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スキルオーブ
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「さぁ着いたぞー・・・ってギルドからすぐそばだけどね。」
道具屋の隣の古びた店の前に着く。
今までこの通りを何回も通ったが人が入っているところは見たことなかった。
正直、古びた民家かと思ったくらいだった。
「すみません~。」
ギィっと鳴る備え付けの悪い扉を開けながら店に入る。
「誰かいませんかー?」
声を掛けたが店員が不在のようで誰からも返事がなかった。
「留守みたいだなぁ。しかし凄いなぁ・・・」
店内には見渡す限りショーケースがあり、中には赤・青・黄色などさまざまな色をした丸い手のひらサイズのガラス玉みたいな物が陳列されていた。
「キレイだなー。まるで宝石店に来たみたいだ。日本では無縁の場所だったけどね。てかコレって宝石なのかな?」
ポドは男の俺に宝石を買わせたかったんだろうか? 生憎だが渡す相手がいない。いや、フランさんになら渡しても良いかも。
「それは宝石じゃなくてスキルオーブじゃよ。」
急に声がしたので振り返ると、いつの間にかお婆さんがカウンターに座っていた。どうやら夢中でショーケースを見ていて気付かなかったようだ。
「す、すみません。勝手に見させてもらっています。ポドからの紹介で来ました。」
「ほぅ、ポド坊からの紹介かぇ。じゃあアンタはまだまだケツの青い冒険者じゃな? あの坊主が紹介で寄越すのは大体そんなのばっかりだしな。」
「はい、そうです。 ちょっと冒険者の仕事に行き詰まっていたらここを教えてもらいまして。それでショーケースに陳列されているのは何なんですか? スキルオーブって言ってましたが?」
「名前の通りじゃよ。この玉にはスキルが封じ込められているんじゃよ。これを使えばスキルを覚えられるんじゃ。ただし、1度使えば消えてしまうがのぅ。」
「それは凄いですね!」
そんな素晴らしい物があるなんて流石ファンタジー世界だ。なるほど、ポドはコレを買って強くなれよって事を言いたかったんだなぁ。
「しかしなぁ、コレはダンジョンでたまにしか取れない貴重品。値が張るぞぉ。」
老婆の脅しにゴクリと唾を飲む。手持ちは金貨25枚分しか無いから、いざとなったら『アレ』の出番かな・・・使いたくないけど。
「ちなみにおいくらですか?」
「それはピンキリじゃよ。何か欲しいスキルはあるかのぅ?」
戦闘系が欲しいが収納系もあったら便利なのでアイテムボックスを聞いてみる事にした。
「アイテムボックスはありますか?」
「アイテムボックスじゃな? 白金貨200枚じゃな。」
えっと、確か白金貨1枚で100万ゴルだから・・・二億ゴルか!?
「高っ! そんなにするんですか?」
「そりゃそうじゃよ。このスキルで行商人やれば時間は掛かるが十分に元は取れるしのぅ。」
「確かにそうかもですね。ちなみに【鑑定】もありますか?」
これもファンタジー系では定番のスキルだ。
「おぉあるぞ。こっちは安いぞ。白金貨で50枚じゃな。」
「高っ! こっちも全然手が出ない・・・」
何と【鑑定】は5000万ゴルもした。確か一緒に転移した高司が両方のスキルを持っていたから、彼は少なく見ても2億5000万の男って事か。
「ちなみに一番安いスキルってありますか?」
「それだとコレじゃな。【家事】スキルじゃな。コレなら金貨50枚ってところかのぅ。」
俺も持っている【家事】スキルだが先ほどの2つより全然安い。それでも所持金の2倍だけどね・・・
「こんなスキルを金貨50枚で売れるんですか?」
「たまに売れるんじゃよ。スキルってのはオーブを使う他に長い時間を訓練すると身に付く。【家事】スキルは主婦なんかには無用じゃが、貴族の娘なんかが結婚する時に箔を付ける為に買っていくんじゃよ。」
「なるほど~。あっ、そうだ! スキルを覚えるオーブがあるって事は魔法を覚えるオーブもあるんですか?」
「ん? お前さん何言っておるんじゃ? そんな物はこの世界にありはせんよ。」
「えぇー! そうなんですか?」
てっきりスキルがあるなら魔法もあると思ったのに・・・
「はぁー。 お前さん本当に何にも知らないんじゃな。『魔法の系統は先天性のみで後天的には増えない。しかも一つの系統で覚える魔法は10個まで』じゃ。」
老婆の説明だと俺は恋金魔法しか使えなくて、【貨幣創造】・【財布】・【貨幣交換】・【悪魔の借入】を除いて後6個しか覚えられないって事か。
「(マジかよー! ただでさえ微妙な魔法なのに、これからマシな魔法を覚えるとは限らない。本当に恋金術士は使えない職業だな・・・)」
「お前さんどうしたんじゃ? 浮かない顔して。」
「い、いえ。ちょっと自分の将来に悲観してしてただけです。それじゃあ、スキルオーブは手が出ないくらい高いので出直してきますね。」
そう言って俺は店を出ようと扉に手を掛けた。
「まぁまぁ待ちなされ。若い者はせっかちでイカン。」
老婆はそう言って呼び止める。
「スキルは安く手に入る方法もあるんじゃよ。まぁ、ポド坊の本当の狙いはそこなんじゃろ。利用されるのは癪じゃが儂に付いて来なされ。」
お婆さんはそう言ってカウンターから立ち上がり俺の前を歩いていく。
冒険者ギルドや主な商店は王城から連なるメインストリートにある。
しかし、お婆さんは脇道という脇道をどんどん入っていく。
そのせいか辺りはどんどん人通りが少なくなっていき、ガラの悪い人達が目立つスラムみたいな場所になってきた。
「(こんな所にお店なんかあるんだろうか?)」
だんだん不安になるがお婆さんは構わず進んでいった。
「ほれ着いたぞ。」
お婆さんがそう言った先にあったのは大きな洋館だった。
「へぇー! こんな所に立派なお屋敷があるんですね! ここは何の場所なんですか?」
「ここはじゃな・・・」
お婆さんがこっちを見ながらニヤリと笑う。
「奴隷商じゃよ。」
道具屋の隣の古びた店の前に着く。
今までこの通りを何回も通ったが人が入っているところは見たことなかった。
正直、古びた民家かと思ったくらいだった。
「すみません~。」
ギィっと鳴る備え付けの悪い扉を開けながら店に入る。
「誰かいませんかー?」
声を掛けたが店員が不在のようで誰からも返事がなかった。
「留守みたいだなぁ。しかし凄いなぁ・・・」
店内には見渡す限りショーケースがあり、中には赤・青・黄色などさまざまな色をした丸い手のひらサイズのガラス玉みたいな物が陳列されていた。
「キレイだなー。まるで宝石店に来たみたいだ。日本では無縁の場所だったけどね。てかコレって宝石なのかな?」
ポドは男の俺に宝石を買わせたかったんだろうか? 生憎だが渡す相手がいない。いや、フランさんになら渡しても良いかも。
「それは宝石じゃなくてスキルオーブじゃよ。」
急に声がしたので振り返ると、いつの間にかお婆さんがカウンターに座っていた。どうやら夢中でショーケースを見ていて気付かなかったようだ。
「す、すみません。勝手に見させてもらっています。ポドからの紹介で来ました。」
「ほぅ、ポド坊からの紹介かぇ。じゃあアンタはまだまだケツの青い冒険者じゃな? あの坊主が紹介で寄越すのは大体そんなのばっかりだしな。」
「はい、そうです。 ちょっと冒険者の仕事に行き詰まっていたらここを教えてもらいまして。それでショーケースに陳列されているのは何なんですか? スキルオーブって言ってましたが?」
「名前の通りじゃよ。この玉にはスキルが封じ込められているんじゃよ。これを使えばスキルを覚えられるんじゃ。ただし、1度使えば消えてしまうがのぅ。」
「それは凄いですね!」
そんな素晴らしい物があるなんて流石ファンタジー世界だ。なるほど、ポドはコレを買って強くなれよって事を言いたかったんだなぁ。
「しかしなぁ、コレはダンジョンでたまにしか取れない貴重品。値が張るぞぉ。」
老婆の脅しにゴクリと唾を飲む。手持ちは金貨25枚分しか無いから、いざとなったら『アレ』の出番かな・・・使いたくないけど。
「ちなみにおいくらですか?」
「それはピンキリじゃよ。何か欲しいスキルはあるかのぅ?」
戦闘系が欲しいが収納系もあったら便利なのでアイテムボックスを聞いてみる事にした。
「アイテムボックスはありますか?」
「アイテムボックスじゃな? 白金貨200枚じゃな。」
えっと、確か白金貨1枚で100万ゴルだから・・・二億ゴルか!?
「高っ! そんなにするんですか?」
「そりゃそうじゃよ。このスキルで行商人やれば時間は掛かるが十分に元は取れるしのぅ。」
「確かにそうかもですね。ちなみに【鑑定】もありますか?」
これもファンタジー系では定番のスキルだ。
「おぉあるぞ。こっちは安いぞ。白金貨で50枚じゃな。」
「高っ! こっちも全然手が出ない・・・」
何と【鑑定】は5000万ゴルもした。確か一緒に転移した高司が両方のスキルを持っていたから、彼は少なく見ても2億5000万の男って事か。
「ちなみに一番安いスキルってありますか?」
「それだとコレじゃな。【家事】スキルじゃな。コレなら金貨50枚ってところかのぅ。」
俺も持っている【家事】スキルだが先ほどの2つより全然安い。それでも所持金の2倍だけどね・・・
「こんなスキルを金貨50枚で売れるんですか?」
「たまに売れるんじゃよ。スキルってのはオーブを使う他に長い時間を訓練すると身に付く。【家事】スキルは主婦なんかには無用じゃが、貴族の娘なんかが結婚する時に箔を付ける為に買っていくんじゃよ。」
「なるほど~。あっ、そうだ! スキルを覚えるオーブがあるって事は魔法を覚えるオーブもあるんですか?」
「ん? お前さん何言っておるんじゃ? そんな物はこの世界にありはせんよ。」
「えぇー! そうなんですか?」
てっきりスキルがあるなら魔法もあると思ったのに・・・
「はぁー。 お前さん本当に何にも知らないんじゃな。『魔法の系統は先天性のみで後天的には増えない。しかも一つの系統で覚える魔法は10個まで』じゃ。」
老婆の説明だと俺は恋金魔法しか使えなくて、【貨幣創造】・【財布】・【貨幣交換】・【悪魔の借入】を除いて後6個しか覚えられないって事か。
「(マジかよー! ただでさえ微妙な魔法なのに、これからマシな魔法を覚えるとは限らない。本当に恋金術士は使えない職業だな・・・)」
「お前さんどうしたんじゃ? 浮かない顔して。」
「い、いえ。ちょっと自分の将来に悲観してしてただけです。それじゃあ、スキルオーブは手が出ないくらい高いので出直してきますね。」
そう言って俺は店を出ようと扉に手を掛けた。
「まぁまぁ待ちなされ。若い者はせっかちでイカン。」
老婆はそう言って呼び止める。
「スキルは安く手に入る方法もあるんじゃよ。まぁ、ポド坊の本当の狙いはそこなんじゃろ。利用されるのは癪じゃが儂に付いて来なされ。」
お婆さんはそう言ってカウンターから立ち上がり俺の前を歩いていく。
冒険者ギルドや主な商店は王城から連なるメインストリートにある。
しかし、お婆さんは脇道という脇道をどんどん入っていく。
そのせいか辺りはどんどん人通りが少なくなっていき、ガラの悪い人達が目立つスラムみたいな場所になってきた。
「(こんな所にお店なんかあるんだろうか?)」
だんだん不安になるがお婆さんは構わず進んでいった。
「ほれ着いたぞ。」
お婆さんがそう言った先にあったのは大きな洋館だった。
「へぇー! こんな所に立派なお屋敷があるんですね! ここは何の場所なんですか?」
「ここはじゃな・・・」
お婆さんがこっちを見ながらニヤリと笑う。
「奴隷商じゃよ。」
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