大東亜架空戦記

ソータ

文字の大きさ
72 / 115
空軍発足

第72話 戦う意義

しおりを挟む
休暇を貰った隆雄は実家へより信恵と共に
信恵の実家を訪れ、義父母に挨拶をした

「貴子」
「はい!」
「もし、父が死んだらどうする」
「隆雄君?....」
突然の質問に信恵がびっくりする
「たかこはなきます」
「そうか、じゃあ死なないようにしないとな」
「はい」
「そういえば貴子は何歳だ?」
「3歳よ...」
「すまん、」
「ずっと戦地ですもんね....」
「元気を出してくれ、存分に戦えん」
「そういえばもう海軍じゃないのよね?」
「ああ、空母勤務はもうないだろうな」
「じゃあ陸に足をつけてられるのね」
「そうだな」
貴子が隆雄の指を力強く握り始める
「どうした貴子」
「たかこはおとーさんとずっといたい」
「....」
「お父さんはね」
「信恵、先帰っててくれ」
「え?」
「連れていきたいところがある」
「わかった」

隆雄は貴子を連れてある場所へやってきた
「おはか?」
実の父親と母親が眠る墓場へ連れてきた
父隆義の遺骨こそないが母親は2人ともここに眠っている
「貴子のおじいちゃんとおばあちゃんが眠ってるんだよ」
「さっきあったよ?」
「あれはお母さんのお父さんとお母さんだよ」
「じゃーおとーさんのおとーさんとおかーさん?」
「そうだよ」
貴子は隆雄の手を離し墓石に向かって向き直った
「やまもとたかこです!」
名前を大きな声で言いながら深々とおじきをした
そんな貴子の姿を見て隆雄は思わず笑みと涙がこぼれる
「おじいちゃんは戦争で死んだんだ」
「そーなの?」
「支那軍との戦争だ」
「しな?」
「そう、今はもうそんなに強くないけどね、元々強かったんだ」
「おとーさんのおとーさんもへいたいさん?」
「そう、おじさん、まだ会ったことないか」
「ん?」
「難しいかもしれないけど、大きくなったら少しずつわかるから今は耐えてくれ」
「うん」
「いい子だ」
そっと貴子の頭を撫でる
すると貴子は少し嬉しそうに照れて見せた
隆雄はそれがたまらなく愛おしく感じた

「ただいま!」
「ただいまぁー」
「おかえり、どこに連れて行ってたの?」
「父さんと母さん達のところに」
「そっか何か言ってた?」
「難しかったっぽい、でも今は大丈夫さ」
「そっか」

翌日隆雄は新しくなった軍服に袖を通した
「これが空軍の軍服か」
「はい、海軍の軍服をベースとした士官服です」
軍服を届けに来た海軍の中山中佐が簡単に説明する
「うん、わかった、ご苦労だったな」
「いえ、山本少将に暫く会えないのが辛いですが」
「なんだお前とそんなに縁があったか?」
「え?私は元一○六空ですよ?」
「すまん、覚えてない」
「はい、そんな気がしました....」
すると部屋の襖が開く
「あら、あまり変わらないのですね」
「海軍ベースらしい」
「そうなのね、これ良かったらお茶飲んでください」
「あ、わざわざありがとうございます、頂きます」
「俺はいつサバンに向かえばいい?」
「あ!忘れてました!」
((大丈夫なのか....))
「5月8日に出発ですので前日の明後日には横須賀海軍飛行場へお願いします」
「了解した」
「では本官はこれで」
「ご苦労」
「奥様も失礼致します」
「お疲れ様でした」
中山が家を出ていく

「出発まで4日ね」
「あぁ、今度はどうなるか」
「大戦果、あげるんでしょう?」
「そんなこと言ったか?」
「あら、思ってないの?」
「お見通しか」
「もちろん!妻ですから」
笑いあっていると扉の開く音がする
「ごめんくださーい」
「誰か来たな」
隆雄が玄関へ出ていく
「あら、ご主人?」
「あぁ、そうだが何か御用か?」
「これ、回覧板です」
「隣の山川さんの奥様よ」
「ご隣人でしたか、申し訳ない」
「いいのよ!軍人さんだったのねぇ」
「えぇまぁ、戦地勤めですので、ご挨拶にも伺えず失礼しました」
「いえいえ!お国のためにいつもありがとうございます」
「妻や婦人会のみなさんのおかげです」
「すぐに戦地に戻られるのですか?」
「そうですね4日後には出発です」
「そうですか、ご武運をお祈り申し上げます」
「ありがとうございます。」

3日後家の前に黒塗りの軍用車が止まる
「来たな、じゃあ行くよ」
「行ってらっしゃい」
「なんかあったら実家に行くんだぞ?」
「わかってる」
「いってらっしゃい!」
「元気でな貴子」
「はい!」

隆雄は横須賀基地へ向かった
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【架空戦記】狂気の空母「浅間丸」逆境戦記

糸冬
歴史・時代
開戦劈頭の真珠湾攻撃にて、日本海軍は第三次攻撃によって港湾施設と燃料タンクを破壊し、さらには米空母「エンタープライズ」を撃沈する上々の滑り出しを見せた。 それから半年が経った昭和十七年(一九四二年)六月。三菱長崎造船所第三ドックに、一隻のフネが傷ついた船体を横たえていた。 かつて、「太平洋の女王」と称された、海軍輸送船「浅間丸」である。 ドーリットル空襲によってディーゼル機関を損傷した「浅間丸」は、史実においては船体が旧式化したため凍結された計画を復活させ、特設航空母艦として蘇ろうとしていたのだった。 ※過去作「炎立つ真珠湾」と世界観を共有した内容となります。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記

颯野秋乃
歴史・時代
1929年に起きた、世界を巻き込んだ大恐慌。世界の大国たちはそれからの脱却を目指し、躍起になっていた。第一次世界大戦の敗戦国となったドイツ第三帝国は多額の賠償金に加えて襲いかかる恐慌に国の存続の危機に陥っていた。援助の約束をしたアメリカは恐慌を理由に賠償金の支援を破棄。フランスは、自らを救うために支払いの延期は認めない姿勢を貫く。 ドイツ第三帝国は自らの存続のために、世界に隠しながら軍備の拡張に奔走することになる。 また、極東の国大日本帝国。関係の悪化の一途を辿る日米関係によって受ける経済的打撃に苦しんでいた。 その解決法として提案された大東亜共栄圏。東南アジア諸国及び中国を含めた大経済圏、生存圏の構築に力を注ごうとしていた。 この小説は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の2視点で進んでいく。現代では有り得なかった様々なイフが含まれる。それを楽しんで貰えたらと思う。 またこの小説はいかなる思想を賛美、賞賛するものでは無い。 この小説は現代とは似て非なるもの。登場人物は史実には沿わないので悪しからず… 大日本帝国視点は都合上休止中です。気分により再開するらもしれません。 【重要】 不定期更新。超絶不定期更新です。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

対米戦、準備せよ!

湖灯
歴史・時代
大本営から特命を受けてサイパン島に視察に訪れた柏原総一郎大尉は、絶体絶命の危機に過去に移動する。 そして21世紀からタイムリーㇷ゚して過去の世界にやって来た、柳生義正と結城薫出会う。 3人は協力して悲惨な負け方をした太平洋戦争に勝つために様々な施策を試みる。 小説家になろうで、先行配信中!

対ソ戦、準備せよ!

湖灯
歴史・時代
1940年、遂に欧州で第二次世界大戦がはじまります。 前作『対米戦、準備せよ!』で、中国での戦いを避けることができ、米国とも良好な経済関係を築くことに成功した日本にもやがて暗い影が押し寄せてきます。 未来の日本から来たという柳生、結城の2人によって1944年のサイパン戦後から1934年の日本に戻った大本営の特例を受けた柏原少佐は再びこの日本の危機を回避させることができるのでしょうか!? 小説家になろうでは、前作『対米戦、準備せよ!』のタイトルのまま先行配信中です!

小日本帝国

ypaaaaaaa
歴史・時代
日露戦争で判定勝ちを得た日本は韓国などを併合することなく独立させ経済的な植民地とした。これは直接的な併合を主張した大日本主義の対局であるから小日本主義と呼称された。 大日本帝国ならぬ小日本帝国はこうして経済を盤石としてさらなる高みを目指していく… 戦線拡大が甚だしいですが、何卒!

処理中です...