転生先はミミックでしたよ

志位斗 茂家波

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誕生・ダンジョン生活編

間一髪かな?初めての遭遇

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「『ファイヤボール』×20連発!!」

 悲鳴が聞こえた方向へディーが向かうと、コボルトナイトとかいうモンスターの集団が誰かを襲っていたようなので、慌てて魔法を使って一気に一掃することにした。

 
 危ねぇ、危うく異世界初遭遇する人たちがもうすぐでなかったことになる処だった。

 人間だったら冷や汗をかいていただろうが、今の俺はミミックなので汗はない(多分)。


 とりあえず人命優先という事で、体当たりや魔法を駆使して、何とか群れを全滅させることができたようである。

 あたりにはドロップしたらしい牙やナイフが散乱しており、後で拾うことにしてと。


「え?え?え?……なにあのミミックはニャ」

 驚愕しているらしい少女の元へ俺は向き直った。

 というか、人間じゃないな。尻尾や耳があるし、どうやら獣人とかいうやつのようである。

 異世界お決まりテンプレみたいな種族だろうけど、見た限りアイパッチをしていて、隻眼のようである。

 見た目は可愛いネコ少女何だけど、残念感はあるな。



 とりあえず見渡してみると、傷ついた人間や、なんかえらくボコボコになった肥えたおっさんが倒れていたりと、状況は悲惨なようである。

 というか、どうも冒険者とかいうのとは違うみたいな感じである。


 見ると、首輪をつけている人が多く、目の前にいる猫耳少女も首輪があった。


 あ、これもしかしてだけど……

「『鑑定眼』」

――――――――――――――――――――――――――――
種族:獣人(猫)・女性
名前:ルーシア
状態:驚愕・パニック・奴隷解放
スリーサイズは……
――――――――――――――――――――――――――――


 いらんってその情報!!

 危うくいらない情報が見えかけたけど……本当にスリーサイズとかは知らなくていいよ?というかなんでこれで調べることができるの?

 とにもかくにも、気になる項目が見えたので彼女の首輪を調べてみた。


――――――――――――――――――――――――――――
「隷属化の首輪(無効化状態)・安物」
対象の体に装着することで奴隷にすることが可能な魔道具マジックアイテムの一種。ただし、首輪よりも強い力を持つ相手には効力がなく、この首輪は奴隷である証のみに存在するので強要能力はない。
現在主が死亡しているために効力はない。
簡単に外せますよ。
―――――――――――――――――――――――――――――

……案の定、奴隷と仮想いうのだったようだ。

 というか、「安物」って他にもあるのかよ。



「えっと何々何なのニャ?」

 どうやらこの猫少女ルーシアとやらは完全に慌てふためいているようである。

 まぁ、目の前に動く宝箱があったらそりゃ驚くだろうけどな。


 あ、そう言えば会話できるのかな?



「あー、マイクテス、マイクテス。言葉わかりますか?」
「……箱がしゃべったニャァァァ!?」

 しまった、余計に驚愕させ、混乱させてしまった。

 でも、言葉が通じるようなのは朗報かな?





 とりあえず何とかなだめつつ、落ち着いてもらった。


「はぁぁぁ……えっと、とりあえずあなたはミミックで、ネームドモンスターで、『ディー』という名前である。これで合っているのニャ?」
「ああ、確かにその通りだ。そしてそっちは猫の獣人で、『ルーシア』という名前で、あそこで息絶えているおっさんが主だった借金奴隷だったと」
「その通りニャよ」

 互いに名乗り、会話が成立したのだけれども……何だこの状況。


 一応調べてみたところ、ルーシア以外は全滅のようで息絶えているようだ。

 主だったおっさんも念のために「鑑定眼」で確認したけど、死亡しているようだった。



 そのため、主無しとなったのかルーシアの首輪は簡単に外れたようである。

 ちょっともらいまして、あとで「錬金釜」の材料にしてやろう。


 他に倒れていた死体なんかもとりあえず集めて、死んでいるせいか収納可能だったので一応収納させてもらった。

 人の死体なんて食べる気もないしな。というか、コボルトナイトからのドロップが多くてこっちを収納するのが大変だったかも。



「さてと、互いの身の上話も聞いたけど……どうするよ?」
「どうといわれても……この状況が不思議過ぎて分からないのニャ」

 落ち着きはしたが、驚愕が残っているようでルーシアは溜息を吐いたようであった。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
SIDEルーシア


(死の間際だったはずなのに、謎のモンスターによって助けられたのニャ)

 そうルーシアは目の前にいるミミック……ディーと名乗るモンスターを見て、そう思った。


 絶対絶命のところで現れたのは、まさかのミミックというモンスターである。

 ミミック自体は人食いモンスターと言われており、冒険者でもあったルーシアはその知識があったので驚愕しつつも、警戒をした。



 もしかしたらモンスター同士による獲物の奪いなのかと言いたくなったが……どうもそうではなく、このミミック、ディーとやらは人命救助として動いたらしい。

 何とか心を落ち着かせて、対話が可能であるようだったので話してみたのだが……驚くことばかりである。

(魔法を多く使えて、ものを自在に仕舞える『収納』も使えて、そのうえひと対話可能なミミックって聞いたことがないニャよ!?)

 名前があるネームドモンスターのようだし、しかもその強さは先ほどのコボルトナイトたちの一掃している姿からもかなりの強さがあるのが目で見て取れる。

 

 あちこちに落ちていたドロップアイテムを拾っていれていたり、死体を収納とやらで入れたようだけど……なんというか、驚きしかなくて、自分の語彙力が情けなくもなった。



「さてと、互いの身の上話も聞いたけど……どうするよ?」
「どうといわれても……この状況が不思議過ぎて分からないのニャ」


 そうディーに尋ねられて、ルーシアは溜息を吐いた。

 あの商人が死んだことにより、自身の主がいなくなって奴隷から解放されはした。

 ただし、この一人でダンジョンにいるという状況は変わらず、無事に帰還d系るのかもわからないのだ。



 となれば、自分が生き残るには……このミミックと行動していたほうが良いだろう。

「……とりあえず、ディーさん。あなたについていっていいかニャ?」




 ディーと名乗るミミックの事を彼女はまだよく知らない。

 今こうして会話しているのもうわべだけで、もしかして油断した隙に食べてくるのかもしれないが……こうしていると、どうもその不安が無くなるようで、安心感を感じる。

 それに、強者のそばにいたほうが安全だろうし、一緒に行動したほうが得策だとルーシアは思ったのだ。


 そして、その返答は……


「……はい?」

 もし表情があれば、驚いた顔をしていたのだろうとルーシアがそう思えた声を、ディーは出したのであった。
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