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第六章 辺境伯夫人は兼業です
41.これが夫の愛ですか
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翌日午後、王立家事使用人養成校を訪問する。
マクレーン邸から馬車でに三十分足らずの距離なのだけど、アンバーの正面座席でユーインはぐったりしている。
昨日午後の打ち合わせの後、宰相閣下のお屋敷へ連れて行かれたらしい。
そこで国のVIPたちにもみくちゃにされて、夜遅くまで酒宴に付き合わされたということだ。
帰宅は零時を過ぎていた。
朝もだるそうだったので、養成校の見学はアンバー一人で行くと言ったところ、「絶対に一緒に行く」と譲らない。
そして現在だ。
いかにも二日酔いのダルダルな表情をしている。
「ようこそおいでくださいました。校長のクロード・オスマンと申します」
マクレーン王都屋敷の執事ゲーリックが年を重ねたらこうなる。
粋さに渋みがかかった初老の紳士が、穏やかな微笑で出迎えてくれた。
白髪とグレイの髪が良い感じのバランスで、穏やかなグレイの瞳も優し気に人好きがする。
「ユーイン・フェザード・マクレーンだ。こちらは妻のアンバー」
さすがに人前ではきりりとしている。
少し顔色が悪いかなというくらいで、初めての人にはおそらくわからない。
社交的体面を保つ夫の姿を、アンバーはあらためて頼もしいと思う。
校長室の応接セットは貴族学院とは全く違う。
平民の商家レベル、実用的な、つまり質素で飾り気のないものだ。
校長の執務机や椅子、調度品のどれもが、貧相ではないけれど豪華ではない。
質実剛健の校風が、こんなところにも現れている。
「冷めないうちにどうぞ」
出されたお茶を見て、アンバーは少しだけ驚いた。
緑茶?
前世では珍しくなかったけれど、プレイリー王国では滅多に見ないものだ。
「これは珍しい」
ユーインも気づいたらしい。
心地よさげにほっと息をついた。
今の体調なら、これほどありがたいお茶はないだろう。
前世の父は二日酔いの翌朝、このお茶に梅干しを入れて飲んでいたものだ。
「卒業生からもらったものです。お口に合うとよろしいのですが」
柔和な笑顔を浮かべたオスマン校長は、多分ユーインの体調に気づいていたのだろう。
アンバーの直感だ。
わかっていてこのお茶を出してくれた。さりげなく。
(この校長が推薦してくれる人なら信頼できるんじゃない?)
校長への信頼度、この学校への信頼度が、この時点で急激に上がった。
マクレーン家の家政補助要員として数名を推薦してほしい。
簡潔に説明したユーインに、校長は頭を下げる。
「わが校の学生をとお望みいただいて、大変光栄です。辺境伯家の家政補助とは、卒業試験を控えた者たちのどれだけ励みになりますことか」
「謙遜する必要はない。貴校の卒業生の優秀さは、この国で知らぬ者はない。我が家などよりよほど家格の高い家からも、望まれていることだろう」
ユーインの言葉は事実だ。
マクレーン家は上位貴族だしかなり裕福な家でもあるけど、もっと良い条件の家からだってスカウトが来る。
「はい。ありがたいことです。ですがそういう高位のお家では、使用人に求めるものも高いのです。すべての条件を満たすとなると、なかなかお応えするのは難しくお断りすることもままあります」
「おかしなことを聞く。貴校の卒業生の能力で不足だと、そういう家があるのか?」
「能力ではありません。出自や容姿など……、能力以外の条件です。商家であっても、大きな商会になれば同じような条件を出してきます」
ばからしい。
そもそも家事使用人養成学校に入るのは、継ぐべき家を持たない中級以下の貴族の子女、あるいは知識階層の平民子女だ。中には庶子や私生児、たまには孤児だっている。
みな自分の能力だけを恃みに、一流の家事使用人になることを選んだ。
恵まれた条件の下に生まれていたら、この学校を目指しはしなかった者がほとんどだ。
「当家が求めるのは、信頼に足る人柄、次に職務をこなす能力だ。妻や俺の信頼を裏切らない高潔な人柄こそ、能力よりも大事だと考えている。その者の抱えている事情を知らせてはもらいたいが、その事情を理由に拒むことはない」
ごく自然に、ユーインは校長の懸念に答える。
アンバーも微笑して頷いた。
「卒業前に一度、我が家で数日過ごさせてはいかがかしら? 校長がこれはと思う方がいらしたら、ぜひそうなさって。校長のおっしゃった能力以外の条件について、我が家がどのように扱うのか。実際にみていただくのが一番だと思います」
「承知いたしました。選りすぐりの精鋭をお送りしましょう」
オスマン校長は深々と頭を下げてから、晴れやかに微笑んだ。
帰路、ユーインは馬車を繁華街に向かわせるよう言いつける。
「まだ日も高い。寄り道してもいいだろう」
二日酔いはもういいのか。
早く帰って休んだ方がいいのではと顔色を窺っていると、ふんとユーインは鼻を鳴らした。
「俺はそんなに惰弱ではない。久々に訪れた王都だ。妻に贈り物ひとつできない甲斐性なし。君は俺にそんな不名誉を与えるのか?」
いかにも不本意だ、傷ついたと言わんばかりに、薄い青の瞳がアンバーを睨みつけてくる。
男の沽券というヤツだ。
とても厄介で、でもどこかかわいらしいアレ。
「私は何も言ってません」
笑いながら返すと、ユーインはふいと顔を背けた。
「半年もすれば流行も変わる。俺は妻に流行おくれの格好をさせるつもりはない」
「ありがとうございます。ではお言葉に甘えますね」
連れて行かれたのは、王都でも名の知られた服飾ブランドの本店だった。
オーダードレスに靴、バッグ、アクセサリーや小物まで揃っているけど、高級ブランドに相応しくお値段もかなりハイクラスだ。
ハロウズの家でも使わないことはないけれど、あの見栄っ張りの母でさえ一年に一度使えるかどうかの店。
「次のシーズンの流行を揃えてくれ」
女主人にユーインが言うと、個室でしばらく待たされる。
「お待たせいたしました」
女主人の合図と共に、生きたマネキンが色とりどりのドレスを纏って次々と現れた。
「スレンダーなラインが流行です。奥様であれば必ずお似合いになりますわ」
女主人が言うとおり、ドレスのラインは細身のものがほとんどだった。パニエでふわりと膨らませるタイプではない。
腰から脚にかけてなだらかな曲線を描いているが、マーメイドラインほど膝下が狭くない。
大人の女性に映えるデザインだと思う。
「今見たものをすべて妻のサイズにしてくれ」
ユーインは今、何を言った?
すべてと言ったのか。
軽く十以上のドレスを見たのに、あれを全部?
「ユーイン、全部は……」
言いかけた唇をユーインの指が塞ぐ。
「足りなければ屋敷に呼べばいい」
いやいやいやいや…………。
身体はひとつしかないのだし、そんなにたくさんドレスや靴があっても。
「奥様、殿方に恥をかかせてはいけませんわ。これも閣下のお気持ちですから」
婉然と微笑む女主人に、ユーインが頷く。
「次は仕事用のものを。露出の少ないものを選べ。妻の肌を他の男に見せたくはない」
「承知いたしました」
いったいいつまで続くのだろう。
仕事用が終わると自宅の普段使い用。
最後には夜着に下着まで。
自分のための買い物だとわかっていても、アンバーは気が遠くなる。
誰が着るのだ、この量を。
いったい総額いくらになるのだ、これだけ買えば。
前世今生通して質素倹約を旨として生きてきたアンバーには、とても考えられない買い物の流儀で。
「奥様がそんな風に無欲でおいでになるから、閣下はもっともっとと、なんでもして差し上げたくなるのですわ」
女主人がアンバーの耳元で囁いた。
「いい女に殿方はお金を惜しみません。不敬をどうぞお許しくださいませね。奥様はとてもいい女でおいでです。ですから微笑んでありがとうと、一言おっしゃればよろしいのです。それで閣下はお幸せなのですよ」
女主人の顔を、アンバーはまじまじと見つめる。
くっきり紅を引いた唇を上げた彼女は、かなりの美女だった。
己の才能で生きている女性の誇り高い美しさを感じた。
「マダム、お名を伺ってもいいかしら?」
「レニエ・フレーゲと申します」
「マダム・フレーゲ。今日はお世話になりました。いつかお茶にお誘いしても?」
「喜んで、奥様。光栄でございます」
女二人の親密そうな様子に、ユーインは少しだけ拗ねて、すぐに機嫌を直してくれた。
「フレーゲ、良いだろう?」
帰りの馬車の中で、我が意を得たりとばかり得意そうにユーインが言った。
「君が喜んでくれて嬉しい。それがなによりだ」
言葉どおり嬉しそうに、ユーインはアンバーを抱きしめた。
マクレーン邸から馬車でに三十分足らずの距離なのだけど、アンバーの正面座席でユーインはぐったりしている。
昨日午後の打ち合わせの後、宰相閣下のお屋敷へ連れて行かれたらしい。
そこで国のVIPたちにもみくちゃにされて、夜遅くまで酒宴に付き合わされたということだ。
帰宅は零時を過ぎていた。
朝もだるそうだったので、養成校の見学はアンバー一人で行くと言ったところ、「絶対に一緒に行く」と譲らない。
そして現在だ。
いかにも二日酔いのダルダルな表情をしている。
「ようこそおいでくださいました。校長のクロード・オスマンと申します」
マクレーン王都屋敷の執事ゲーリックが年を重ねたらこうなる。
粋さに渋みがかかった初老の紳士が、穏やかな微笑で出迎えてくれた。
白髪とグレイの髪が良い感じのバランスで、穏やかなグレイの瞳も優し気に人好きがする。
「ユーイン・フェザード・マクレーンだ。こちらは妻のアンバー」
さすがに人前ではきりりとしている。
少し顔色が悪いかなというくらいで、初めての人にはおそらくわからない。
社交的体面を保つ夫の姿を、アンバーはあらためて頼もしいと思う。
校長室の応接セットは貴族学院とは全く違う。
平民の商家レベル、実用的な、つまり質素で飾り気のないものだ。
校長の執務机や椅子、調度品のどれもが、貧相ではないけれど豪華ではない。
質実剛健の校風が、こんなところにも現れている。
「冷めないうちにどうぞ」
出されたお茶を見て、アンバーは少しだけ驚いた。
緑茶?
前世では珍しくなかったけれど、プレイリー王国では滅多に見ないものだ。
「これは珍しい」
ユーインも気づいたらしい。
心地よさげにほっと息をついた。
今の体調なら、これほどありがたいお茶はないだろう。
前世の父は二日酔いの翌朝、このお茶に梅干しを入れて飲んでいたものだ。
「卒業生からもらったものです。お口に合うとよろしいのですが」
柔和な笑顔を浮かべたオスマン校長は、多分ユーインの体調に気づいていたのだろう。
アンバーの直感だ。
わかっていてこのお茶を出してくれた。さりげなく。
(この校長が推薦してくれる人なら信頼できるんじゃない?)
校長への信頼度、この学校への信頼度が、この時点で急激に上がった。
マクレーン家の家政補助要員として数名を推薦してほしい。
簡潔に説明したユーインに、校長は頭を下げる。
「わが校の学生をとお望みいただいて、大変光栄です。辺境伯家の家政補助とは、卒業試験を控えた者たちのどれだけ励みになりますことか」
「謙遜する必要はない。貴校の卒業生の優秀さは、この国で知らぬ者はない。我が家などよりよほど家格の高い家からも、望まれていることだろう」
ユーインの言葉は事実だ。
マクレーン家は上位貴族だしかなり裕福な家でもあるけど、もっと良い条件の家からだってスカウトが来る。
「はい。ありがたいことです。ですがそういう高位のお家では、使用人に求めるものも高いのです。すべての条件を満たすとなると、なかなかお応えするのは難しくお断りすることもままあります」
「おかしなことを聞く。貴校の卒業生の能力で不足だと、そういう家があるのか?」
「能力ではありません。出自や容姿など……、能力以外の条件です。商家であっても、大きな商会になれば同じような条件を出してきます」
ばからしい。
そもそも家事使用人養成学校に入るのは、継ぐべき家を持たない中級以下の貴族の子女、あるいは知識階層の平民子女だ。中には庶子や私生児、たまには孤児だっている。
みな自分の能力だけを恃みに、一流の家事使用人になることを選んだ。
恵まれた条件の下に生まれていたら、この学校を目指しはしなかった者がほとんどだ。
「当家が求めるのは、信頼に足る人柄、次に職務をこなす能力だ。妻や俺の信頼を裏切らない高潔な人柄こそ、能力よりも大事だと考えている。その者の抱えている事情を知らせてはもらいたいが、その事情を理由に拒むことはない」
ごく自然に、ユーインは校長の懸念に答える。
アンバーも微笑して頷いた。
「卒業前に一度、我が家で数日過ごさせてはいかがかしら? 校長がこれはと思う方がいらしたら、ぜひそうなさって。校長のおっしゃった能力以外の条件について、我が家がどのように扱うのか。実際にみていただくのが一番だと思います」
「承知いたしました。選りすぐりの精鋭をお送りしましょう」
オスマン校長は深々と頭を下げてから、晴れやかに微笑んだ。
帰路、ユーインは馬車を繁華街に向かわせるよう言いつける。
「まだ日も高い。寄り道してもいいだろう」
二日酔いはもういいのか。
早く帰って休んだ方がいいのではと顔色を窺っていると、ふんとユーインは鼻を鳴らした。
「俺はそんなに惰弱ではない。久々に訪れた王都だ。妻に贈り物ひとつできない甲斐性なし。君は俺にそんな不名誉を与えるのか?」
いかにも不本意だ、傷ついたと言わんばかりに、薄い青の瞳がアンバーを睨みつけてくる。
男の沽券というヤツだ。
とても厄介で、でもどこかかわいらしいアレ。
「私は何も言ってません」
笑いながら返すと、ユーインはふいと顔を背けた。
「半年もすれば流行も変わる。俺は妻に流行おくれの格好をさせるつもりはない」
「ありがとうございます。ではお言葉に甘えますね」
連れて行かれたのは、王都でも名の知られた服飾ブランドの本店だった。
オーダードレスに靴、バッグ、アクセサリーや小物まで揃っているけど、高級ブランドに相応しくお値段もかなりハイクラスだ。
ハロウズの家でも使わないことはないけれど、あの見栄っ張りの母でさえ一年に一度使えるかどうかの店。
「次のシーズンの流行を揃えてくれ」
女主人にユーインが言うと、個室でしばらく待たされる。
「お待たせいたしました」
女主人の合図と共に、生きたマネキンが色とりどりのドレスを纏って次々と現れた。
「スレンダーなラインが流行です。奥様であれば必ずお似合いになりますわ」
女主人が言うとおり、ドレスのラインは細身のものがほとんどだった。パニエでふわりと膨らませるタイプではない。
腰から脚にかけてなだらかな曲線を描いているが、マーメイドラインほど膝下が狭くない。
大人の女性に映えるデザインだと思う。
「今見たものをすべて妻のサイズにしてくれ」
ユーインは今、何を言った?
すべてと言ったのか。
軽く十以上のドレスを見たのに、あれを全部?
「ユーイン、全部は……」
言いかけた唇をユーインの指が塞ぐ。
「足りなければ屋敷に呼べばいい」
いやいやいやいや…………。
身体はひとつしかないのだし、そんなにたくさんドレスや靴があっても。
「奥様、殿方に恥をかかせてはいけませんわ。これも閣下のお気持ちですから」
婉然と微笑む女主人に、ユーインが頷く。
「次は仕事用のものを。露出の少ないものを選べ。妻の肌を他の男に見せたくはない」
「承知いたしました」
いったいいつまで続くのだろう。
仕事用が終わると自宅の普段使い用。
最後には夜着に下着まで。
自分のための買い物だとわかっていても、アンバーは気が遠くなる。
誰が着るのだ、この量を。
いったい総額いくらになるのだ、これだけ買えば。
前世今生通して質素倹約を旨として生きてきたアンバーには、とても考えられない買い物の流儀で。
「奥様がそんな風に無欲でおいでになるから、閣下はもっともっとと、なんでもして差し上げたくなるのですわ」
女主人がアンバーの耳元で囁いた。
「いい女に殿方はお金を惜しみません。不敬をどうぞお許しくださいませね。奥様はとてもいい女でおいでです。ですから微笑んでありがとうと、一言おっしゃればよろしいのです。それで閣下はお幸せなのですよ」
女主人の顔を、アンバーはまじまじと見つめる。
くっきり紅を引いた唇を上げた彼女は、かなりの美女だった。
己の才能で生きている女性の誇り高い美しさを感じた。
「マダム、お名を伺ってもいいかしら?」
「レニエ・フレーゲと申します」
「マダム・フレーゲ。今日はお世話になりました。いつかお茶にお誘いしても?」
「喜んで、奥様。光栄でございます」
女二人の親密そうな様子に、ユーインは少しだけ拗ねて、すぐに機嫌を直してくれた。
「フレーゲ、良いだろう?」
帰りの馬車の中で、我が意を得たりとばかり得意そうにユーインが言った。
「君が喜んでくれて嬉しい。それがなによりだ」
言葉どおり嬉しそうに、ユーインはアンバーを抱きしめた。
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