456 / 459
さて、間もなく閉幕の時も近くなってくるようで
#425 不思議は尽きないのデス
しおりを挟む
SIDEシアン
‥‥‥魔界。それは僕らがいる世界とは違う世界の一つであり、他にも似たような世界が多い世界。
そして普通は異なる世界同士、そう簡単に行き来できないのだが…‥‥
『間もなく、魔界―魔王城前に到着。停車時間は5分ほどであり、降りるお客様方は急いでくださーい』
「…‥‥簡単に行き来できそうな乗り物があるっていうのもどうなのかと思ってしまう」
「まぁ、この列車の仕掛け自体はとある方の技術を利用しましたが‥‥‥定期便として運航してから、順調に売り上げは伸びてますネ」
【うわぁ、普通は目に付かないような物が多くいる光景が広がってますよ】
がたんごとんと揺られながら、魔界の列車に僕らは乗っていた。
というかこの列車、魔界だけじゃなくて僕らのいる世界や神々のいる神界などにもつながっているようだが‥‥‥本当にどういう仕掛けなのだろうか。
「しかも世界によって姿を切り替えるとか…‥‥魔界だと大百足風な列車になるんだね」
「一応、そのあたりの調整が難しかったんですよネ。なにしろこの便を運航するにあたり、如何にしてその世界になじんだ容姿に換えるかが課題でしたからネ」
まぁ、案の定というか、この列車はワゼたちの御手製の物。
というか、この列車を運行している鉄道会社自体を手中に収めつつ、各世界を行き来して交流を深めるのに利用しているようだが…‥‥もうちょっとどうにかならなかったのだろうか?
とはいえ、気にしていても仕方がない。乗っていたら列車の容姿とかは気に資することもないだろうし、乗り心地自体は良い。
揺れはするが不快な物ではなく、ついうっかり寝そうになるほど心地の良い物にしているからね‥‥‥そのせいで、終点まで客が寝過ごしやすいという問題があるそうだが、それはそれでどうにか解決してほしい。
とにもかくにも、僕らが魔界に来たのも訳がある。
魔界の方の魔王が住まう魔王城に到着し、手続きを経て奥へ入って見れば‥‥‥そこはちょっとした縮減の場になっていた。
【グ――――ゲェェェ!!】
【ギェェェェェェン!!】
「おー、ドーラとその番になった植物が盛り上がっているけど、これはこれで面白い光景かも」
【んー、人間同士の結婚式とはまた違う形式のようですけれども、皆めでたい感じがしますよね】
そう、今日はドーラの魔界での結婚式らしく、その祝いの場に招待された。
結婚式自体は1週間も行われるという長めの行程なので、一番盛り上がる時に来た方が良いらしく、ちょうどその盛り上がる時の絶頂のタイミングだったようで、あちらこちらで歓声が上がっている。
というか、さらっとドーラの友人席などもあったので見たが…‥‥ドーラはドーラで、独自の交友関係を立ち上げていたようだ。
「というか、魔界の魔王もなんか盛り上がっているなぁ」
【絵面としては、喰われかける少女ですけれどね】
魔界の方を治める魔王ベルも、今回は公務もお休みになっているようで、普段の激務から解放されてかなり喜びまくっている状態。
そして僕の横では、その解放感に同意しているのかミスティアがうんうんと何度もうなずいて同意していた。
「にしても、ドーラの相手ってどんな植物だったのか気になったけど‥‥‥まず、あれは植物なのかな?」
「魔界植物『クリムゾンゲイザープラント』というようデス。強ければ強いほど葉っぱにある棘が多いそうですが、あれはその中でも最上位の者らしいですネ」
ふと気になっていた点をつぶやけば、ワゼがそう解説してくれる。
どうも魔界の植物の長的存在だったらしい相手だが、ドーラが以前魔界で修行していた時に交流関係をもっていたそうで、その時からちょっと交際をしていたそうだが、この度無事にゴールイン。
結婚式を魔界の植物流として行っているようだが、相手としてもすごい嬉しいらしく、熱々ぶりが目に見て取れるだろう。
【グゲェェ!!】
【ギェェェン!!】
幸せそうに鳴き合いつつ、ラブラブさを見せ付けられるが、どうやらここまでの道のりは険しかったらしい。
話によれば茨の道というか、修羅の道というか、何かと苦難が多かったそうだが…‥‥それでも無事に二人は結ばれたそうだ。
「良い話しだなーっと思いたいけど、本当に苦労したのかドーラの方にもちょっと生傷があるような」
「あ、あれは単純に2日前の式の最中に出来た傷のようデス。魔界ですと何かと荒事もあるようで、この結婚式に反対する勢力がいたようデス」
「いたのか…‥‥」
だがしかし、そんな勢力もなんとか収め、むしろ結婚式の場としてはより盛り上がった状態になったらしい。
ゆえにあちこちで酔いつぶれている人もいるようだが、それでも幸せいっぱいの結婚式には間違いないだろう。
「なお、あちらで潰れている方が、その邪魔した方のようですが…‥‥倒した後はもうどうにでもなれという事で、ドーラがあとくされないように改めて招待したようデス」
「思った以上に心が広かった‥‥‥!!」
なんというか、敵対した相手で有ろうとも、思いっきりドーラは迎え入れ、共に祝うようにしたらしい。
まぁ、相手の方も相手の方で納得しているようだが‥‥‥‥中々面白い光景とも言えるだろう。
「とはいえ、問題はまだあるようですけれどネ」
「え?あるの?」
【結婚式自体が、だいぶいい感じに進んでますけれども‥‥‥】
「世界が変われば他の植物も多く存在するようで、ドーラを狙う植物の方々が神界などにも出たようデス。植物神とかも狙っているようですし、平穏な時はまだ訪れ無いようですネ」
…‥‥思った以上に、波乱万丈な人生(?)が決定しているようだが、それでもドーラは良いらしい。
なんというか、謎の植物であったドーラではあったが、今はこの幸せな場に僕らも祝福するのであった…‥‥
「ついでに言うのであれば、種子もあと3日ほどで出来るそうですネ」
「え?もう子供予定あるのか?」
【というか、あの組み合わせですと何が産まれるのでしょうか‥‥?」
…‥‥ドーラの子供は子供で見たいような不安な様な。大丈夫かな?
‥‥‥魔界。それは僕らがいる世界とは違う世界の一つであり、他にも似たような世界が多い世界。
そして普通は異なる世界同士、そう簡単に行き来できないのだが…‥‥
『間もなく、魔界―魔王城前に到着。停車時間は5分ほどであり、降りるお客様方は急いでくださーい』
「…‥‥簡単に行き来できそうな乗り物があるっていうのもどうなのかと思ってしまう」
「まぁ、この列車の仕掛け自体はとある方の技術を利用しましたが‥‥‥定期便として運航してから、順調に売り上げは伸びてますネ」
【うわぁ、普通は目に付かないような物が多くいる光景が広がってますよ】
がたんごとんと揺られながら、魔界の列車に僕らは乗っていた。
というかこの列車、魔界だけじゃなくて僕らのいる世界や神々のいる神界などにもつながっているようだが‥‥‥本当にどういう仕掛けなのだろうか。
「しかも世界によって姿を切り替えるとか…‥‥魔界だと大百足風な列車になるんだね」
「一応、そのあたりの調整が難しかったんですよネ。なにしろこの便を運航するにあたり、如何にしてその世界になじんだ容姿に換えるかが課題でしたからネ」
まぁ、案の定というか、この列車はワゼたちの御手製の物。
というか、この列車を運行している鉄道会社自体を手中に収めつつ、各世界を行き来して交流を深めるのに利用しているようだが…‥‥もうちょっとどうにかならなかったのだろうか?
とはいえ、気にしていても仕方がない。乗っていたら列車の容姿とかは気に資することもないだろうし、乗り心地自体は良い。
揺れはするが不快な物ではなく、ついうっかり寝そうになるほど心地の良い物にしているからね‥‥‥そのせいで、終点まで客が寝過ごしやすいという問題があるそうだが、それはそれでどうにか解決してほしい。
とにもかくにも、僕らが魔界に来たのも訳がある。
魔界の方の魔王が住まう魔王城に到着し、手続きを経て奥へ入って見れば‥‥‥そこはちょっとした縮減の場になっていた。
【グ――――ゲェェェ!!】
【ギェェェェェェン!!】
「おー、ドーラとその番になった植物が盛り上がっているけど、これはこれで面白い光景かも」
【んー、人間同士の結婚式とはまた違う形式のようですけれども、皆めでたい感じがしますよね】
そう、今日はドーラの魔界での結婚式らしく、その祝いの場に招待された。
結婚式自体は1週間も行われるという長めの行程なので、一番盛り上がる時に来た方が良いらしく、ちょうどその盛り上がる時の絶頂のタイミングだったようで、あちらこちらで歓声が上がっている。
というか、さらっとドーラの友人席などもあったので見たが…‥‥ドーラはドーラで、独自の交友関係を立ち上げていたようだ。
「というか、魔界の魔王もなんか盛り上がっているなぁ」
【絵面としては、喰われかける少女ですけれどね】
魔界の方を治める魔王ベルも、今回は公務もお休みになっているようで、普段の激務から解放されてかなり喜びまくっている状態。
そして僕の横では、その解放感に同意しているのかミスティアがうんうんと何度もうなずいて同意していた。
「にしても、ドーラの相手ってどんな植物だったのか気になったけど‥‥‥まず、あれは植物なのかな?」
「魔界植物『クリムゾンゲイザープラント』というようデス。強ければ強いほど葉っぱにある棘が多いそうですが、あれはその中でも最上位の者らしいですネ」
ふと気になっていた点をつぶやけば、ワゼがそう解説してくれる。
どうも魔界の植物の長的存在だったらしい相手だが、ドーラが以前魔界で修行していた時に交流関係をもっていたそうで、その時からちょっと交際をしていたそうだが、この度無事にゴールイン。
結婚式を魔界の植物流として行っているようだが、相手としてもすごい嬉しいらしく、熱々ぶりが目に見て取れるだろう。
【グゲェェ!!】
【ギェェェン!!】
幸せそうに鳴き合いつつ、ラブラブさを見せ付けられるが、どうやらここまでの道のりは険しかったらしい。
話によれば茨の道というか、修羅の道というか、何かと苦難が多かったそうだが…‥‥それでも無事に二人は結ばれたそうだ。
「良い話しだなーっと思いたいけど、本当に苦労したのかドーラの方にもちょっと生傷があるような」
「あ、あれは単純に2日前の式の最中に出来た傷のようデス。魔界ですと何かと荒事もあるようで、この結婚式に反対する勢力がいたようデス」
「いたのか…‥‥」
だがしかし、そんな勢力もなんとか収め、むしろ結婚式の場としてはより盛り上がった状態になったらしい。
ゆえにあちこちで酔いつぶれている人もいるようだが、それでも幸せいっぱいの結婚式には間違いないだろう。
「なお、あちらで潰れている方が、その邪魔した方のようですが…‥‥倒した後はもうどうにでもなれという事で、ドーラがあとくされないように改めて招待したようデス」
「思った以上に心が広かった‥‥‥!!」
なんというか、敵対した相手で有ろうとも、思いっきりドーラは迎え入れ、共に祝うようにしたらしい。
まぁ、相手の方も相手の方で納得しているようだが‥‥‥‥中々面白い光景とも言えるだろう。
「とはいえ、問題はまだあるようですけれどネ」
「え?あるの?」
【結婚式自体が、だいぶいい感じに進んでますけれども‥‥‥】
「世界が変われば他の植物も多く存在するようで、ドーラを狙う植物の方々が神界などにも出たようデス。植物神とかも狙っているようですし、平穏な時はまだ訪れ無いようですネ」
…‥‥思った以上に、波乱万丈な人生(?)が決定しているようだが、それでもドーラは良いらしい。
なんというか、謎の植物であったドーラではあったが、今はこの幸せな場に僕らも祝福するのであった…‥‥
「ついでに言うのであれば、種子もあと3日ほどで出来るそうですネ」
「え?もう子供予定あるのか?」
【というか、あの組み合わせですと何が産まれるのでしょうか‥‥?」
…‥‥ドーラの子供は子供で見たいような不安な様な。大丈夫かな?
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
2,005
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる