転生先はミミックでしたよ

志位斗 茂家波

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騎士王国ナイトガーデン編

図書室での出会い

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SIDEルーシア

 ディーが魔法でいろいろやらかしていたその頃、ルーシアは城内にあった図書室にて本を読んでいた。

 元々ガルティア女王に巻き添えで連れてこられたディーの保護者のような役割でさらに巻き添えにされて一緒に来てしまったのだが、特にやることがないので、本を読ませてもらうことにしたのである。


 そもそも彼女が冒険者になった理由は、家のとある事情・・・・・・・が原因であった。

 その事情をまだディーに話してはいないが、言える時が来たら放そうかと考えていた。



 一人で冒険者業をしていた時には、依頼を必死で受けて日銭を稼ぎ、一生懸命毎日を生きてきたのだが、こういった本の類を読みたいと思う事もあった。

 けれども、女性一人での冒険者活動の日々は少し貧しく、中々本に手を出せなかったのである。

 そのうちに襲われかけて、隻眼になったり李陵役を買おうとして、借金で奴隷にされたりなどといろいろあった。

 けれどもあの日、ダンジョンでディーと出会ってからは、奴隷から解放され、偶然できた治療薬で隻眼からきちんと両目が見えるようになり、協力して以来を受けてより効率的に稼げるようになったりして、日々に余裕ができたのである。


 その余裕から、本をちまちまと借りたりして読んではいるのだが、こうしてゆっくり読むこともしたい。

 その為、今回偶然得たこの城に来た機会を活かして、城内の図書室に入室できる許可をもらい、本を読んでいるのであった。



「しかし流石騎士王国の図書室ニャね。騎士道の心得セットなどが多いのニャ」

 本棚に読み終えた本を戻しながら、ルーシアはつぶやく。

 小説が良いのだが、歴史書や他国の辞書、翻訳書などもあるようで、その中でも特に騎士王国なだけに騎士道や決闘方法、戦術、連携などに関した本が多くあったのである。

「ニャ?作家名ガルティア‥‥‥女王陛下も書いているのかニャ?」


 自分で書いた本を城内に置くのもありなんだろうけど‥‥‥


「なかなか面白いニャね」

女王陛下‥‥‥多才な様でなかなか面白い作品が多かった。何故か婚約破棄物が多かったが。

 貴族だけではなく、平民にも楽しめるようにしているのだろうけど……どこかにモデルがいそうな気もしたのであった。

 






「おや?もうこんな時間ニャ」

 ふと気が付くと、図書室の窓の外が夕焼け色に染まっており、半日以上ここにいたことにルーシアは気が付いた。


 本を戻そうとして、立ち上がろうとしたその時であった。


 がくっつ

「ニャッツ!?」


 猫の獣人であるがゆえについている尻尾が、筆禍っ買って危うく頃にそうになったその瞬間‥‥‥



 すとん



「おっと、大丈夫かい?」
「‥‥‥ニャ?」


 ふと誰かに体が支えられ、見てみればそこにはいつのまにか少年が立っていた。


「えっと、ありがとうニャ」
「どういたしまして」


 お礼をいうと、その少年はにこやかに言った。


 丸渕メガネをしており、淡い青色の髪に、白い衣服で、清純な感じである。


「ところで君は誰だい?この城の者じゃないみたいだけど‥‥‥?」

 そう首をかしげながら、少年は尋ねてきたので、返答することにした。


「私はルーシアなのニャ。ディーの見守りと言うか保護者的存在で、今は客人として来ているのニャよ」
「なるほど、そういえば母上が客人が来ているといったけど、そのうちの一人が君か‥‥‥」
(ん?母上?)


 ふとその言葉にルーシアは気が付く。


 よくよく見ればこの少年、ガルティア女王の面影があるような……

「ま、まさかニャけど‥‥‥この国の王子様かニャ?」
「ああそうだよ。この騎士王国ナイトガーデンの第3王子レラーシア・フォン・ナイトガーデン。まぁ、第3王子と言っても、上の兄1人が継承権を放棄したから王位継承権2位だけどね」


 そうにこやかに自己紹介した王子に、ルーシアは真っ青になった。


「王子様とは知らずに、手間をかけてすみませんでしたニャ!!」

 慌てて謝るルーシアであったが、王子はくすりとほほ笑む。

「大丈夫だよ。単なる手助けだし、そうかしこまらなくてもいいってば」


 そう言われ、緊張が少しほぐれたルーシアであった。
 
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