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帰ってない?(悪役令嬢視点)
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「え?帰ってきてない、ですって?」
「はい~。途中で抜け出して~、帰ったって連絡はきたのですが~、まだ寮には来てないんです~。」
「そう………わかったわ。」
おかしいわね………フィリアは不満に思いながらも最後まで教室にいて、それで同じクラスの攻略対象と仲良くなるはずなのに。
彼女と別れたあと、私は急いで試験である発表を終わらせ、合格したことを確認してすぐに彼女の教室へと向かった。
言い訳として先程の魔力検査について、と考えたりもして、クラスから人が出てくる前には教室の前に着くことができた。
それなのに彼女は出てこず、不思議に思って出てきた生徒の一人に話を聞くと、来たけどすぐに帰ると出て行ったらしい。
私が魔力検査に同行したのが理由で何かが変わってしまったのかもしれない。
悪役令嬢であるシャーロットを、悪役扱いするためのシナリオにするために。
用事が無くなったこともあり、話は寮にある談話室でもいいだろうと寮へ向かい、寮母にフィリアのことを尋ね、帰ってないと告げられる。
この学校はとても広い、もしかすると彼女はどこかで迷子になってしまっているのかもしれない。
………ただの迷子であればまだいいのだけれど。
貴族の中にはお金や権力で何とかなると思っている人もいて、そういう人が彼女に目をつけないとは限らない。
それに魔法研究所もあったり、校則違反だが外で魔法の練習をする者もいて、知らずに歩き回るのは危険すぎる。
彼女の場合は瞳のこともある、即バッドエンドなんてこともあり得るのかもしれない。
そうなると悪役令嬢のシャーロットは無事かもしれない、でもゲームで愛着のあったヒロインだ。
ここがゲームではないと分かってはいるけど、それでも見捨てられるはずない。
「とりあえずシリカ先生に伝えて……。」
暗くなる前に見つけ出すにはジュリアスにも協力するべきだ。それに私から頼めば、私が彼女のことを嫌っていないというアピールにもなるだろう。
そう自分に言い聞かせ、よしっと気合いを入れると、まずはゲームでシリカ先生と会える確率の高い図書室へと向かった。
前世でプレイしたあの懐かしいゲームの台詞が頭をよぎる。
ゲームではヒロインに声は付いていなかったけれど、今日聞いたあの高く可愛らしい声で、その台詞が流れる。
“殺されるのは怖くないわ。だからどんな最期でも私はきっと大丈夫。”
そう言って、幸せそうに笑みを浮かべる彼女の姿。
………あれは、どんな場面で流れた台詞だっただろうか。
“恨まれて憎まれて妬まれて、嫌われてもいいの。だって、私が一番怖いのは_____ことだもの。”
私は何故、今このタイミングでそれを思い出してしまったのだろうか。
「はい~。途中で抜け出して~、帰ったって連絡はきたのですが~、まだ寮には来てないんです~。」
「そう………わかったわ。」
おかしいわね………フィリアは不満に思いながらも最後まで教室にいて、それで同じクラスの攻略対象と仲良くなるはずなのに。
彼女と別れたあと、私は急いで試験である発表を終わらせ、合格したことを確認してすぐに彼女の教室へと向かった。
言い訳として先程の魔力検査について、と考えたりもして、クラスから人が出てくる前には教室の前に着くことができた。
それなのに彼女は出てこず、不思議に思って出てきた生徒の一人に話を聞くと、来たけどすぐに帰ると出て行ったらしい。
私が魔力検査に同行したのが理由で何かが変わってしまったのかもしれない。
悪役令嬢であるシャーロットを、悪役扱いするためのシナリオにするために。
用事が無くなったこともあり、話は寮にある談話室でもいいだろうと寮へ向かい、寮母にフィリアのことを尋ね、帰ってないと告げられる。
この学校はとても広い、もしかすると彼女はどこかで迷子になってしまっているのかもしれない。
………ただの迷子であればまだいいのだけれど。
貴族の中にはお金や権力で何とかなると思っている人もいて、そういう人が彼女に目をつけないとは限らない。
それに魔法研究所もあったり、校則違反だが外で魔法の練習をする者もいて、知らずに歩き回るのは危険すぎる。
彼女の場合は瞳のこともある、即バッドエンドなんてこともあり得るのかもしれない。
そうなると悪役令嬢のシャーロットは無事かもしれない、でもゲームで愛着のあったヒロインだ。
ここがゲームではないと分かってはいるけど、それでも見捨てられるはずない。
「とりあえずシリカ先生に伝えて……。」
暗くなる前に見つけ出すにはジュリアスにも協力するべきだ。それに私から頼めば、私が彼女のことを嫌っていないというアピールにもなるだろう。
そう自分に言い聞かせ、よしっと気合いを入れると、まずはゲームでシリカ先生と会える確率の高い図書室へと向かった。
前世でプレイしたあの懐かしいゲームの台詞が頭をよぎる。
ゲームではヒロインに声は付いていなかったけれど、今日聞いたあの高く可愛らしい声で、その台詞が流れる。
“殺されるのは怖くないわ。だからどんな最期でも私はきっと大丈夫。”
そう言って、幸せそうに笑みを浮かべる彼女の姿。
………あれは、どんな場面で流れた台詞だっただろうか。
“恨まれて憎まれて妬まれて、嫌われてもいいの。だって、私が一番怖いのは_____ことだもの。”
私は何故、今このタイミングでそれを思い出してしまったのだろうか。
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