26 / 37
帰ってない?(悪役令嬢視点)
しおりを挟む
「え?帰ってきてない、ですって?」
「はい~。途中で抜け出して~、帰ったって連絡はきたのですが~、まだ寮には来てないんです~。」
「そう………わかったわ。」
おかしいわね………フィリアは不満に思いながらも最後まで教室にいて、それで同じクラスの攻略対象と仲良くなるはずなのに。
彼女と別れたあと、私は急いで試験である発表を終わらせ、合格したことを確認してすぐに彼女の教室へと向かった。
言い訳として先程の魔力検査について、と考えたりもして、クラスから人が出てくる前には教室の前に着くことができた。
それなのに彼女は出てこず、不思議に思って出てきた生徒の一人に話を聞くと、来たけどすぐに帰ると出て行ったらしい。
私が魔力検査に同行したのが理由で何かが変わってしまったのかもしれない。
悪役令嬢であるシャーロットを、悪役扱いするためのシナリオにするために。
用事が無くなったこともあり、話は寮にある談話室でもいいだろうと寮へ向かい、寮母にフィリアのことを尋ね、帰ってないと告げられる。
この学校はとても広い、もしかすると彼女はどこかで迷子になってしまっているのかもしれない。
………ただの迷子であればまだいいのだけれど。
貴族の中にはお金や権力で何とかなると思っている人もいて、そういう人が彼女に目をつけないとは限らない。
それに魔法研究所もあったり、校則違反だが外で魔法の練習をする者もいて、知らずに歩き回るのは危険すぎる。
彼女の場合は瞳のこともある、即バッドエンドなんてこともあり得るのかもしれない。
そうなると悪役令嬢のシャーロットは無事かもしれない、でもゲームで愛着のあったヒロインだ。
ここがゲームではないと分かってはいるけど、それでも見捨てられるはずない。
「とりあえずシリカ先生に伝えて……。」
暗くなる前に見つけ出すにはジュリアスにも協力するべきだ。それに私から頼めば、私が彼女のことを嫌っていないというアピールにもなるだろう。
そう自分に言い聞かせ、よしっと気合いを入れると、まずはゲームでシリカ先生と会える確率の高い図書室へと向かった。
前世でプレイしたあの懐かしいゲームの台詞が頭をよぎる。
ゲームではヒロインに声は付いていなかったけれど、今日聞いたあの高く可愛らしい声で、その台詞が流れる。
“殺されるのは怖くないわ。だからどんな最期でも私はきっと大丈夫。”
そう言って、幸せそうに笑みを浮かべる彼女の姿。
………あれは、どんな場面で流れた台詞だっただろうか。
“恨まれて憎まれて妬まれて、嫌われてもいいの。だって、私が一番怖いのは_____ことだもの。”
私は何故、今このタイミングでそれを思い出してしまったのだろうか。
「はい~。途中で抜け出して~、帰ったって連絡はきたのですが~、まだ寮には来てないんです~。」
「そう………わかったわ。」
おかしいわね………フィリアは不満に思いながらも最後まで教室にいて、それで同じクラスの攻略対象と仲良くなるはずなのに。
彼女と別れたあと、私は急いで試験である発表を終わらせ、合格したことを確認してすぐに彼女の教室へと向かった。
言い訳として先程の魔力検査について、と考えたりもして、クラスから人が出てくる前には教室の前に着くことができた。
それなのに彼女は出てこず、不思議に思って出てきた生徒の一人に話を聞くと、来たけどすぐに帰ると出て行ったらしい。
私が魔力検査に同行したのが理由で何かが変わってしまったのかもしれない。
悪役令嬢であるシャーロットを、悪役扱いするためのシナリオにするために。
用事が無くなったこともあり、話は寮にある談話室でもいいだろうと寮へ向かい、寮母にフィリアのことを尋ね、帰ってないと告げられる。
この学校はとても広い、もしかすると彼女はどこかで迷子になってしまっているのかもしれない。
………ただの迷子であればまだいいのだけれど。
貴族の中にはお金や権力で何とかなると思っている人もいて、そういう人が彼女に目をつけないとは限らない。
それに魔法研究所もあったり、校則違反だが外で魔法の練習をする者もいて、知らずに歩き回るのは危険すぎる。
彼女の場合は瞳のこともある、即バッドエンドなんてこともあり得るのかもしれない。
そうなると悪役令嬢のシャーロットは無事かもしれない、でもゲームで愛着のあったヒロインだ。
ここがゲームではないと分かってはいるけど、それでも見捨てられるはずない。
「とりあえずシリカ先生に伝えて……。」
暗くなる前に見つけ出すにはジュリアスにも協力するべきだ。それに私から頼めば、私が彼女のことを嫌っていないというアピールにもなるだろう。
そう自分に言い聞かせ、よしっと気合いを入れると、まずはゲームでシリカ先生と会える確率の高い図書室へと向かった。
前世でプレイしたあの懐かしいゲームの台詞が頭をよぎる。
ゲームではヒロインに声は付いていなかったけれど、今日聞いたあの高く可愛らしい声で、その台詞が流れる。
“殺されるのは怖くないわ。だからどんな最期でも私はきっと大丈夫。”
そう言って、幸せそうに笑みを浮かべる彼女の姿。
………あれは、どんな場面で流れた台詞だっただろうか。
“恨まれて憎まれて妬まれて、嫌われてもいいの。だって、私が一番怖いのは_____ことだもの。”
私は何故、今このタイミングでそれを思い出してしまったのだろうか。
0
あなたにおすすめの小説
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
悪役令嬢に転生したけど、知らぬ間にバッドエンド回避してました
神村結美
恋愛
クローデット・アルトー公爵令嬢は、お菓子が大好きで、他の令嬢達のように宝石やドレスに興味はない。
5歳の第一王子の婚約者選定のお茶会に参加した時も目的は王子ではなく、お菓子だった。そんな彼女は肌荒れや体型から人々に醜いと思われていた。
お茶会後に、第一王子の婚約者が侯爵令嬢が決まり、クローデットは幼馴染のエルネスト・ジュリオ公爵子息との婚約が決まる。
その後、クローデットは体調を崩して寝込み、目覚めた時には前世の記憶を思い出し、前世でハマった乙女ゲームの世界の悪役令嬢に転生している事に気づく。
でも、クローデットは第一王子の婚約者ではない。
すでにゲームの設定とは違う状況である。それならゲームの事は気にしなくても大丈夫……?
悪役令嬢が気付かない内にバッドエンドを回避していたお話しです。
※溺れるような描写がありますので、苦手な方はご注意ください。
※少し設定が緩いところがあるかもしれません。
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
気配消し令嬢の失敗
かな
恋愛
ユリアは公爵家の次女として生まれ、獣人国に攫われた長女エーリアの代わりに第1王子の婚約者候補の筆頭にされてしまう。王妃なんて面倒臭いと思ったユリアは、自分自身に認識阻害と気配消しの魔法を掛け、居るかいないかわからないと言われるほどの地味な令嬢を装った。
15才になり学園に入学すると、編入してきた男爵令嬢が第1王子と有力貴族令息を複数侍らかせることとなり、ユリア以外の婚約者候補と男爵令嬢の揉める事が日常茶飯事に。ユリアは遠くからボーッとそれを眺めながら〘 いつになったら婚約者候補から外してくれるのかな? 〙と思っていた。そんなユリアが失敗する話。
※王子は曾祖母コンです。
※ユリアは悪役令嬢ではありません。
※タグを少し修正しました。
初めての投稿なのでゆる〜く読んでください。ご都合主義はご愛嬌ということで見逃してください( *・ω・)*_ _))ペコリン
【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた
22時完結
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。
悪役令嬢に転生したので、みんなのために自分から破滅することにした
やんやんつけバー
恋愛
悪役令嬢に転生したと気づいた瞬間、私は一秒で全ての選択肢を計算した。正攻法でも、逃げ道でも、誰かが傷つく。だから自分から破滅してやろう──。その覚悟は正しかったはずなのに、なぜか私の行動が人を救い始める。好き勝手に生きているつもりが、誰かの英雄になってしまう。これは、破滅を目指した悪役令嬢の、意図せぬ奮闘記。
死亡予定の脇役令嬢に転生したら、断罪前に裏ルートで皇帝陛下に溺愛されました!?
六角
恋愛
「え、私が…断罪?処刑?――冗談じゃないわよっ!」
前世の記憶が蘇った瞬間、私、公爵令嬢スカーレットは理解した。
ここが乙女ゲームの世界で、自分がヒロインをいじめる典型的な悪役令嬢であり、婚約者のアルフォンス王太子に断罪される未来しかないことを!
その元凶であるアルフォンス王太子と聖女セレスティアは、今日も今日とて私の目の前で愛の劇場を繰り広げている。
「まあアルフォンス様! スカーレット様も本当は心優しい方のはずですわ。わたくしたちの真実の愛の力で彼女を正しい道に導いて差し上げましょう…!」
「ああセレスティア!君はなんて清らかなんだ!よし、我々の愛でスカーレットを更生させよう!」
(…………はぁ。茶番は他所でやってくれる?)
自分たちの恋路に酔いしれ、私を「救済すべき悪」と見なすめでたい頭の二人組。
あなたたちの自己満足のために私の首が飛んでたまるものですか!
絶望の淵でゲームの知識を総動員して見つけ出した唯一の活路。
それは血も涙もない「漆黒の皇帝」と万人に恐れられる若き皇帝ゼノン陛下に接触するという、あまりに危険な【裏ルート】だった。
「命惜しさにこの私に魂でも売りに来たか。愚かで滑稽で…そして実に唆る女だ、スカーレット」
氷の視線に射抜かれ覚悟を決めたその時。
冷酷非情なはずの皇帝陛下はなぜか私の悪あがきを心底面白そうに眺め、その美しい唇を歪めた。
「良いだろう。お前を私の『籠の中の真紅の鳥』として、この手ずから愛でてやろう」
その日から私の運命は激変!
「他の男にその瞳を向けるな。お前のすべては私のものだ」
皇帝陛下からの凄まじい独占欲と息もできないほどの甘い溺愛に、スカーレットの心臓は鳴りっぱなし!?
その頃、王宮では――。
「今頃スカーレットも一人寂しく己の罪を反省しているだろう」
「ええアルフォンス様。わたくしたちが彼女を温かく迎え入れてあげましょうね」
などと最高にズレた会話が繰り広げられていることを、彼らはまだ知らない。
悪役(笑)たちが壮大な勘違いをしている間に、最強の庇護者(皇帝陛下)からの溺愛ルート、確定です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる