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haya

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公爵領

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 オーライトの街から伸びる東の街道を進んでも二日目。依頼のあったキープ公爵領へと向かう二又の道に着いた。


「これがマールさんの言ってた別れ道か・・・」


 マールさんからは依頼を受けるにあたり、事前に分かれ道の話を聞いていた。


「確かこのまま石畳の道を真っ直ぐ進むと商業都市へ行くんですよね?」


 リエルが確認してくる。


「あぁ。そんでこっちの南東に向かう道が公爵領へ向かう道なんだが・・・」


 言いながら公爵領へ向かう道を見るが今まで進んで来た道と違い、お世辞にも良い道とは言えない。馬車もすれ違い出来るほどの幅も無く、道は荒れ果て石畳等ではなく普通の土道だ。平らでもなく若干の勾配が交互に続いていた。



「こりゃ凄いな・・・」

「歩き辛そうな道だね・・・」

「公爵領行きの馬車が無い理由が分かりましたね・・・」


 大人しく諦めて歩き辛い道を進む。
 
 目的地の街までに3つほど村を通過したが、どの村もあまり栄えているとは言い難かった。




「ようやく着いたな。」


 オーライトの街を出て3日、俺達は依頼のあった鉱山の街に着いた。
 公爵の館もあるせいか、通過した3つの村より発展していて十分街として言えるだろう。


「さてと、まずは公爵に会わないとだな。あそこで寝ている人に聞いてみるか。」


 まだ平日の昼間だというのに木陰で寝ている人がいた。


「すいませーん。公爵の館は何処か教えて欲しいんですが・・・」

「んぁ? 人が気持ちよく寝ているのに・・・公爵様の館はこの道を行けばあるぞ。 兄ちゃん達、この辺じゃ見ない顔だな。」


 寝ていた若者は面倒臭そうに話す。


「あぁ、俺達は依頼でオーライトの街から来た冒険者だ。」

「依頼って事は鉱山の魔物を討伐しに来たって事か。 あーあ。これでゆっくり昼寝ができる生活も終わりかー。」


 若者は残念そうに肩を落とす。


「君は鉱山の関係者か?」

「ん? あぁ、俺は鉱夫をしてるんだよ。 だから魔物が討伐されるとまた意味の無い仕事の始まりだな。」

「意味が無いって・・・仕事が出来なければ生活も出来ないんじゃないか?」

「まったく意味が無い訳じゃないけど、どうせ掘ったって在庫が増えるだけだしな。」

「そうなのか?」


 俺が不思議そうに尋ねると若者は驚いていた。


「アンタ何も知らないんだな・・・ ここの公爵領の鉱山から採れるのは多く取れる順に銅・鉄・銀それと本当にちょっとだがミスリルも取れる。」

 ミスリルがあるのか。さすがファンタジーな世界だな。ミスリルで出来た剣とか欲しいなぁ。


「まぁ、それらは王国が全て買い取るんだが、これがまた相場以下で買われるし王国が欲しい時にしか買っていかねぇ。だから買われる量に対して採れる量が多いから在庫が増えるのさ。お陰で製鉄所も開店休業中だ。」

「王国に売るのじゃなくて、他に売れば良いんじゃないか?」


 俺は普通に思った事を言ってみる。


「それが出来たら苦労しないさ。まず公爵様だが今の国王様の弟でな。前の国王様が亡くなった時に今の国王様と後継者争いに負けて鉱山のあるこの領に飛ばされて来たのさ。」


 ここの公爵はあのクソ国王の弟なのか。それじゃあ性格も悪そうだな。


「そんで国王様が睨みを利かせているから他の商人は国王様を恐れて誰も買わず、国に安値で渋々売らないといけないって事さ。他の商人は国から相場で買ってるから別に痛くもないから無理に国王の反感を買ってまで買わなくても良いしな。」


 後継者争いをしてたくらいだから仲は良くないのだろうな。
 
 それにしてもあの国王にしては良い手だなぁ。
 安値で買い叩くから公爵領が潤う事も無いから反乱を起こす心配も少いし、自分の手で後継者争いに負けた者を処罰すれば対外的にも心証は悪い。
 徐々に弱らせて自分から自滅してくれれば手を汚さないで済むしね。


「あっ! それなら他国に売るのはどうだ? 商業国家なら買ってくれるんじゃないのか?」

「オーライトから来たなら分かるだろうが、公爵領の道は最悪だ。あんな道、普通の荷馬車じゃ到底持たないさ。ただでさえ金属は重たいしな。荷馬車が耐えれない。それこそ王家専用の特殊な荷馬車でもない限りな。」

「そうか・・・あの道はなぁ。」

「だから少い売り上げも道の整備に回せば良いのにあのクソ公爵め! 自分の贅沢に回しやがる! 俺達も少ない給料でこき使いやがって!」


 若者はだいぶ怒ってるようだった。こりゃ公爵と会うのがおっくうだな・・・ どんだけ嫌なヤツなんだろうか。


「それなら他ので頑張るとかは? 例えば農業とかさ。」


 なんとか明るい話にしようと他の提案をしてみる。


「他の村も廃れてただろ? 公爵領は肥沃な大地じゃないからあんまり農業に向かないんだ。 せいぜい麦くらいがまともに育つくらいかな・・・」


 何とか良くなるように提案してみたが、余計に暗い話になってしまった。
 若者に気の効いた言葉も掛けれず別れる事になった。

 しかし、あの国王の弟か・・・今から会うのが億劫になってきたなと少し 暗い気持ちで歩き始めた。
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