていることがおかしいからね?」
「ドールやフィギュア無しに、突然出てくるって本当におかしなことなんだよ?」
流石に人目に付くのは不味いと思い、家の中に眷属ことカイニスを入れて、ロロを介してアルケディア・オンラインの運営会社に対して問い合わせを行っているが、はっきりとした回答が得られていない。
妖精女王+宇宙人の一件で、オンライン内の生き物が現実世界に出てくる事例は確かにあるのだが、アレはアレで別の特殊な方法が存在しており、今回の件とは関係がないはず。
それなのに何をどうしてか、眷属にしたばかりの黒色夜叉のカイニスが現実世界に出てきているのはどういうことなのか、運営の本社が近くにあれば突撃してでも問い詰めたい話である、
【オレトシテハ問題ナイノニナー】
「そういわれても、現実の世界だと問題しかないよ」
のんきというか堂々としているというか、この眷属肝っ玉がしっかりあるかもしれない。
「なんというか、これはこれで春の…黒き女神の眷属としては間違ってもない様な気もするけどね。無茶苦茶さとか、突拍子もない感じとか、マイペースさとか…」
「ちょっと待ってミーちゃん。ミーちゃんの中で、僕の、黒き女神のイメージってどうなっているの」
「今言ったとおりの感じ。滅茶苦茶すぎるし、盛大にやらかすって考えたら…あれ?そう考えると黒き女神の眷属のカイニスが突然現実世界に出てきても、おかしくはないのかも?」
「いやいやいや、十分おかしいからね?」
そのイメージで納得できる自分もいるが、そんな理由だと思いたくない。
それだったら、その眷属のもとになっている黒き女神そのものが色々とおかしいと言われているようなもので…
「…あれ、否定できないって感じが…何だろう、この複雑な感情」
自分が黒き女神の力を色々と理解しているからこそ、何とも言い難い気持ちになる。
そっか、それなら確かに…いや、納得したくはないな、こんな理由で。
【…主様、残念なお知らせですが、その可能性が高いようデス】
「え」
悶々と考えこんでいたところで、急にロロがそう口を開いた。
どうやら運営側のほうで原因が判明したらしいが…黒き女神が、原因なのか?
かくかくしかじかと話を確認いたところ、直接的ではないが、間接的に黒き女神の力が関わっているということが判明した。
普通、アルケディア・オンラインの世界にあるものは特例を除き、何かしらの憑依媒体が必要となるらしい。
テイムモンスターならドール、プレイヤーのスキルによる変身は制限付きとはいえフィギュアなどのように、何かしらのものを介して出ないといけないようだ。
だが、物事には何事も例外というものがあり…いくつかの例外の中で、その一つが今回の件に該当してしまったようだ。
【黒き女神を構成するプログラムの一部が、現実世界に顕現しやすいようになっている部分があるらしいのデス。フィギュアで出したりする際に、見た目は小さくとも力がオンラインの世界と大差ないようになるのはそれが原因のようですが…眷属に、その一部のプログラムが組み込まれていたようデス】
神のスキルを持つ者に対する眷属には、眷属化されたときに、構成プログラムの一部がコピーされて組み込まれているらしい。
それゆえに、眷属らしくもととなった相手に似た部分が出るようになっているようだが…寄りにもよってカイニスは、その顕現しやすくなる部分がコピーされていたそうだ。
さらに言えば、まだ眷属になって日が浅いせいなのか、構成事態に不安定な部分があり、眷属はその主の周囲に待機するようにとも組み込まれているなどの要因が重なりまくり…様々なものが積み重なってしまった結果、この現実世界の近くで顕現してしまったということのようだ。
なお、この現象自体は本当に奇跡的に近いものらしく、そんなホイホイ起きるようなことではない。
あるかもしれないなという可能性はあったが、確率自体が相当低かったようで…例えるならば、宝くじに続けて当たりまくるようなものレベルで、見ること自体が本当に奇跡的なもののようだ。
【運営側からもアクセスし、確認したようですが…その奇跡的な要因の積み重ねによるものなので、数日以内にはオンラインへすぐに戻るようデス。ただ、今すぐには流石に難しいとのことデス】
「なるほど…奇跡的なものか。確かに、眷属がホイホイ現実に気軽に出てきたら、それこそやばそうだしなぁ」
というか、そんな奇跡が重なるならいっそ宝くじが本当に当たってくれればよかったのに。
宝くじ連勝なんて、そんなことやったことないぞ…そっちのほうが良かったなぁ。
とにもかくにも、原因は分かったし、そう長く続くものではない。
原因不明のままで何も解決しない状態で済むことなく、ほっと安堵の息を吐くのであった…
「いや、春。数日で解決するってことでほっとしているけど、問題としてはこの子そのままこの家にいるってことは変わっていないからね?」
「あ」
【…問題ナノカ?】
…感覚として、これで解決したと思っていたのが間違いだった。
うん、ここ最近ドタバタしすぎていて、普通部分がおかしいかもしれない…もしやこれが、奇妙奇天烈摩訶不思議惑星での常識破壊による後遺症とかなのか…!?
【絶対に違うと断言できマス】
こうして字面に直してみるとツッコミどころしかないし、たまにネットの海で目撃情報が出たりするようだが…まぁ、それはそれとして、ゲームの中のものが現実に出てきた前例がないわけではなかった。
考えてみれば、モンスタードールや女神フィギュア、使用人のように現実の方へゲームの中のものを媒体を介して出てくる例もあるからこそ、出てきてもおかしくはないだろう。
「だけど、新たな事例として眷属がひょこっと突然出てくるって言うのはどういうことなのやら…ロロ、運営側に問い合わせることが出来たか?」
【ンー…主様、まだお待ちヲ。連絡はとれたのですが、運営側の方でも状況把握作業中のようで、滅茶苦茶大慌てで対応しているようデス】
【ソンナニ騒グコトナノカ?主ノソバニ眷属ガ待機シテイルノハ自然ナコトダゼ?】
「いや、その理屈はあっているのかもしれないけど、何の媒体もなしに現実世界に出てきていることがおかしいからね?」
「ドールやフィギュア無しに、突然出てくるって本当におかしなことなんだよ?」
流石に人目に付くのは不味いと思い、家の中に眷属ことカイニスを入れて、ロロを介してアルケディア・オンラインの運営会社に対して問い合わせを行っているが、はっきりとした回答が得られていない。
妖精女王+宇宙人の一件で、オンライン内の生き物が現実世界に出てくる事例は確かにあるのだが、アレはアレで別の特殊な方法が存在しており、今回の件とは関係がないはず。
それなのに何をどうしてか、眷属にしたばかりの黒色夜叉のカイニスが現実世界に出てきているのはどういうことなのか、運営の本社が近くにあれば突撃してでも問い詰めたい話である、
【オレトシテハ問題ナイノニナー】
「そういわれても、現実の世界だと問題しかないよ」
のんきというか堂々としているというか、この眷属肝っ玉がしっかりあるかもしれない。
「なんというか、これはこれで春の…黒き女神の眷属としては間違ってもない様な気もするけどね。無茶苦茶さとか、突拍子もない感じとか、マイペースさとか…」
「ちょっと待ってミーちゃん。ミーちゃんの中で、僕の、黒き女神のイメージってどうなっているの」
「今言ったとおりの感じ。滅茶苦茶すぎるし、盛大にやらかすって考えたら…あれ?そう考えると黒き女神の眷属のカイニスが突然現実世界に出てきても、おかしくはないのかも?」
「いやいやいや、十分おかしいからね?」
そのイメージで納得できる自分もいるが、そんな理由だと思いたくない。
それだったら、その眷属のもとになっている黒き女神そのものが色々とおかしいと言われているようなもので…
「…あれ、否定できないって感じが…何だろう、この複雑な感情」
自分が黒き女神の力を色々と理解しているからこそ、何とも言い難い気持ちになる。
そっか、それなら確かに…いや、納得したくはないな、こんな理由で。
【…主様、残念なお知らせですが、その可能性が高いようデス】
「え」
悶々と考えこんでいたところで、急にロロがそう口を開いた。
どうやら運営側のほうで原因が判明したらしいが…黒き女神が、原因なのか?
かくかくしかじかと話を確認いたところ、直接的ではないが、間接的に黒き女神の力が関わっているということが判明した。
普通、アルケディア・オンラインの世界にあるものは特例を除き、何かしらの憑依媒体が必要となるらしい。
テイムモンスターならドール、プレイヤーのスキルによる変身は制限付きとはいえフィギュアなどのように、何かしらのものを介して出ないといけないようだ。
だが、物事には何事も例外というものがあり…いくつかの例外の中で、その一つが今回の件に該当してしまったようだ。
【黒き女神を構成するプログラムの一部が、現実世界に顕現しやすいようになっている部分があるらしいのデス。フィギュアで出したりする際に、見た目は小さくとも力がオンラインの世界と大差ないようになるのはそれが原因のようですが…眷属に、その一部のプログラムが組み込まれていたようデス】
神のスキルを持つ者に対する眷属には、眷属化されたときに、構成プログラムの一部がコピーされて組み込まれているらしい。
それゆえに、眷属らしくもととなった相手に似た部分が出るようになっているようだが…寄りにもよってカイニスは、その顕現しやすくなる部分がコピーされていたそうだ。
さらに言えば、まだ眷属になって日が浅いせいなのか、構成事態に不安定な部分があり、眷属はその主の周囲に待機するようにとも組み込まれているなどの要因が重なりまくり…様々なものが積み重なってしまった結果、この現実世界の近くで顕現してしまったということのようだ。
なお、この現象自体は本当に奇跡的に近いものらしく、そんなホイホイ起きるようなことではない。
あるかもしれないなという可能性はあったが、確率自体が相当低かったようで…例えるならば、宝くじに続けて当たりまくるようなものレベルで、見ること自体が本当に奇跡的なもののようだ。
【運営側からもアクセスし、確認したようですが…その奇跡的な要因の積み重ねによるものなので、数日以内にはオンラインへすぐに戻るようデス。ただ、今すぐには流石に難しいとのことデス】
「なるほど…奇跡的なものか。確かに、眷属がホイホイ現実に気軽に出てきたら、それこそやばそうだしなぁ」
というか、そんな奇跡が重なるならいっそ宝くじが本当に当たってくれればよかったのに。
宝くじ連勝なんて、そんなことやったことないぞ…そっちのほうが良かったなぁ。
とにもかくにも、原因は分かったし、そう長く続くものではない。
原因不明のままで何も解決しない状態で済むことなく、ほっと安堵の息を吐くのであった…
「いや、春。数日で解決するってことでほっとしているけど、問題としてはこの子そのままこの家にいるってことは変わっていないからね?」
「あ」
【…問題ナノカ?】
…感覚として、これで解決したと思っていたのが間違いだった。
うん、ここ最近ドタバタしすぎていて、普通部分がおかしいかもしれない…もしやこれが、奇妙奇天烈摩訶不思議惑星での常識破壊による後遺症とかなのか…!?
【絶対に違うと断言できマス】
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