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第2章 思春期男子の性と生理
No,24 僕の精通=初めての射○
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【これは小学校5年のお話】
さあ、それからは薬局の前を通る度に気もそぞろだ。
まじまじ見る事は出来なかったけれど、横目でちらりちらりと価格も確認した。ケロちゃん貯金箱を開ければ十分に買える金額だった。
とにかくそれが何なのかは理解している。あとは実物を確認するだけだ。
欲しい!見たい!買いたい!
でも人目のある昼間はいくらなんでも子供には無理だ。
そしてある夜、僕はそれを決行した。
あの夜の事は良く覚えている。まず家を抜け出すのが一苦労だった。よそはどうだか知らないけれど、うちは真夜中に子供が一人で外出するなんて有り得ない感覚の家庭だった。
──あ、それって当たり前か?
5年生の時にはもう波奈とは別々の部屋をもらっていたけれど、そこは二階──親が寝静まってから家を抜け出そうとたくらんだ。
初めての非行、と言えば非行だったのかも知れない。
さいわい誰とも会わずに薬局の前まで来てみると、昼間はさして目立たなかった販売機が、ライトアップで煌々と明るく目立つ存在になっている。
僕はずっと握りしめていた百円硬貨を数枚投入するのだけれど、緊張で指先が震えていた。
ガチャン!との機械音がとても大きく感じた。
商品を握り、そのまま走って家まで戻った。
僕の生まれて初めての射精
=つまり僕の「精通」は、そんな大冒険付きの記憶なのだ。
何はともあれ部屋まで戻った。
コンドームの購入は大成功だ。
さあ、これからだ。僕は興味津々で小箱を開けた。
小袋が三つ入っていた。当然小袋を開けてみる。中にはご存知の物が入っている。意外だったのは、色が濃いピンクだったこと。
そしてそこで終わる筈がない。
僕は半ズボンを膝まで下ろし、パンツも同じように膝まで下ろした。
生唾ごっくん!
興奮で固く勃起していた先っぽに被せて、クリクリクリッと根本まで被せたその瞬間。
(あ!あれれ?)
理久ちゃん何か出しちゃった!
(え?ええっ?)
とキョトン顔。おめめぱちくり。
そこには、例えばスター選手の体躯の想像も戦隊ヒーローの妄想も何も無かった。
好きな子の顔も憧れの先生の姿も何も無い。
単なる「未知なる物」への興奮と「物理的な刺激」だけで
──何か出ちゃった?
それが僕の精通だった。
そしてその後も、実にへんてこりんな事になってしまった。
射精と言う行為が快感を伴う事は確かだった。
初めての時は驚きが勝ってあたふたしてしまったけれど、数日経つと、またもやムラムラと出したい欲望が募ってくるのだ。
抗えない!
それは生理なのだから。
しかし僕は出来なかった。
やり方が分からなかった。
女性誌に自慰の説明はいくらでも載っていた。
「男性の生理です」
「健全な行為です」
「嫌らしい事ではありません」
って、いやいや!どこにもやり方書いてないから!具体的に何をどうしたらいいのか全然分からないし!
──と言う訳で、自分なりに色々試みては見たけどさっぱり出来ない。
そりゃそうだ。
後にして思えばはっきりとした性欲の対象もなく、ただじ~っと股間の先っぽを見詰めながら、ひたすら何か出てくるのを待っていても、何も出てくる筈がない。
あれこれ他のことを考えているうちにすっかり股間の理久ちゃん小さくなって、ああだめだ、もうや~めた。
──となってしまう。
さあ、それからは薬局の前を通る度に気もそぞろだ。
まじまじ見る事は出来なかったけれど、横目でちらりちらりと価格も確認した。ケロちゃん貯金箱を開ければ十分に買える金額だった。
とにかくそれが何なのかは理解している。あとは実物を確認するだけだ。
欲しい!見たい!買いたい!
でも人目のある昼間はいくらなんでも子供には無理だ。
そしてある夜、僕はそれを決行した。
あの夜の事は良く覚えている。まず家を抜け出すのが一苦労だった。よそはどうだか知らないけれど、うちは真夜中に子供が一人で外出するなんて有り得ない感覚の家庭だった。
──あ、それって当たり前か?
5年生の時にはもう波奈とは別々の部屋をもらっていたけれど、そこは二階──親が寝静まってから家を抜け出そうとたくらんだ。
初めての非行、と言えば非行だったのかも知れない。
さいわい誰とも会わずに薬局の前まで来てみると、昼間はさして目立たなかった販売機が、ライトアップで煌々と明るく目立つ存在になっている。
僕はずっと握りしめていた百円硬貨を数枚投入するのだけれど、緊張で指先が震えていた。
ガチャン!との機械音がとても大きく感じた。
商品を握り、そのまま走って家まで戻った。
僕の生まれて初めての射精
=つまり僕の「精通」は、そんな大冒険付きの記憶なのだ。
何はともあれ部屋まで戻った。
コンドームの購入は大成功だ。
さあ、これからだ。僕は興味津々で小箱を開けた。
小袋が三つ入っていた。当然小袋を開けてみる。中にはご存知の物が入っている。意外だったのは、色が濃いピンクだったこと。
そしてそこで終わる筈がない。
僕は半ズボンを膝まで下ろし、パンツも同じように膝まで下ろした。
生唾ごっくん!
興奮で固く勃起していた先っぽに被せて、クリクリクリッと根本まで被せたその瞬間。
(あ!あれれ?)
理久ちゃん何か出しちゃった!
(え?ええっ?)
とキョトン顔。おめめぱちくり。
そこには、例えばスター選手の体躯の想像も戦隊ヒーローの妄想も何も無かった。
好きな子の顔も憧れの先生の姿も何も無い。
単なる「未知なる物」への興奮と「物理的な刺激」だけで
──何か出ちゃった?
それが僕の精通だった。
そしてその後も、実にへんてこりんな事になってしまった。
射精と言う行為が快感を伴う事は確かだった。
初めての時は驚きが勝ってあたふたしてしまったけれど、数日経つと、またもやムラムラと出したい欲望が募ってくるのだ。
抗えない!
それは生理なのだから。
しかし僕は出来なかった。
やり方が分からなかった。
女性誌に自慰の説明はいくらでも載っていた。
「男性の生理です」
「健全な行為です」
「嫌らしい事ではありません」
って、いやいや!どこにもやり方書いてないから!具体的に何をどうしたらいいのか全然分からないし!
──と言う訳で、自分なりに色々試みては見たけどさっぱり出来ない。
そりゃそうだ。
後にして思えばはっきりとした性欲の対象もなく、ただじ~っと股間の先っぽを見詰めながら、ひたすら何か出てくるのを待っていても、何も出てくる筈がない。
あれこれ他のことを考えているうちにすっかり股間の理久ちゃん小さくなって、ああだめだ、もうや~めた。
──となってしまう。
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